現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

おいしいビールを飲むために。


6日(木)
朝、目が覚めて蒲団の中で今日の天気を確認しようとしたら、SNSにたくさんの書き込みがあるので、何ごと?と思ったら、北海道の大地震。あわててテレビを点ける。
東日本大震災、熊本大地震、西日本大洪水、関西は台風、北海道大地震、とまあ、日本中が被災地になって、未だ立ち直っていないわけで、税金の使い方の方針を見直してほしいです。バランスがおかしいような気がしています。災害でたくさんのひとが困っているところへ緻密に計算して税金を使ってください。内閣総理大臣はしっかりするように。まじで。



朝は曇っていたが、天気は良さそうなので、まず米の出荷をしてから、稲刈りに出る。台風のこともあるし、土は乾いていなくて、すこし水が浮いているし、稲はコンバインで刈れないほどではないにしろ、大きく傾いてしまっているし、ゆっくりゆっくり刈る。本当はスピードを上げて刈りたいところだが、仕方がない。
にもかかわらず、最終的に、乾燥機に籾を入れすぎて、モーターが過負荷で止まってしまう。やれやれ。ま、いろいろありますわな。
なんとか対処して、それから籾擦りと調整作業で出た、要するに網から落ちたクズ米や中米を出荷。中米の品質をおおいに褒めてもらう(笑)。我ながらばかばかしいし、反省点として考えてもいいが、うまいビールを飲むためには、馬鹿正直にやるしかない。就農したときからそう決めている。山口瞳サントリーの新聞広告で成人式を迎えた若者にそう語っていた。検索したら昭和58年の1月15日の広告だったらしいです。僕が21歳の1月15日。すでに法律上飲酒を許されている年齢です。この新聞広告を何度も何度も繰り返し繰り返し読んだことを覚えています。昨日のことのように(笑)。


      正直貧乏     山口瞳


   どんなに勉強しても試験の成績が悪いことがある。
   正直に真面目に働いても貧乏している人がいる。
   この人生には残酷な一面がある。
   「正直貧乏、横着栄耀(おうちゃくえいよう)」という言葉があるそうだ。
   しかし、僕は、この人生、血も涙もないとばかりは思っていない。
   正直にマジメにやっていれば何か良いことがあると信じている。
   第一、そうするよりほかに手立てがないじゃないか。
   そうするよりほかに美味い酒を飲む方法がないじゃないか。
   結果が悪くてもクヨクヨするな!
   成人式を迎えた諸君に「正直貧乏」という言葉を僕は贈る。


   成人おめでとう


ふっと気がつけば、三回目の成人式も微妙に近づきつつある今日この頃ですが(笑)。二十歳の若者には「結果が悪くてもクヨクヨするな!」と励ましてお酒を注ぎたくなりますが、五十の半ばを超えた、すでに天命を知っているはずのオジジには「結果が悪くてもクヨクヨするな!」と誰も言ってはくれません。が、おいしいビールを飲む方法だけはすこしわかってきました。


あ、夕方、台風で積んでおいた苗箱が倒れていたので、回収して作業所の二階にきれいに積み上げ、さらに泥だらけになったコンバインの足回りを水洗いする。でも暗くなってきてよく見えなくなったので、水洗いは中途半端ながらコンバインを車庫に入れる。
ええ、一日、よく働いたのでおいしいビールをいただきました(笑)。


7日(金)
終日、雨が降ったり止んだり。
基本的に昨日刈取った籾の乾燥があがるのを待って籾擦りの一日。
あと農業共済のMさんと話をしたり米の出荷をしたり、精米したり。


以前、猛暑や日照りの年は、みんな水不足を心配して、返って水を張り過ぎて、土を柔らかくしがち、と聞いたことがある。うちの田んぼもどうやら水を張り過ぎたのかな?畔際の欠株のところにはなんだか水草が繁茂して、昔、熱帯魚を飼育していたときに憧れていた水草一杯の水槽のような状況になっています(笑)。えー、よく観ないとどこが水面なのかわからないかもしれませんが。シクリッドやカラシンの仲間の淡水魚が泳いでいそうな雰囲気なのが、我ながら笑える。