現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

桜が五分咲きとあぜ塗りと苗代に苗箱をだすこと



9日(日)
朝は雨、その後やんだが・・・。曇り空やら風強し。


10日(月)
終日、終日曇り、午前中はたまに陽射し。
午前中はあぜ塗りに出る。
午後は先日播種して発芽機に入れておいた苗箱の芽が少し出てきていた。本当なら明日まで待って、明日の朝から苗代に出す、という作業をするのだが、明日は雨との予報。雨では苗代に出せない、しかも発芽機に入れておくと芽が伸び過ぎるという懸念もある。それで急遽、まだいささか芽立ち状態は良くないのだが、苗代に出すことにした。百姓仕事というのは、こんな具合に臨機応変に、天気をみながら作業しなくてはならないのが、シンドイところです(笑)。予定通り、計画通りには、なかなかいかないのです。30℃の発芽機の中から、いきなり13℃の苗代に並べられるのも災難のような気がするし、いろいろ心配ではあるが、でもまあ、あとは発芽した種籾に頑張ってもらうしかない。
信頼してるぜ、頑張ってくれよ、頼むぜ、と思うしかない。



準天頂衛星「みちびき」の話をラジオで聴いた。
人工衛星を使った測位情報はだんだん暮らしに結びついたものとなってきていますが、準天頂衛星システムというのは、日本のほぼ天頂(真上)を通る軌道を持つ人工衛星を複数機組み合わせた衛星システムで、常に1機の人工衛星を日本上空に配置するというもののようです。山間部や都心部の高層ビル街など、GPS衛星の電波が測位を行うために必要な衛星数が見通せない場所においても、準天頂衛星の信号を加えることによって測位ができる場所と時間を拡げることができるとのことです。
ラジオではこの『みちびき』を農業に利用するという話が出ていました。準天頂衛星を使うと測位情報の精度が上がるので、トラクタをロボット化して、無人でも田んぼ仕事をすることが出来るのではないか、という実験がおこなわれいるようです。
LED光源で室内で野菜などを水耕栽培のような形で栽培するいわゆる野菜工場的な発想は、僕にはもうひとつなじめない。太陽光にも自然の風にもあたらずに育った野菜や米が、おいしいのか、そういう作物をみんなは食べたいのか、よくわからない。
品種改良というのは、ものすごく大切な技術だと思うが、農薬と遺伝子組み換えがセットになった技術には大きな疑問をもっている。現実に大手企業が儲かるだけのシステムになっているし、強烈な除草剤とその強烈な除草剤にも負けない遺伝子組み換え作物がセットになっても、僕はあまりそういう食材を食べたいとも思わないし、地球環境全体としてあまり未来を感じない。

でも、今おこなっているトラクタ作業や稲刈り作業、さらに田植え作業がロボット化されれば、すごく楽になる気がする。無人で道路を走らせるのは無理にしても、田んぼの中まで機械を運べば、あとは無人ということになれば、オペレータ役が一人分いらなくなるので、その一人が作業のサポート役に回れるので、楽になれそう。ただトラブったときの対処が問題だけど。
農業者人口の減少と高齢化、食生活の欧米化、さらに米価の下落という現状を考えると、一人の農家の耕作する面積の拡大は必然なので、トラクタのロボット化はありがたいような気がするが、ロボットトラクタの値段はいくらになるのか(笑)。田舎では50年前はほとんどの家が農家でみな米は自給していたのだが、今では、このあたりでも農家の割合が5%ぐらいになってくると、農業の寡占、農産物の寡占というようなことも、そのうちおこってくるような気がします。農産物というのは食べ物のことですから、それが寡占でいいのかどうか。


昨日の日曜日、近所のおばさんから「ヒロアキちゃん、広報に載ったッたで。最優秀市長賞の講師のこと。」「えっ?講師?なんの話ですか?」「なんの話って、講演の話よ。」「ああ、いや、あれは講演ではなくて、・・・」「まあ、ほんでも、ええこと、立派なことやが。お隣に講演さある人がやあるなんて!」「えーっと、それは広報に載ってたん?なんの広報ですか?」「こないだ自治会で配ってもろた広報やで。」「自治会の広報!?」と、褒められたのか、冷やかされたのか、わからなくて家に帰ってちょっと広報を調べてみたら、「広報うちぼ」でもなく「広報ながはま」でもなく「ながはまし農業委員会だより」でした。3月31日発行のものの表紙の裏の巻頭に載っていました。なるほど。これだったのか!「▲講師の辻井浩昭氏です」とキャプションで紹介されていると、まあ、ご近所の方はビックリしますわな、近所の百姓のオッサンなんですから(笑)。うちの家族は誰も気がついていなくて、もうすこしで処分されてしまうところでした(笑)。ま、まったくもって、ありがたいことです。こうなってくると、ますます、というか、いよいよ精進せばなりませんな(笑)。
しかし、だいたい世の中、お相撲さんを除くと精進という言葉が似合わない男ほど精進という言葉を使いたがりますね。お相撲さんというか、関取はやはり立派です。


桜は五分咲きになりました。
今日、あるプロカメラマンのブログを読んでいましたら、「桜の満開というのは、散りはじめぐらいなんではないかと思っている。満開と発表されても、よく観てみるとまだツボミが残っていたりする。」なんて書いておられました。いや、さすがはプロのカメラマン。桜が満開で美しい時をよく知っておられるし、よく観察しているなぁ、と思いました。僕もおんなじように感じていました。って追随して書くのもなんかアレだけど。