現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

今年最初の温湯消毒と苗箱の土入れ


 雨の一日。午前中はとくに強風。
 午前中は今年最初の温湯消毒。ええ、最初なのでちょっとバタバタします(笑)。60℃のお湯に10分間浸けて消毒します。
 午後は今年最初の苗箱への土入れ。とりあえず土、一トン分の試運転。これまた最初なので播種機のグリスアップから始まってちとバタバタ(笑)。高齢の父と母も手伝ってくれてありがたいことでした。長男は播種機に培土を入れる係。父は播種機に空の苗箱をセットする係。母は苗箱に落ちた土を均したり、箱の縁に落ちた土を落とす係。私は仕上がって流れてきた苗箱を取り上げて積み上げていく係。
 今のうちの播種機では人手がいるのは父も母もわかっているので、ここ数日、「いつ始めるんや?」「まだせんのか?」とやかましいことでしたが、ありがたいことでした。父は92歳ぐらいかな?母は85歳くらいかな?もう誰もわからなくなってきているですが(笑)、農業一筋、米づくり一筋の両親ですので、学歴と言えるものはなにほどもありませんが、長く深い経験則による知見と観察眼は、そこいらの普及員さんや大学の先生にだって引けは取らないと思います。ま、高齢ゆえの記憶の混乱はご愛嬌です(笑)。
 もう何度も書いていますが、農業というか、植物、生き物に携わるときには、観察力というか観察眼というか、生き物のどこをいつ観るか、というところがとても大切で、ぼーっと観ていると、対応が遅れるんですね。というか、就農したばかりの者には、どこを観ればいいのかがわからないわけです。私も最初の頃は父のそういう助言にずいぶん助けられてきました。「ああ、観ているところが違うんだ。」という思いを何度もしたものです。
 今から思うと子育てや教育にもあてはまる視点ですね。ええ、なんにもであてはまる視点かもしれません。

 今日の日本農業新聞のインタビュー記事。農業者向けの新聞記事ですけれど、消費者の方々にも読んでいただきたいと思いました。私は最後のところの ”ご近所からもらったミニトマトを出したら「これ、誰の?」て聞かれます。” というところに激しく心動かされました。ええ、そういうもんですな。ネットでお米を販売している私も、そういうところで競争して米づくりの腕を上げたいと思っています。