現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

精米と『空母いぶき』と『お金に頼らず生きたい君へ』

13日(日)
 午前中は精米など。
 午後は雨になる。風もわりと吹く。

 夕方、若松節郎監督『空母いぶき』(2019)を観る。楽しめました。最終的に戦闘が回避されたあのシーンというか、脚本は「それはないんじゃないの?」と言いたくなりましたが。私は映画として楽しめました。でもこういう映画は右っぽい人からも左っぽい人からも批判されるだろうな。若松節郎は『Fukushima 50』(2020)の監督さんでもあるんですね。ああ、同じ匂いはしています。『ホワイトアウト』(2000)、『沈まぬ太陽』(2009)の監督さんでもあったのか。なるほど。この二作もおもしろかったですね。
 漫画が原作だそうで、映画にはいろいろ変更点があったようですが(漫画のほうは未読)、どちらがリアリティのある話になっているのかはわかりません。まあ、でも敵が中国人民解放軍から架空の「東亜共同体」になったことで映画として成り立ったんでしょうな。主役は西島秀俊佐々木蔵之介になるのかな。二人ともかっこいいです。とくに西島秀俊の目では笑わず口元だけで笑うという演技がおもしろく感じました。あと総理大臣役の佐藤浩市ね。昔、アメリカ映画の『エアフォース・ワン』のハリソン・フォードがすばらしくて、ハリソン・フォードに大統領をしてもらったらどうか、という話が起こったという噂を聞いたけれど、なんか佐藤浩市の総理大臣、益岡徹官房長官も「記者会見を開こう、準備してください。」というところなんか、悪くないと思ってしまいましたな(笑)。やっぱり政治家も指揮官も最後は言葉ですな。なにをどんな風に言うか、あるいはなにをどんな風に言わないか。
 映画だからそういうものなのかもしれませんが、情緒というか情に流れぎみなんですよね、全体に。もし(戦争ではなく)戦闘が起こったとして自衛隊員が戦死したり(殺されることです)、自衛隊員が相手の戦闘員を戦死させたら(殺すということです)、どういう状況になるのか、政府は、総理大臣は、国民にどう説明し、どうしてほしい、と言うのか。国民はパニックにならないのか、どこか離島に敵が上陸してきたとして、その上陸作戦で島の住民が負傷したり亡くなったり(殺されるということです)したら、国民の世論はどうなるのか。簡単に想像できるような気もするし、想像を超えて何か起きるかもしれないし、僕がどう感じるかも、よくわからない。怖い。国民主権基本的人権の尊重、平和主義の日本国憲法をもつ日本の政治家、官僚、外交官のみなさんは、映画の中のこういう事態にならないようによくよく考えておいてほしいです。次の選挙のための集票とお金儲け、利権だけじゃ困ります。
 いろんな国が恥ずかしげもなく自国第一主義を掲げたりする世の中になってきましたし、実際に戦争をしたり、ミサイルを発射する国もありますし、やだなぁ。まあ、百姓がやだなぁ、と言ってもどうにもなりませんが。そもそも地球環境の変化のことをちょっと考えて想像してみると、そんなことをしてる場合じゃないことは、百姓にだってわかるんだが。

 夜は『鎌倉殿』を観る。公暁のことを「こうぎょう」と呼んでいるけれど、僕は高校の時の歴史の時間に「くぎょう」と習った気がする。いや、あまり自信がないんですけど、「こうぎょう」でいいんですか?と思ってネットで検索したら、ああ、出てきました。やっぱり今は「こうぎょう」なのか

14日(月)
 午前中は精米など。
 午後は事務仕事など。
 今日は風が冷たい。空気が入れ替わりましたね。いや、事務仕事、またもや追い込まれつつあって、急がなくては(笑)。映画を観たり、ブログを書いているような時間はないんだけれど(笑)。久し振りにFileMakerを使う予定。思い出せるかな?

 そんな忙しい時に注文しておいた本が届く。服部文祥『お金に頼らず生きたい君へ 廃村「自力」生活記』(河出書房新社)。14歳の世渡り術シリーズだそうです。私は還暦も過ぎてしまいましたが、お金に頼らず生きていけるものならそうありたいぜ。なかなかね、還暦過ぎても、というか、還暦を過ぎたからなのか、お金がないとままならぬ暮らしぶりなのだが、そのお金が、あーた、ままならぬというか、手元不如意というか、天下の回りもののはずなんだが、いっこうに回ってこないのはどうしたことかとも思うが、どうも回るルートから外れたところにいるらしい。するとまあ14歳向けの少年少女本にも手が出ようというものですな(笑)。えーい。笑はば笑へ。
 そういえば、就農する時、同じ村の同級生が「なんや、ヒロアキちゃん、自給自足の生活でもはじめるつもりなん?」と言われて、びっくりしたことを思い出した。