現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

『ツール・デ・フランドル 2011』と青春に乾杯

『ツール・デ・フランドル 2011』

ツール・デ・フランドル 2011』を観終わる。DVD2枚組231分。しかしなんですね。ここ数年買っている『ツール・ド・フランス』のDVDよりおもしろい、と言えばおもしろいですね。というかこの2011年のレースがよかったのかも。ツール・ド・フランスは7月に一月ほどかけてレースが行われますが、ツール・デ・フランドルはベルギーのフランドル地方(フランダース地方)で行われる一日だけのレースです。でも1913年から行われている伝統のクラシックレースです。4月の第二日曜に開催されているようですね。石畳があったり、石畳の急な坂がいくつも出てきたり、落車やパンク続出のレースでした。しかも畑道というか、こんな道がレースのコースなの!?というぐらいの細い道だったり、いやはや、ほんとに楽しめました。
レース展開も結果も、すでに4月のレースですから調べればわかるのですが、何も予備知識なしに観はじめたものですから、当日の実況中継さながらにゴールの瞬間まで楽しめました。おもしろかったです。
それにフランドル地方というのかフランダース地方というのか、4月の春の風景が美しいんだなぁ。フランダース地方といえば日本では『フランダースの犬』です。僕が自分で(そう自分一人で読んだんだ!)初めてきちんと読んだお話は『フランダースの犬』ではなかったか。ひょっとすると『ロビンソン漂流記』だったかもしれない。ネルロ(アニメではネロとなっていたが、僕が読んだ『フランダースの犬』ではネルロだったのだ!)やアロアみたいな少年少女が出てくるかとも思ったが、まったく登場しませんでした。で、じゃあ、風車が出てくるかとも思ったけれど、これも出てこなかった。どうなっているのかなぁ、フランダース地方は。アントワープという名前も出てこなかったなぁ。いや、まあ、いいんですけどね。僕が4時間近く観たのは『フランダースの犬』ではなくて『ツール・デ・フランドル 2011』という自転車レースなんですから。



思い出してみると、僕が本を読むのことはドキドキするくらいおもしろいと思った記憶の最初は、小学校の5年、6年の頃に読んだポプラ社江戸川乱歩明智小五郎、ドイルのホームズ、ルブランのルパン、あの手のシリーズを僕も買ってもらったし、友達も買ってもらっていて、みんなで読んだのが素地にあったと思っていたけれど、ほんとの最初は『フランダースの犬』や『ロビンソン漂流記』だったのかもしれない。と、書いたけれど、ホントノホントの最初は、祖母であるばあちゃんに「桃太郎」や「浦島太郎」「舌切り雀」「猿蟹合戦」「かぐや姫」「天女の羽衣」「鶴の恩返し」「姨捨山」なんかの話を毎夜寝物語に聞いたことだろうなぁ、とも思う。他にもあったと思うが、うーむ。なにがどうであれ、祖母から受けた教育(ゆっくり考えてみたら子供時代の寝物語は、外で遊ぶことと同等の、最高の教育であることは間違いないですね)に感謝の気持ちがしみじみ湧いてきます。
うーむ、なんだか日本語になっていない文章ですが、読書や寝物語による人間形成の大切さは身にしみますが、振り返って我が子への関わりということで言うと、お粗末であったかもしれぬ、という思いでもあります。


高校に入学してすぐにあった対面式。対面式というんは、新入生と2年生、3年生との対面の式ということですが、挨拶をされたのは、生徒会長の3年生のNさん。「教育とは教え育むと書きますが、この学校では熱心に先生方が教えることをしてくださいます。新入生の皆さんは、ぜひ自分自身で自分を育むということをしてください。」と言われました。僕はその時、うまく言葉にはできませんでしたが、「ああ、ああ。」と思ったのを覚えています。で、その一年生の最初の現代国語の授業で担当のW坂先生が「僕はあの対面式の生徒会長の挨拶は感動して聞いていたんや。覚えてるか。教育とは教え育むこと。みなさんは育むことを大事にして3年間を過ごしてください。こんなこと生徒会長が言うたんは初めてやし、学校長やかて、そういうことを言うたんは今までなかったかもしれへん。」
もちろんそんな生徒会長のNさんの言葉やW坂先生の言葉は、当時すぐに忘れてしまったが、でもそれぞれに育むものはあったのだと思いたい。いや、確かにあったのだ。
今日はコンビニで「ジョニ赤」のポケット瓶を見つけて買ってきた。ま、そんなわけで我が青春に乾杯!いや、我が子の、そしてベルギーの石畳の坂道を駆け回った若者や新しく農業を始めようとしている若者に、乾杯!ジョニーウォーカーさん、どんどん歩いてくださいね。