現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

『デヴィット・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』とチャールズ・ロイドのあれこれ

 精米して事務仕事。といきたいところだが、事務仕事はこれから。ああ。

 村上春樹『デヴィット・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』(文藝春秋)読了。そうか、そういうイラストレーターというかデザイナーだったんだ、デヴィット・ストーン・マーティン。「まえがき」によるとcrow quill pen(丸ペンですよね?)を使っているようですけど、わりとシンプルなペン画に単色の色を使ったイラストレーションですな。素晴らしいです、たしかに。私の好みそのものです。ベン・シャーンの影響が強いんじゃないか、って村上春樹も書いてますが、私もそう思いました。というかペン画のイラストというと、どうしてもベン・シャーンになってしまうような気がする。山藤章二ベン・シャーンの影響を受けた、って自分で書いていたし、ま、見ればその影響も感じるし、山藤章二もデヴィット・ストーン・マーティンのことは意識していたんじゃないか、と思いますね。うーむ。おそるべし、ベン・シャーン
 あとノーマン・グランツというプロデューサーもオモシロイよね。Verve RecordsとPablo Recordsという二つのレコードレーベルを創設したんだけれど、僕もこの二つの会社のロゴが入ったレコードは何枚も持っています。たぶん。EmaArcyとかImpulse!もVerveの傘下だったよね。
   
 JATP(Jazz at the Philharmonic)の興行が有名だけど、あの赤いジャケットのトランペッターのJATPロゴマークもデヴィット・ストーン・マーティンなんだそうです。うーむ。知らなかった。
 デヴィット・ストーン・マーティンのイラストが素晴らしいので、村上春樹の文章もかすんでしまいそうなんだけれど、チャーリー・パーカーやジョニー・ホッジス、レスター・ヤングオスカー・ピーターソンカウント・ベイシー、ビリー・ホリディというあの時代の、ビバップの頃までのジャズのおもしろさ、楽しさは伝わってきます。
 私はもちろんチャーリーパーカーもカウント・ベイシー、ビリー・ホリディも好きだけれど、クールなマイルス・デイビスにすっかりやられてしまっているので、音楽としてはあまり繰り返しは聴いていないんですけどね。
 ブログでどこまで紹介していいのか、著作権のこともあるんでしょうけれど、まあ、すこしだけ。ちいさな画面で(笑)。本に印刷されているレコードジャケットの写真もわりと小さいのが多いので、あたしゃ虫眼鏡でジャケット写真を観ましたがな。もうすこし、そのあたり考えてほしかったような気がします(笑)。


↑わかる人にはわかると思いますが、私もベン・シャーンの影響を受けていますので、デヴィット・ストーン・マーティンとはイラスト関係では兄弟スジ、あるいは親戚スジにあたります(爆)。というか、こういうイラストというか落書きをブログに載せたいんだけどな、なかなか精進が足りませぬ(笑)。

 で、こんな風にジャズレコードのジャケットの話を読んでいたので、BGMは当然ジャズにしたくなるのですが、読書のBGMにするジャズって、わりと難しいんですよね。というかポピュラーミュージックはね。その点、私の場合バッハはわりといいんですけど。などと書くとバッハのファンの方に叱られるかもしれないけれど。
 今回は先日ラジオから流れてきたチャールズ・ロイドにしました。ラジオから流れてきたのはチャールズ・ロイド&マーヴェルズの「You are so beautiful」なんですが、これノラ・ジョーンズの歌も入っているんですよね。2016年のアルバムに入っているそうですが、知りませんでした。でも一発で気に入ってしまいました。

 ↓でもね。私にとってのチャールズ・ロイドと言えば、これです(笑)。昔、通ったことのあるジャズ喫茶はあまりお客もいなかったし、アルバイトが交代で一人で回しているお店でした。今で言うワンオペですね。かけるレコードはそのアルバイトの人の好み、というかアルバイトの人が自由に好き勝手に選んでかけているようなお店でした。で、そのアルバイトの人は自分の好きな同じレコードを何度も時間をおいて繰りかえしかけるというようなことも多かったんですよね。で、この『Charles Lloyd Quartet at Monterey Jazz Festival』がよくかかっている時期があったんです。ジャケットがわりと強烈ですからよく覚えています。1966年のライブ盤です。ピアノがキース・ジャレットなんですよね。『ケルンコンサート』のキース・ジャレットとは違うピアノですけど(笑)。私は『ケルンコンサート』でキース・ジャレットを知ったので、ああ、こんなピアノも弾いてたんだ!と思ったのをよく覚えています。
 チャールズ・ロイドって、そういえばあまりその後聴いてこなかったのに、急にラジオから流れてノラ・ジョーンズといっしょにやっているんだもん。その後、検索したらたくさんアルバムを出してますな。素晴らしい。というわけでチャールズ・ロイドのアルバムを聴きながら『デヴィット・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』を読んだのでした。