現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

高校野球の一回戦を応援にいく


午前中はミネラル肥料をまく。


午後は、次男の野球部の夏の大会の一回戦なので、球場へ応援にいく。次男は1年生なので、スタンドからの応援だが、チームの試合を初めて観るので、どんなチームなんだろう、ということなんですが、ま、そんなことはともかく、野球は好きなんですな、あたしは。
驚いたのは、相手チームのピッチャーがサイドスローで、これが、なかなか速い球を投げている。投球練習の一球目でこれはいいピッチャーだと、わかる。サイドスローとか、打てるの?これが、打てないんだなぁ。要所は速い球で三振なんかもとったりしている。
ところが、相手チームは、よく打つんだなぁ。一回の表、いきなり先頭打者が左中間を抜いて、三塁まで走ったが、走りすぎて三塁でタッチアウト。やれやれ、とおもったが、次々みんないい当たり。これは、いい強いチームだわ。
三回の表、2アウトランナー一塁、6対0で攻められている時に、一天にわかにかき曇り、雷が鳴りだして、試合中断。突風が吹き荒れ、雨がざーっと音を立てて降ってきました。嵐です。このままノーゲームになるのかな、と思っていたら、さらに一天にわかに晴れ上がり(遠藤周作風)試合再開。結局、10対0で五回コールド負けになってしまいました。
あるんだなぁ、こういうことが。

初めて観る試合なので、チームやピッチャーの好不調はわかりませんが、うちは4人のピッチャーが投げましたが、2番手ピッチャーに次男と同じ一年生のT君が投げました。T君は次男と同じで小学2年生から同じスポ少のチームで野球をしてきています。まさか一年生の夏の大会からマウンドに上がるとは思ってもみませんでしたので、ドキドキしましたが、速い球を投げ込んでいました。ピッチングフォームは少し変わっていましたが、牽制球のうまさや、走り方は小学生の時と同じで、なんだかしみじみしました。
五回の表に点数を取られて10対0になり、裏の攻撃で点数が入らないとコールド負けになるとわかると、監督さんは、ピッチャーもふくめて三人、選手を入れ替えて三年生の控え選手を起用。五回の裏の攻撃でも代打で選手を使われていました。初めて観る試合なので、三年生の選手が全員試合に出られたのかどうかは、わかりませんが、負けそうな時、負けが決まりかけの時、試合の後半、ベンチの控え選手が起用されることは、甲子園でもよくありますね。
こういう起用を疑問視する人もいますし、そうしてその起用が成功する確率の低さもよくわかります。
でも僕なんか、そういう場面になると、もう泣けてしまうんだなぁ。最後の大会で試合に出してやりたいという監督さんの気持ちというより、どんなドキドキで守備につき、どんなドキドキでバッターボックスにはいるか、想像してしまうから。
ベンチで控えている選手の出番は、いくら実力が拮抗していても、レギュラー選手、先発選手で、試合経験の豊富な選手と、そうでない控え選手の差は、実力以上に大きくでるものでもあります。大差で負けている、というような時に出てくる控え選手の心持ちは、どんなだろう、とあれこれ想像してしまいます。
野球というスポーツは、実力差があっても、勝ち負けが必ずしも実力差の通りにはならない、波乱の多いスポーツです。全天候型のきれいなトラックで、用意ドン、で走りんこするのとは違う、さまざまな要素がある。素人にもわかりやすいドラマがある。
たとえば。10点差で五回裏、ツーアウトランナーなし、で代打でバッターボックスにはいる控え選手。たぶん・・・という気持ちと、ひょっとしたら・・・という気持ち、そのドキドキの興奮の、その顔つき。その真剣なまなざし。


次男は、ユニフォームを着て、スタンドから大きな声で声援を送っていました。小学二年からの友だちがマウンドで投げる姿を、どんなふうに観ていたのかな。
今日の試合が忘れられない試合になる若者は、これから続く、ながいながい人生の中で、どういう句読点を打つことになったのか。いくつもいくつも句読点を打ちつつ、人生は続いていくのです。悔しさは、一番いいバネの材料になりますな。


球場から戻ってきて、田んぼへ。無農薬の田んぼの中の雑草をすこしとる。