現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

チェーン除草と溝切りと結城登美雄氏の文章

グリーンカーテンの始まり

なかなか台風一過とはいかず、午前中は雨が降ったり止んだり。


午後は雨がやんだので、チェーン除草に出る。ニゴロブナを放流してある完全無農薬有機栽培米「コシヒカリ」の田んぼです。前回のチェーン除草の時には、ニゴロブナの稚魚を一匹も確認できず、心配していましたが、今日は十数匹、確認しました。ちょっと大きくなっていました。安心しました。チェーンを引いて歩いている僕に十数匹、いやもっと?確認できたのですから、僕の目の届かないところで、ちゃんと育っているのだろうと思います。その他にもオタマジャクシ(大小様々)多数、ヤゴ(たぶん数種類いたと思う)多数。ゲンゴロウ多数、ミジンコとイトミミズ無数。雑草、そこそこ生えてきています。気になったのは、たぶんイ草ではないかと思われる草。ホタルイかもしれませんが。大きいのは踏んであるきましたが、けっこうありました。この時期の雑草としては、いささか心配ですが、無農薬栽培ですので、ま、少々は生えてきます。雑草たちも種の維持・繁栄に命を懸けていますからね。


それから溝切りを1枚。本当はもう1枚、2枚したかったのですが、今日は歯医者さんの予約が入っているので、1枚溝切りをして、シャワーを浴びて、歯を磨き、歯医者へGo!薬を塗ってもらったりしたので「30分は何も食べてはいけませんよ。」と言われたので、ちょっと我慢して、ビールをプシュ!と相成りました。


明日はまた台風5号の影響で雨が降るらしい。麦刈りは、出来ないだろうなぁ。うーむ。


4月にFileMaker Pro 12が発売されて、ずっと迷っているのだが、バージョンアップの利点をあれこれ考えてみると
1. レイアウト作りがとても楽になったらしい。
2. 「テーマ」を簡単に適用できるようになったらしい。
3. オブジェクトフィールドが使いやすくなったらしい。
4. グラフ機能が強化されたらしい。
5. iOSバイスとの連携が強化されたらしい。
6. FileMaker Pro 11にはアップグレードを飛ばしたのでFileMaker Pro 10のままだ。


とかあれこれ考えてみたのだが、不安はファイルフォーマット変更だ。いままでは拡張子は「.fp7」だったのが、約8年間ぶりに変更された。新しい拡張子は「.fmp12」となりました。
フォーマットの変更はけっこう大きなことですからね。でもいずれ変更しなくてはいけないのなら、最初の時、今のうちにやっておくのがいいのかも。


先日の日本農業新聞に結城登美雄氏が文章を寄せていた。以下その要約。

==============================================================================

東日本大震災発生以来、定期的に三陸沿岸の復興支援に通ってくれている沖縄の友人が言っていた。
三陸沿岸の惨状は、戦火に焼かれ焦土と化したわが沖縄の戦後の風景とダブって見えます。この壊滅的な状況から立ち上がるのが容易ではありませんが、沖縄があきらめずに困難さを乗り越えたように、東北もきっと再生すると私は信じます。ご承知のように沖縄の歴史は、近代になっても国家の光は当たらず、戦後米軍に占領され、今でも基地の大半を押し付けられています。この苦難の道から沖縄が復興できた最大の力は、政治や経済ではなく、この土地に生きようとする住人の共同の力、すなわち互いに支え合う「ゆいまーる」の心と力です。東北の復興も同じではないでしょうか」と。 ならば我が東北の「結」の心と力はどうだろうか。
死者・行方不明者3800余人。住宅約2万8000棟が損壊し、1万7000人近くが仮設住宅に暮らす宮城県石巻市。当初、多くの人々は被害の凄まじさとショックから、もう二度とここには住みたくないと海に背を向けていた。それが数カ月後に尋ねれば、「こんな瓦礫だらけの情けない姿になったけれど、本当はここは、いいところなんだよね」と、ふるさとを見る目が変化し、やがて「もう一度ここでがんばってみよう」と決意するまでになっていた。
人は迷いながらも、己が生きる道を真剣に模索する。「もう一度」とは海という自然と共に生きる道の選択である。海は怖さ、厳しさだけがあるのではない。たくさんの愛と手ごたえと喜びを与えてくれる。海辺は単なる経済活動の場ではなく、喜怒哀楽の人生を生きる場。確かに都会に比べて金の実入りは少ないが、支え合う仲間がいる。
東日本大震災から1年3カ月。被災現場を訪ねながら、改めて復興とは何かを思った。それは現場の声に耳を傾けることなく「単なる復興ではなく、創造的な復興を」などとレトリックでごまかすことではなく、「ここは本当は良いところ」と思う人の心の物差しを中心にすえ、もう一度暮らしの場所をとりもどす共同作業をいうのではないか。
==============================================================================



読んで驚いたのは、沖縄から定期的に三陸沿岸の復興支援に通っている人がいるということだ。うーむ。移動だけで、どれだけの時間と旅費がかかるのか。なんていったって沖縄なんだから。
東日本大震災のとき、政治家が終戦の時以来の惨状だといい、テレビでも新聞でも、同じような論調だったのを覚えている。助け合わなくてはならない、日本が一つにならなくてはならない、一つになって頑張らねばならない。終戦の時を知らない僕もその通りだと思いました。頑張らねばならない、みんなが苦しい時ほど恥ずかしいことはできない。
僕が沖縄に行ったのは一度だけ。ですが比較的事前の勉強がたくさんできたこともあって、いい旅になりました。
東日本大震災についての沖縄の方の発言は、終戦の時以来の惨状だ、と言った政治家やマスコミの言葉と重なって、複雑な気持ちにもなります。
大飯原発の再稼働は、あの事故(人災?)で放射性物質が空から降ってくるようなことになって、暮らしを一変させられた方々にどう説明するのか。どう贖い、どう納得してもらうのか。長年、先祖代々、土と水を大事にしてきている農家にどう説明するのか。総理大臣のあの言葉は、どう響いたのか。
助け合わなくてはならないと覚悟している日本人に対して、総理大臣のあの言葉は、どれだけ響いたのか。
苦しいときが頑張りどき、と歯を食いしばるように暮らす農家がたくさんいる時に、TPP参加に前のめりの政府についていこうという農家・国民はどれだけいるのだろうか。


昨夜、テレビドラマ「リーガル・ハイ」を観ていたら、大手化学企業の研究開発者が「あなたたちには、日本の経済発展を支えてる企業や研究者のプレッシャーは判らないでしょう。田舎の年老いた百姓が年金で暮らせるのも、私達のおかげなんですよ」というような(いや自信はないのですが、そんなようなセリフだったと思います)セリフを言うシーンがあって、思わずドキリとしてしまった。ドラマの中のセリフではありますが、この傲り。あえて何も言いませんが、「おっしゃる通りでございます」とも言えませんわな。


原発再稼働、TPP参加や消費税のアップの議論。ま、とにかく僕にとっては納得できないことが多い昨今ではあります。