現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

「秋の詩」の播種と散る桜と吉野弘の「初節句」と温湯消毒と夏日


11日(月)
 早起きして、朝からバタバタと種落しの準備。それからプール苗代の水位の確認。今年からプールをつくる農ポリを二枚にしたのだが、えー、二枚とも古いやつを使ったやつは、やはりどこかに穴が空いているんでしょうな、どうも毎日水を足さないといけません。やれやれ。
 で、午前中は「秋の詩」の種落し。350枚ほど。少なめなのでわりと早く終えられました。
 普通は中二日で苗代に出すのですが、木曜日は雨の予報。80%の降水確率。ええ、こういう時、困るんですよねぇ。うちはビニールハウスではなくて露地のプール育苗ですので、まあ、雨だと苗代に苗箱を並べにくいんですよね。それで、まあ、普段なら出芽機に入れて30℃に上げるのですが、温度を上げずに様子を見ることにしました。温度を上げないといっても、気温もあがっていますから出芽機の内部は22℃になっていました。ま、様子を観ながら、苗代に並べるのを金曜日か土曜日にする予定です。こういうところが、どうも、ええ、観察眼もいるし、経験もいるし、難しいところです。

 長浜では夏日でした。
 最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日、0℃未満の日を真冬日、あと最低気温が25℃以上の日は熱帯夜ですね。あ、いや、自分のメモ用です。
 今日は午後、事務仕事もすこししたのですが、窓は網戸をして南と北の窓を開けたら、あまりに風が通り過ぎて紙類が散らばってしまったので、北の窓は閉めした。春はねぇ、気温や降水量も気になるのですが、風も農作業には激しく影響するんですよね。

 満開だった桜も一昨日あたりからちらちらと散りはじめました。今日は風があったので盛大に散っていましたよ。あ、BGMの音量が大き過ぎたかも。迂闊でしたが、ま、いいか。気をつけてください。


どうもね、HDの画質にしても、どうもYouTubeに上げると細かいものは写りませんな。ま、一瞬の風で舞い散る花びらにあわててスマホを向けたのですが・・・。いや、元の映像だとそこそこ花びらも写っているのですが・・・。

 今日の庭の花々。奥さんの世話しているプランターのチューリップが咲きましたが、いろいろあるもんですな。

 ふっと吉野弘の詩を思い出して詩集のページを繰ってみた。墓地と鯉幟の対照。死と生の対照。吉野弘の得意技ですね、こういうの。うん?「対照」でいいのか?
 男の子の初節句は五月五日。初節句なんて古めかしいしきたり、習慣、風習のように思ってきたけれど、というか冷静に考えるとなにがなんだかよくわからなくなるのだが、子どもが無事に成長していくのを願うのは、親や家族や身内なら当然のことだし、赤ん坊が生まれると自分の無事以上に赤ん坊の無事を願ってしまったりするわけですな。初節句に近い風習はいろんな国、いろんな地方にあるでしょうね。
 あと「土」は結局、生き物の屍から出来上がっていくのですが、そこからまた生命が育まれていくわけで、「持続可能な社会」というのは、要するに、結局、土づくりなんですね。そう思います。

      初節句      吉野弘

      小さな墓地に
      鯉幟がひるがえっている

      墓地は畑にかこまれている
      畑には野菜がかがやいている

      食物を得るのも土
      人の葬られるのも土

      地下の家系をひく
      地上の幼いものの祝いごと

      小さな墓地に
      鯉幟がひるがえっている

      遠い親たちの幼い日の
      にぎやかな蘇りのように


12日(火)
 午前中は温湯消毒。慣行栽培と有機栽培の「コシヒカリ」。
 午後は父がプール苗代のプールの枠を作ってくれていたので、長男と二人で農ポリを敷いて、水を張る。
 それから二人で田回りに出て、水を入れている田んぼの確認と、新たに尻水戸に板をはめて回る。
 夕方から同級生の大工さんとあれこれ話をする。

 しかし、今日の最高気温は26.4度で、今日の夏日。6月中旬並だとか。汗だくになるはずだ。水もたくさん飲んだしなぁ。木曜日は雨だというので出芽機のヒーターが入らないようにしているのだが・・・。これじゃどんどん伸びてしまいそう。やれやれ。

 上は11日朝の苗代の苗箱の様子。下は12日昼の苗代の苗箱の様子。ま、24時間ほどで、ずいぶん姿が変わります。