現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

籾擦りと稲刈りとトラクタのバッテリーの腐食と『武蔵野夫人』


6日(月)
 午前中は籾擦りと出荷。
 午後は稲刈り。
 稲刈りを終えて夕方ヌカ捨て(もみ殻捨て)に行こうとトラクタのエンジンをかけようとしたら、うまくかからない。やれやれ。バッテリーが上がってしまったのかな?とボンネットを開けると、なんとどうもバッテリーのターミナルとそれに接続しているコネクタの部分が激しく腐食してしまっている。やれやれ。そういえばここのところトラクタのバッテリーはノントラブルだったので、あまり注意して見てこなかったなぁ。しかし、こうなってしまっては仕方がない。とりあえず外して予備のバッテリーを積んでみることにするが、・・・。ナットが錆と腐食で、回らない。やれやれ。まあでも金槌でコンコンと何度か叩くと外れました。ドライバーと金ブラシでこすって、腐食を落し、予備のバッテリーを積むとスルッとエンジンがかかりました。いやはや。とりあえずヌカ捨てにいってくる。

 夜、溝口健二監督『武蔵野夫人』(1951)を観る。田中絹代、轟夕紀子、森雅之片山明彦、よくわからなかったけれど若き山村聡も出てます。原作は大岡昇平ですけど、うーむ、どうもやはり古さを感じたなぁ。戦後、古い日本の封建的な家庭がいろいろ変わっていくんだけど、まあ、いくらスタンダールの研究者だからといっていきなり一夫一婦制は不合理だというのを家庭に持ち込もうとしてもねぇ、いささか無理がありますね。うーむ。
 そういえば五木寛之には『内灘夫人』というのがありますね。昔読んだはずだけれど、すっかりぜんぶ忘れてしまっている。こちらは学生運動がらみの話だったとは思います。うーむ。『○○夫人』というか地名+夫人というのは、他になにかあったかなぁ?

7日(火) 白露 旧暦では葉月朔日
 今日は白露。いよいよ秋ですなぁ。午前中は晴れ。午後から曇り。
 朝、隣の隣の村の田んぼを久しぶりに観に行ったら、ちょうど刈り頃になっていた。
 午前中は籾擦りをする。それからその間に昨日トラブったトラクタのバッテリーの腐食したコネクタを交換してもらう。いつもの農機センターのK君ではなくて、K君の紹介で来てもらった電装の会社の若いお兄さんだった。初めてだったので少し話をしたけれど、落ち着いた話しぶりのお兄さんで仕事も信頼できそう。ありがたい。

 午後は稲刈り。朝、観に行った隣の隣の村の田んぼをまず刈り、また戻ってきて昨日の続きを刈る。最後に刈った5aの小さな三角形の田んぼは水もちが悪く、なかなか除草剤が効かないので、ずいぶんヒエが生えてしまいましたが、70馬力あるというコンバインのパワーを頼りに、ゆっくりと刈ってもらいました。ありがたし。

f:id:tsujii_hiroaki:20210907143529j:plain 稲刈りをしていたらオニヤンマがクロアゲハを捕まえたところを目撃する。飛んでいるクロアゲハにシュッと襲いかかって、クロアゲハの頭部を噛みついたのかな、押さえ込んでそのまま草むらにすーっと放物線を描きながらゆっくり落下。うーむ。オニヤンマ、蝶を襲うんだ。食べるのかな?
 写真もスマホで撮ったのだが、こんな写真じゃ、なにがなんだかよくわかりませんな(笑)。

稲刈りと『愛妻物語』



5日(日)
 朝から晴れる。
 朝のうちは事務仕事を少し。雨のうちに籾擦りはすでに全部終わっているので、乾燥機は空っぽです。で、田んぼを見に行く。昨日の雨の具合はどうかな?朝露はもう消えてるかな?お、すでにあちこちで稲刈りがはじまってます。これはうちも始められそう。
 お昼前から稲刈り。うちの乾燥機がいっぱいになったので、すこし農協のカントリーエレベーターに運ぶ。
 15時半に乾燥機に火を入れる。その後また田回り。

