現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

私たちには、ゆずれない一線があります。

朝、犬の散歩に出たときは雲がかかっていてよくわからなかったのだが、歩いているうちに雲が消えて金糞岳も己高山も白くなっていた。

昨日の朝刊に「私たちには、ゆずれない一線があります。」というJAの全面広告が入っていた。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。検索かけたけど、うまく見つからないので、すこし抜き書き。

私たちには、ゆずれない一線があります。
WTO農業交渉に、緊急提言。

自由貿易」の名のもと、日本の、そして世界の食の未来が性急に決定されてしまうことを、私たちは見過ごすことができません。
WTO(世界貿易機関)は、貿易のルールの見直しや管理を行う国際機関。その中で、農業分野に関する貿易ルールについておこなわれる話し合いが「WTO農業交渉」です。2001年にスタートしたWTO交渉「ドーハ開発ラウンド」は世界の飢餓や貧困をなくすことを目指しています、しかし実際は、当初の目的とは異なり、輸出される工業製品とのバランスから、現在も貿易の自由化のみが活発に議論され、追求されています。

人間の生命に欠くことのできない「食糧」の貿易ルール。
それは「工業製品」の貿易ルールとは異なっているのが当然です。

「食」は人間の生命に欠かせない大切なものであり、そのルールは、経済合理性の視点だけではなく、各国の暮らしに根ざした観点から確立しなければならないはずです。例えば、食料輸出国で大干ばつやハリケーンなどが起きると、それらの国は輸出よりも自国への供給を優先するでしょう。また、現在も加速している世界人口の増加により、食料の争奪が地球規模で深刻化することも懸念されています。性急な貿易自由化は、明日の私たちの食卓に大きな影響を与える可能性をはらんでいるのです。


日本農業新聞ではここ最近連日一面記事でWTOの農業交渉について「心配だ、雲行きが怪しい、このままだと大変なことになりそう」と書き立てているのですが、一般紙ではあまり記事になっていませんから意見広告というのも悪くないですね。短い文章ですからわかりにくいところもありますが、WTOの交渉に注目してもらいたいし、日本はいい工業製品をたくさん輸出してるんだから、うちの農産物くらいは買ってもらわないと、と押し売りのように関税を引き下げられるのはおかしいのはではないのと思うわけです。工業製品は輸出してるけど、その原料となる原油や鉄鉱石やら鉱物資源はたくさん輸入しているわけだけど、工業製品と農産物をいっしょにして考えるところに無理を思うわけです。ミニマムアクセス米の輸入もそうだけど、貿易ルールで足かせをはめてその国の農業をつぶして食料を牛耳ればどうなるか・・・、子供でもわかる戦略です。そんなことみんなわかってるんだけど、農業者人口は自動車関連企業の従業員人口より少なくなり、しかも高齢者ばかりになってきてしまっているので、新聞やテレビのニュースでも取り上げられないのかと。昔、日本人は平和ボケだと言う論調がたくさんあった時、ずいぶん不愉快な感じがしたのだけど、今はなんだかなぁ、と思ってしまいそう。