現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

除草剤の散布と田植え

夕焼けの春の田んぼ

朝まで降っていた雨も、起きて田回りにいく頃には上がりました。
まだ風も吹いていないので、さっそく先日植えた「コシヒカリ」に除草剤をやりました。通称ジャンボ剤というやつで、一反に10袋ほど小袋を投げ込むタイプのものです。小袋を投げ込むと小袋が水に溶けて中に入っていた除草剤が田んぼの水面をさーぁっと拡がっていきます。これでおしまい。なんとも簡単な散布となります。あとは田んぼの水深を5㎝ほどをキープすればいいだけ。でもまあ田んぼは丁寧に代かきするんだけれど、なかなか水平に均平にすることは難しいし、深いところと浅いところができて、浅いところを基準にすると深いところでは稲の苗が水没することになるし、ネズミやモグラやオケラが畔に穴あけて水が漏れてしまうこともあるし、天気が良いと蒸発するし、地下浸透ももちろんあるし。5センチキープは、これがなかなか難しい。
除草剤を使わない無農薬の田んぼでも、田植え直後から深水で管理するので、基本は同じなんですけどね。上手に深水管理すればコナギ以外の雑草は押さえられると言われています。うちの田んぼにはコナギはあまり生えてこないので、菜の花緑肥と深水管理の組み合わせで今のところバッチリなんですけどね。深水管理というのは10センチ以上の水深をキープするので、これもまたなかなか難しいのです。



除草剤の散布をすませて、田植えにかかる。遅れに遅れていた中旬植えの「秋の詩」。順調に田植えしていたのですが、今日の田んぼは毎年深くてトラクタや田植え機がはまってしまって動けなくなったりする田んぼ。深いところはほんの一部分でその場所もだいたいわかっているのですが、少しでも機械で近づいて植えて楽したいと思うからでしょうか、田植え機が沈んで動けなくなってしまいました。やれやれ。いつも『平家物語』の「木曾の最期」の“あふれどもあふれども、打てども打てども働かず”というのが頭の中でぐるぐると回るんですわ。本当はその前後の“深田ありとも知らずして、馬をざつと打ち入れたれば”とか“三浦の石田次郎為久、追つかかつて、よつ引いて、ひやうふつと射る”とか、妙に落ち着いてそんなことを口にしながら、ああ、駄目だ、トラクタで引っ張らなきゃ。と思ったりしているわけです。
ワイヤーを結んで田植え機を引っ張ったら、すっと深みからでてくれました。ありがたいこと。ありがたいこと。
その後は順調に田植えがすすむ。


しかし、今日は黄砂もあったけどどんより雲って蒸し暑い一日でした。蒸し暑いとなると、こうして朝早ようから仕事をして、冷たいビールを飲みつつ、一日を振り返って記録をつけるなんていうのも、なかなか悪い気分ではないですね。はい。ビール旨いです。
明日も天気がいいみたいですね。田植えは明日も続きます。