 新藤兼人監督『愛妻物語』(1951)を観る。主演は若き乙羽信子宇野重吉です。新藤兼人の監督デビュー作で自らの下積み時代を描いた自伝的作品ということです。シナリオライターの話です。シナリオライターの話なので、どんなシナリオになっているのかと思いましたが、ええ、ちょっと悲しいメロドラマでした(笑)。昭和17年、18年という戦中の厳しいムードは描かれていましたが。いえ、メロドラマが悪いということではなくて。まあ、でも僕としては少しモノ足りませんでしたが、それなりに楽しめました。乙羽信子は美しいし、おじいさんでない宇野重吉は初めて観るような気がしましたが、若いときからおじいさん風ですね(笑)。
 乙羽信子宇野重吉の二人は駆け落ちして下田から京都にやって来るのですが、戦後すぐの京都の風情がよろしおまんな(笑)。
 で、お隣の住人は友禅の下絵を描く仕事をしている職人の夫婦なんですが、それが若き殿山泰司なんです。まだ少し髪の毛があります(笑)。最初の登場は偏屈な感じなんですが、若い夫婦に心を許していきます。正月に殿山泰司宇野重吉が二人で飲むんですが、殿山泰司が言うんですな。
 「わてはな、こないしょもない下絵描きですけどな、これでも若い頃はひどう苦労したもんどす。根がドンどすよってにな、人の倍も骨が折れたわけどすわ。」
 「おじさんは、やっぱり才能があったんですよ。一人前になれたんですから。」
 「ちがいまんがな。才ちゅうのんは、わてにはおまへん、おまへん。ただもう、むやみやたらに辛抱しただけどすわ。粘り通しただけどす。ま、わての仕事、いっぺん、見とくれやす。」と言って、修行時代の下絵の数々を見せたあと、「沼崎はん、辛抱しなはれや。」「僕なんかとってもおじさんの真似なんかできそうにもありませんよ。」「なにをいうてはりまんねん。元気を出しなはれ。元気を。えへへへへ。男ちゅうもんはな、女房を養っていかななりまへん。いやがおうでもがんばらないけまへん。なぁ。しっかり、しっかり、やりまひょで。」
「歌いまひょ!歌を歌いまひょ!」と言って二人で酔っぱらって歌うのが、与謝野鉄幹の「人を恋ふる歌」なんですな。わりと長い詩なんですが、最初の一節が、

      ♪妻をめとらば 才たけて 見目うるわしく なさけあり
        友をえらばば 書をよみて 六分の侠気 四分の熱

という、ここが一番有名で、僕も読んだり、聞いたりしたことはありましたが、なんだか初めてゆっくり歌詞を味わいながら聴いたようなきになりました。ええ、殿山泰司のちょっと調子外れの歌声で(笑)。
 まあ、しかしなんですな。独身の若い男性(しかもちょっとインテリの)が、友人と一緒に歌う歌ですな、これは。「才たけて 見目うるわしく なさけあり」まあ、それは独身男性の理想的な結婚相手であって、なかなか三つとも揃っている娘さんは、いるようでいないのですが、結婚するときには三つとも揃っているような気になってしまうのですな、不思議と。熱情と若さゆえに(笑)。
 そのうち。三つは揃っていないけれど、二つくらいはあるような気になってくる。残念ながら「才はたけて」はなかったけれど、「見目麗しく」と「情けあり」の二つはあるので、まあ、ええ、まあ、上等です。とか。残念ながら「見目麗しく」とはいかなかったけれど、「才たけて」はあるし、「情けあり」だから、まあ、上等の部類だな。とか。「才たけて、見目麗し」いけれど、ちょっと冷たいところもあるよなぁ、まあ、冷たいと感じるのは彼女の才がたけて合理的な考え方だからかなぁ、まあ、上等と思っておかないとバチがあたるなぁ、とか。でもせめて最後まで「情けあり」ではいてほしかったなぁ。とか。ところが不思議なことに、ふとした言葉や仕草に、やっぱり「才たけて 見目うるわしく なさけあり」のいい奥さんだなぁ、と思ったり。そんなことを繰り返しながら、ああ、やっぱり才は一瞬はじけたような気がしたけど、一瞬だったなぁ。もうどう考えても見目麗しくという歳でもないよなぁ。情も子どもたちに対してはたっぷりあるけど、わしにはどうなの?と言ってみたくなるなぁ、と云うことになりますわな。そのあたりどうですか?ご同輩(笑)。
 などと好き勝手なこと書いていると叱られますな。
 あ、友人を選ぶのなら、読書好きの賢い人で、義理人情に厚く、何をするにも情熱を注ぐような人がいい、という、まあ、それはそうだけど。でもあとは正直な人であってほしいな。うん、まあ、いろいろですけど。

