朝から雨。異常に暖かい朝。でも天気予報では午後から気温が下るとのこと。
午前中少し、事務仕事。それから午後は農業関係のお客さんが二人。あれこれ、農業談義でいくつも刺激を受ける。
午後は雨が上がったので、農業の調査に関するアルバイト。
中田考『13歳からの世界征服』(百万年書房)読了。いやー、スバラシイ!人生相談という体裁をとっていはいますが、おもしろいです。「非常識きわまりない人生相談本」という書評もありましたが、ま、それは褒め言葉です(笑)。中田考氏は日本人なのですが、イスラーム法学者の先生なんだそうです。たぶん日本人にはイスラーム教というのは、キリスト教ほどは理解されていませんからね。と、書いたけど、仏教もキリスト教も、あまり理解されていないような気がするけど。
僕が感心したのは、というか、なんだかどんな質問に対しても、即答していることです。中田考先生に迷いはない、という感じです。
それともう一つ中田考先生に無頼派を感じたことです。ダダイズムというか、国境も国家も取っ払ってしまった世界、うーむ、要するに現代の暮らしからすると、けっこうな危険思想でもありますよね(笑)。だから「非常識きわまりない人生相談本」というようなことを書かれたりするわけですが。要するに、常識を疑え、ということを突きつけてくるわけですね。だから本の帯には、「中田先生、なぜ人を殺してはいけないのですか?」「人を殺していけない根拠などありませんせん」というちょっとセンセーショナルな文字が踊っていますが、ま、そういうことですね。
無頼派といえば坂口安吾、太宰治ですが、他人(国家も含む)に頼らず自分で生きていく、「絶対の孤独」を抱えて生きていく、ということでいうと、大宰は甘えたちゃんですから、無頼派の本流(?)はなんといっても安吾です(笑)。で、中田考先生も間違いなくその本流におられるのではないかと思いました。安吾ファンの僕としては、そういう意味でも、先生の回答に気持ちよく、スカッとさせられます。そういう意味ではものすごく文学的な本だし、常識的に価値があると思われていることの多くが、実は根拠のない思い込みであるということをたくさん指摘しているので、この本は作家にとっては、小説のネタ帳にもなりそうです(笑)。痛快です。
読書習慣のある中学生、高校生の若い人にお勧めしたい。って、僕のブログは、そういう若い人には読まれていませんが(笑)。って、世界征服という視点からすると、ほとんど誰にも読まれていないに等しいのですが(笑)。