現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

レノン号の勇姿と石垣りんの詩


今朝は積雪35cmくらいはあったと思います。
でも今日は陽が射して、気温も緩んだので、雪の嵩はずいぶん減ったような気もします。
午前中は雪かきと地域の広報紙のレイアウト。レイアウトは完成してPDFにして、印刷屋さんにもっていく。
午後は本屋さんにいったり、年賀状のデザインをあれこれ考えたり。


昨日の「地方」という詩に刺激されて思い出した石垣りんの詩。この詩も忘れられん詩です。


      儀式    石垣りん

 
  母親は
  白い割烹着の紐をうしろで結び
  板敷の台所におりて
  流しの前に娘を連れてゆくがいい


  洗い桶に
  木の香のする新しいまな板を渡し


  鰹でも
  鯛でも
  鰈でも
  よい


  丸ごと一匹の姿をのせ
  よく研いだ包丁をしっかり握りしめて
  力を手もとに集め
  頭をブスリと落とすことから
  教えなければならない

  
  その骨の手応えを
  血のぬめりを
  成長した女に伝えるのが母の役目だ

  
  パッケージされた片々を材料と呼び
  料理は愛情です
  などとやさしく諭すまえに
  長い間
  私たちがどうやって生きてきたか
  どうやってこれから生きてゆくか


今の台所風景とはちょっと変わってきてしまっているけれど、それでも、変わらぬもの、変えてはいけないもの、知らせるべきこと、知らねばならぬこと、感じなければいけないこと。そういうことを思い出させてくれますな。