6日(月)
 今日も朝から晴れる。ビビ号の散歩に出る。
 籾の乾燥ももうすぐ上がりそうなので、籾擦りをしてから稲刈りに出る予定です。

『誰も語らなかったジブリを語ろう』と小学校の時の給食の献立の黒板

 朝、目が覚めたら雨は上がっていたが、水たまりがけっこう大きく夜の間にしっかり降った気配。雨は14時ぐらいから降ります。と天気予報アプリが言っているので、それならそれまで稲刈りできるかも、と田んぼを観に行ったが、稲がダワダワとしているところは乾いていないので稲刈りは無理だし、スッと立っている稲も土を観ると水が溜まっていたので、ここで無理をしても仕方がないので、今日は稲刈りはあきらめる。

 午後、事務仕事をする予定だったが、押井守『誰も語らなかったジブリを語ろう 増補版』(東京ニュース通信社)が届いたので、読みはじめたら一気に読んでしまった。うーむ。なんだかなぁ。押井守というアニメーションの監督の作品を観たことがなかったのに、ポチッとしてしまったのが、いけなかった(笑)。確かにあまりおおっぴらにジブリの作品群のことを批判的に書いたり、しゃべったりする人はあまりいませんからね。特に宮崎駿高畑勲とその作品については。
 どんな批判なんだろう、と思ったけど、どうということはないような気がする(笑)。高畑勲はもう故人だけれど、高畑勲宮崎駿も、この文章を読んでもあまり気にしないんじゃないかな、不機嫌にはなっても。そりゃ、ストーリー展開に矛盾や説明不足はあるかもしれないが、そんなの映画なら普通にあることだし、2時間ほどの映画に仕上げるんだから、すべてを説明しつくすなんてできないし、そんなことをする必要もないのでは?
 あとジブリ鈴木敏夫プロデューサーのこともけっこう出てくるのだが、僕はどうも鈴木敏夫さんの風貌にも文章にもなじめなくている。敏腕プロデューサーなのは間違いないのだろうけど。ポチッとしてしまったのは、この表紙というかカバーのイラストにやられたのかもしれない。同じ守でも細田守ジブリのことをどう思っているんだろうな。

 さらに送られてきた『現代農業 10月号』(農文協)は特集が「みんなで考えた 有機農業ってなに? 地力アップ編」ということらしい。さっきチラッと見てみたが、農家の意見がいくつか載っていてそれが一番おもしろかったですな。ええ、有機農業に取り組んでおられる農家は、みなさんアツイですから(笑)。

 それからこれは8月28日の日本農業新聞のコラム記事。確かに僕も食事に関して栄養のことを考えるという意識が若い人には少なくなってきてるのではないかな、って思っていました。若い人って書きましたが、ええ、うちの子どもたちのことですけどね。
 僕が小学生のころは、今日の給食の献立が黒板に書かれていて(あれは誰が書いていたんだろう?担任の先生かな?給食当番?)、食材が色分けされて書かれていました。赤はたんぱく質関係の食材、緑はビタミンや繊維質なんかの野菜関係、黄色は炭水化物のご飯やパンと分類されていました。小学校でたんぱく質だの炭水化物って習った覚えはないですが、でもあの給食の黒板のおかげでたんぱく質だとか炭水化物って言葉も意味もなんとなく自然に覚えました。
 このコラムの冒頭にもある「自分の食べたもので体がつくられる」ということは、解剖学の養老孟司先生も何度も書いておられますね。栄養のことを意識しなくなる、というのは生活が裕福になったからでしょうけれど、新鮮な食材でおいしく料理して楽しく食べる、というのはいつの時代でも大切なことでありますね。

稲刈りと籾擦りと出荷と「ランバダ」と『安宅家の人々』と『野生のエルザ』


1日(水) 防災の日
 今日から9月。ゆく川の流れは絶えないぜ。

 朝、一番にビビ号の散歩に行き、その後ヌカ(もみ殻)を田んぼに撒く。
 そうして籾の乾燥がなかなかあがらなかったので、昼前から稲刈りに出る。
 明日は雨らしいので、乾燥機に入らない分は農協のカントリーにもっていくことにして、夕方まで存分に刈る。

