現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

終日、風が吹いたことと雪が舞うことと『雨月物語』


29日(金)
 午前中はすこし事務仕事。
 午後は精米など。
 終日、風が吹き、雪が舞う。白くなりましたが、今のところそれほどの積雪にはなっていません。


 夕方から溝口健二監督『雨月物語』(1953)を観る。えーっと『雨月物語』を観るのは二回目のはずなのだが・・・。観てもほとんど見覚えがなかった(笑)。さっそくブログの記載がないか、検索してみる。うーむ。検索してみたら『雨月物語』や溝口健二監督は何度か出てきたけれど、肝心の映画を観たという記事はない。ということは、2005年以前に観たと言うことになるのかな。
 観て驚いたのは、柴田勝家、信長という名前も出てくるので、時代設定は戦国時代ですけれど、映画の場所が滋賀県の北部なんですな。北近江なわけです。「中之郷」という地名が出てくるので、これは余呉町の中之郷でしょうな。「長浜」「尾上」「大溝」「朽木」という地名も出てきます。「大溝」「朽木」は今の高島市の地名です。ロケ地も琵琶湖岸が使われていますね。うーむ、琵琶湖の向こうの山並に見覚えがあるような気がします(笑)。葦がある景色はいかにも湖岸です(笑)。なるほど。
 映画は『雨月物語』の中の「蛇性の婬」と「浅茅が宿」を元にして作られているようですな。第13回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しています。今、Wikiを読んだら、モーパッサンの『勲章』も使っているというようなことが書いてあったが、未読なのでよくわからない。
 主演は森雅之。あと顔を見てわかったのは、田中絹代京マチ子です、京マチ子はいつもの白塗りなのでほんと実際のところはどんな顔なのか知りません(笑)。
 実は、上田秋成の『雨月物語』は好きな作品です。でも秋成の『雨月物語』より石川淳の『新釈雨月物語』の方を何度も読んでいます。一時石川淳にはまっていろいろ読んだ時期がありましたが、『新釈雨月物語』が一番好きかも。わかりやすいし(笑)。もちろん「蛇性の婬」と「浅茅が宿」もいいけれど「夢応の鯉魚」も琵琶湖が舞台で僕は大好きです。
 2012年10月のブログに少し書いてあったけれど、学生時代の「国文学概論」で半年間の講義で、万葉の時代から江戸文学まで講義を受けた最後の授業で先生が「僕はでもなんだかんだいって上田秋成。秋成が一番オモシロイとおもっているんです・・・。」という話を聞いたのが『雨月物語』を読むきっかけでした。なにかいろいろそういう出会いというのがありますね。


雪の庭20210129