現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

事務仕事と庭の花々と『アラバマ物語』


 夜の間に少し雨。朝には止んでいました。蒸し暑い一日。エアコンを入れてみたが、今年も効きが悪い。
 今日は事務仕事。
 昼過ぎに警察から電話。「事故のことで・・・」と切り出されてびっくりしたが、今朝、未明に雨の中、軽トラがうちの田んぼに突っ込んだらしい。鹿が突然道路に出てきたらしい。いやはや。田んぼを見に行って、倒された稲を起してきた。やれやれ。

 ロバート・マリガン監督『アラバマ物語』(1962)を観る。ええっとですね、今年の一月にデスティン・ダニエル・クレットン監督『黒い司法 0%からの奇跡』(2019)を観たんですけれど、そこに何度も『アラバマ物語』が出てきたんですよね。その時僕は小説の『アラバマ物語』は読んでいないけれど、映画の『アラバマ物語』を観たつもりだったんです。でもじつは観ていなかったんですね(笑)。
 主演はグレゴリー・ペック。フィンチ弁護士役。Wikiの情報ですが “「映画の登場人物ヒーローベスト50」の第1位に『アラバマ物語』のフィンチ弁護士が選ばれており、誠実で正義感にあふれる彼のキャラクターは現在でも人々に愛されている。”  らしいです。なーるほど。なーるほど。私も何度か泣けました。1930年代のアメリカのアラバマの物語です。
 フィンチは弁護士だし法廷劇、法廷映画のように紹介されているところもあるようだが、そうしてなかなかスバラシイ弁護士ぶりですけれど、どうなんだろう。被告人は黒人ですが陪審員は全員白人という、最初からいささか公平さに欠ける裁判でした。僕はそれ以上に親子の情愛や父親が子どもたちに教える道徳観みたいなところに感動しました。それをまた子どもたちが体得してか、映画の中のあちこちで、いいこと言うんだよなぁ、子どもにはとても言えないことのような気もするし、子どもだからこそ言えることのようにも思うし。僕には 『大草原の小さな家』のチャールズ・インガルスに通じるものを感じました(笑)。って『アラバマ物語』の方が時間軸では先ですけど。

 映画はこんなナレーションで始ります。あ、いや、字幕ですけど。
 「1932年 初めて訪れたメイカムはさびれた町だった。そしてその夏は猛暑で、朝の九時にはシャツは汗まみれになり、女たちは昼前に水浴びし、午後には昼寝を日課とした。日が暮れる頃には体につけた汗取り粉がすっかり湿り、一日が長くそして気だるく感じられた。急ぐことも、買い物をする店も、そしてお金もなかった。あるのは将来に対する不安だけだった。この夏、私は6歳だった。」という出だしです。そこへ農夫のカニングハムがやってきて「ヒッコリーナッツをどうぞ」と渡して帰って行きます。するとフィンチが娘のスカウトに言います。「スカウト。今度彼が来てもパパを呼ばない方がいい。」「お礼を言わなきゃ」「かえって気まずい思いをさせる。」「なんでいつも何か持ってくるの?」「パパは彼の弁護士だからさ。」「お金の代わりね。」「料金が払えないんだよ。」「貧乏なの?」「ああ。」「うちも?」「貧しいよ。」「同じくらい貧乏?」「少し違うかな。彼の家は農家だ。不景気で大変なんだ。」この最初の3分ほどの会話がのちのちの伏線になっていくんだなぁ。
 グレゴリー・ペックといえば僕にとっては『ローマの休日』(1953)ですけど、背が高くて、顔も大きく男前、スーツがよく似合っているんだけれど、太ももの辺りがだぶだぶのズボンのシルエットなんだなぁ。あのシルエットは足が長くないと似合わない気がする(笑)。って、ええ、真似する気はありません、今のところ。