 夜、久松静児監督『安宅家の人々』(1952)を観る。うーん、パラリンピックの影響もちょっとあるかも。主演は船越英二田中絹代音羽信子、誰になるのかな?やはり田中絹代か。楽しめました。おもしろかったですけど、ちょっと昼メロ風ですね。って言っても今や昼のメロドラマってやってないですし、昼メロって何?メロドラマって何?というモダンな若い人が多いかも。うーむ。確かにメロドラマの説明はむずかしいけれど、たいてい主人公の誠実で、けなげな女性が困難にぶつかって、それを乗り越えるために難儀するのですが、BGMがその難儀やら苦難を盛り上げるんですな。『安宅家の人々』でもBGMがけっこう鳴って盛り上げます。そのあたりで昼メロ風に感じたのかも。
 何度か彦根が登場します。彦根城のお堀端を歩くシーンもありますが、なんだかあまり彦根城に思えませんでした。1952年の映画ですからね。彦根城は変わらなくてもお堀端は変わっていったのでしょうね。うーむ。
 あら?今、ヤホーで調べてみたら(いや本当はGoogleで調べたんですけど、ナイツの漫才のファンなので)、本当に昼メロのドラマが作られているんですね(笑)。ああ、でも脚本というか中身はずいぶんと違うみたいですけど。

2日(木)
 雨で稲刈りはできず。午前と午後で籾擦りと出荷とヌカ捨て。

 私はわりとYouTubeを楽しんでいるのだが、オススメ動画に『ランバダ』が出てきて、懐かしくなってしまった。懐かしくなってしまったといっても、実際にランバダを踊ったことはないし、踊っている人を見たこともないし、1990年当時はほとんどテレビも観なかったのですが、この歌手が歌っているのは一度か二度観て、強烈によく覚えています。こんなダンスをテレビでやっていいのか?どうなっておるのだ、と思ったのでありました。
 でもなんだな、当時からずいぶんランバダは冷やかされていましたけれど、今思うと、生命の輝く踊りではありますな。一緒に踊っていただける相手がいれば楽しそう(笑)。

3日(金)
 今日も昼前から雨。稲刈りはできず。
 農協が開くとすぐに昨日の午後籾擦りした分を出荷して、ヌカ捨てにいったり。

 それから散髪。男前をあげる。
 どうも最近は髪の毛に白いものの混合率が上がってきたし、瞼は朝起きたときから下がり加減だし、肌に張りも艶もなくなってきた。男前も上がりにくくなってきたぜ(笑)。まあ、いいんだけど。

 ジェームズ・ヒル、トム・マッゴーワン監督『野生のエルザ』(1966)を観る。1972年と1975年の二回テレビで放送されたようですが、どちらかで観ています。ひょっとすると両方観たのかも。1972年は小学生。75年は中学生になってます。その後はずっと観ていなくて、観たい、観たいと思っていましたが、50年近く時間が経ってやっとネット配信で観たことになります。やはりところどころ思い出す場面があって、アダムソン夫妻のジョージ・アダムソンはビル・トラヴァースが演じていますが、その脇汗やら。妻のジョイ・アダムソンはヴァージニア・マッケンナが演じていますが、インド洋で泳ぐ黄色い水着姿とか。初めてイボイノシシを狩ったエルザの雄姿とか(まあ雌ライオンですが)。
エルザを野生に返すことに成功したジョイをジョージが労うというか、かけた言葉「エルザは野性に返った。自由を手に入れた。喜びと誇りでいっぱいだろう。」と字幕が出るのですが、いいですねぇ、喜びと誇り。

 あと50年ぶりに観て気がついたのだが、ビル・トラヴァースやヴァージニア・マッケンナの顔がいかにも西洋人風で好きになった部分もあるのではないか。ビル・トラヴァースはどこかヘミングウェイ風のヒゲだし、二人のファッションもサファリ風でヴァージニア・マッケンナの股上が長いズボンもなんだかカッコいい。

 あと何度も作中で流れるジョン・バリーのテーマ曲"Born Free"がすごく印象的で、中学生の時にはエアチェックしてカセットテープに入れていました。歌っているのはマット・モンローですね。

    ♪Born free, as free as the wind blows
     As free as the grass grows
     Born free to follow your heart
          自由に生まれた
          野に吹く風のように自由に
          大地に根づく草のように自由に
          心のおもむくままに

 自分が還暦になって、この歌詞の意味が身に沁みるというか、自由の大切さを痛感しています。

4日(土)
 朝には雨が上がっていて、陽射しも出てきたので田んぼを観てきたが、まだ田んぼには水が溜まっていたので、ちとこれは稲刈りは無理かも。

ぴかぴかの新米2021



 なかなか昨日刈った分の乾燥が終わらず、結局、籾擦りは午後からになってしまう。
 ぴかぴかの新米です(笑)。米の検査はたいていこんな具合に白い皿と黒い皿に玄米をのせて目視で検査になります。白と黒と、皿によって見え方が違いますね。上の写真も皿は違いますが同じお米です。
 母に籾擦りした新米を見せたら「光ったるな。」と言って笑いました(笑)。写真ではわかりにくいですが。

 籾の乾燥があがるまで午前中は農協や銀行へ行ったり。
 午後は籾擦りをしたあとすぐに稲刈りに出る。快調に稲刈りできました。今年もイナゴがたくさんの田んぼです。

稲刈り、はじまりました。


30日(月)
 朝から早起きしてリフトに充電の終わったバッテリーを積んだり、作業所の整理をしたり、農協でパレットや出荷用の米の袋をもらってきたり。
 しばらく使わなそうな機械は車庫の方にやり、車庫からもみ殻を田んぼに撒くマクーラをトラクタに付けたり、でもそのマクーラがうまく動かなくて、農機センターに電話して見に来てもらったり。原因はグリスが必要なところにぜんぜん油っ気がなくなっていて、埃と油と水と錆で固まっていたのでした。うーむ、そんなところにグリスニップルがあるなんて、知りませんでしたがな。
 午後はコンバインの試運転を兼ねて稲刈りをするつもりだったけれど、僕の勘違いでコンバインのエンジンオイル交換をしていなかったことに気がつく。うーむ、やばかったぜ。そんなこんなで午後三時、すべての準備は整ったぜ、というわけで、コンバイン出動!30aほどの「コシヒカリ」を刈りました。ええ、長男に快調に刈ってもらい、僕は籾を作業所の乾燥機に運搬を担当。いささか収量は少なめでしたが(笑)、無事に試運転は終えられました。慣行栽培の「コシヒカリ」でしたが、暑い夏でしたので、少し肥料分が足りなかったかもしれません。
 というわけで、稲刈り、はじまりました!

31日(火)
 まだ乾燥があがってきてませんな。稲刈りが遅めに終わったので、乾燥機に火を入れるのが遅かったし、温度も低めに設定したので。乾燥機の水分と、籾の水分計で計った水分の違いもあるので、その調整もしなくてはいけないし、最初はゆっくりやるしかありません。
 朝から快晴の朝です。幾分、湿度も下って気持ちいい朝です。少し温めのお茶をゆっくり淹れて、楽しんで、さあて、頑張るぜ、というところです(笑)。

畦畔の草刈りと作業所の準備と大豆の除草剤散布と『コクリコ坂から』と『サマー・オブ・ソウル』


28日(土)
 朝早く起きて畦畔の草刈りに出る。10時まで。腹ぺこになっちまったぜ。すぐに朝食とも昼食ともわからぬ時間帯の食事。
 午後は作業所の中に籾摺り機や選別機などを並べて動かしてみる。それから集塵機にポンプをセットして水を動かしてみる。
 夕方からまた畦畔の草刈り。

29日(日)
 今日も早起きして大豆に除草剤をまく。さて、と思って久しぶりにリフトを動かそうとしたらバッテリーが上がり加減でエンジンがかからない。やれやれ。すぐにバッテリーを外して10分ほど充電。なんとかエンジンがかかるようになって、軽トラにセット動噴を積んで出発。30分ほど出遅れたぜ。大豆に除草剤を散布するのは10数年ぶり(笑)。しかも買ったばかりのセット動噴だし薬剤も10数年ぶりの薬剤なので、あれこれ慎重に動かしていく。散布はうまくいったが、500Lのタンクに水を溜めるのに水道で50分ほどかかってしまうので、散布している間に、もう一つの500Lのタンクに水を溜めておくようにしたらどうか、と長男がアイデアを出す。スバラシイ。昨日のうちに気がついておくべきだった。さらに散布のやり方にもアイデアを出してくれて、これも作業効率があがりました。朝のうちは無風でしたが、だんだん風が出てきたので、昼過ぎに散布終了。散布しない圃場も残しておきます。
 午後は田植え機の肥料のタンクのところを掃除したり、セット動噴の掃除と後始末。タンクの掃除と後始末。軽トラに籾を運ぶコンテナを積んで、リフトのバッテリーをはずして、もう一度きちんと充電。
 明日は午後からでも稲刈りをはじめられるかな?

 夕方、家に戻ったら次女が宮崎吾朗監督『コクリコ坂から』(2011)を観ていた。何年も前にテレビで放映されたやつを録画してDVDに焼いておいたやつだ。『コクリコ坂から』は大好きなので、観ているとどうもだんだん映像が止まったりするようになる。「あれ?なんやこれ?おかしいぞ?」と言うと次女がDVDに傷がついたみたいだと言う。最後の20分くらいのところからとうとう動かなくなってしまって、観られなくなってしまう。やれやれ。まあ、でもなんども観ているし、いいのだが。
 僕はジブリ作品はわりと好きなのだが、『コクリコ坂から』は一番好きで「やっぱジブリの中では『コクリコ坂』が一番やな。」と次女に言うと次女は「『もののけ姫』」という。「あーた、ほやけど『もののけ姫』って、家族で観に行った時に、あーたがいきなり怖がるものやから、30分ほどで映画館から出てきたんやがな。」と言うと、「それは私と違う。私はまだ生れていません!」などと言うのでありました。兄弟姉妹はいろいろ混乱するぜ(笑)。
 昔は次女はジブリに出てくる男の子では、風間君が一番カッコいい、って言っていたのだ(笑)。もちろん風間君のカッコよさに僕も文句はありませんが。今はジブリに出てくる男の子ナンバーワンは『もののけ姫』のアシタカのようです。「あれ?風間君は?」と訊いたら「風間君もかっこいいけど、ちょっとウザイ。」らしい。さらに言うと今はジブリより韓流ドラマのイケメンに夢中のようです(笑)。
 今回また30分ほど『コクリコ坂から』を観たけれど、夕暮れのシーンの色がスバラシイですな。


 Stuff の"And Here You Are"。おおお、懐かしい。ゴードン・エドワーズ(b)、リチャード・ティー(key)、コーネル・デュプリー(g)、エリック・ゲイル(g)、スティーヴ・ガッド(ds)、クリス・パーカー(ds)というメンバーですな。今ではみんな有名になってしまって、スゲー、というメンバーが揃っていますが、当時は裏方のスタジオミュージシャンが集まって作ったバンドですわな。高校・大学とエアチェックしたカセットテープでよく聴きました。モントルーでのライブがYouTubeに上がっていて、何度か観ているのですが、あまりお客さんが映らないので、どれくらいお客さんが入っているのか、わかりませんが、なんだかね、メンバーがわりとクールなんですよね、ライブにしては。というか余裕をかましているのかもしれませんが(笑)。
 ギターのコーネル・デュプリーは中学の時の同級生のONちゃんに似ているのだなぁ。もっとも当時からONちゃんはジミヘンに似ていると噂になっていたのだが(笑)。でもコーネル・デュプリージミ・ヘンドリックスはちょっと顔や表情が似ているのよね。昔、一緒に演奏していたらしいし。
 コーネル・デュプリーも歌うようにソロをとるけど、リチャード・ティーは特に歌うようにピアノやキーボードを弾きますな。クロスオーバーとかフュージョンとか呼ばれていた頃のピアノはキーボードではリチャード・ティーが一番好きかも。ただ、あのヘアスタイルはなんとかならなかったのか、とは当時からずっと思っていました。惜しくも49歳で1993年に前立腺癌で亡くなってしまって、ほんとにびっくりしたのを覚えています。Wikiによると参加アルバムは400枚を超えるのだそうです。なるほど、すげー。うーむ。殿山泰司はいったい何本の映画に参加したんだ?あ、エリック・ゲイルも55歳で亡くなっています。
 このモントルーのライブのアンコールで演奏しているスティービー・ワンダーの「Boogie On Reggae Woman」(51:51)もわりと好き(笑)。コーネル・デュプリーのギターもいいけど、やっときました!というスティーヴ・ガッドのドラムソロの力み具合や、ベースのゴードン・エドワーズもなかなかノってますし(笑)。


そうそう昨日から映画、アミール・“クエストラブ”・トンプソン監督『サマー・オブ・ソウル』が公開されているらしい。ああ、観たい。稲刈りだし、コロナだし、観には行けないけど、観たいな。滋賀はもちろん岐阜でも福井でもやっていないようだし、京都まで行かないと観られないんだけど。