現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

苗代の苗の様子と「人間臨終図巻」読了


11日(金)
よく晴れたが、午後からちょっと風が強くなる。


朝、苗代の様子を観てみようと、トンネルの農ポリをめくり上げてみると、ふふふ、もうコシヒカリから芽が出ていて、三センチくらいになり、緑色になっていました。播種後しばらく強風と気温も低かったので、どうだろうと思っていたのですが、思いのほか元気なようで安心。明日も天気がよさそうなら、下張りのオレンジ色の有孔ポリをはずそうか。


午前中は、簡易車庫のパイプの骨組みに筋交いを四本入れる。またトタンを張るとナットを締めにくくなるので、すべてのナットを締め直す。いくつかはずいぶん緩いのがありました。
父は父で、プール苗代の準備で板を立ててくれたりする。


午後は買い物(2サイクルエンジン用の混合油につかうオイル)もしたが、先日塗った畔の手直しをしたり、今度雨が降ったあとに畔塗りする予定の田んぼで、カラスノエンドウがずいぶん大きくなっているところがあったので、草刈り機で刈り払ったり。

去年の秋というか冬というか、母がつけたタクアンが漬かってきたので、ここ二、三日食べはじめたのだが、これがなんだかとても美味い。母はまあ漬物はわりと上手だと思っているのだが、このタクアンには、梅干しや茄子の葉とかいろいろ入れたんだそうだ。そのせいか、塩加減もいいのだが、甘味がじつに自然なんだなぁ。僕はよく売られている甘い漬物が嫌いなのだが、なんともうまいのでありました。母からは塩分の取り過ぎになるから食べ過ぎるな、と言われております。


12日(土)
今日も晴れたが午後から風がけっこう強く吹く。


朝のうちに苗代の下張りのオレンジ有効ポリをはずす。なかなかきれいに揃っておりました。いい感じ。


父が使うというので、小さいほうのトラクタの畔塗り機をはずしてロータリーに付け替えて、僕は大きいほうのトラクタで、畔塗りした田んぼの畔際の荒起しに出る。


午後も続いて畔際の荒起し。


あ、そうそう。昨夜、蒲団の中で山田風太郎『人間臨終図巻4』(徳間文庫)をとうとう読了。いやー、おもしろかったです。楽しめました。蒲団の中で読んでいるので、ずいぶん時間がかかりました。というか、一人分読んでしみじみしていると、眠ってしまうというパターンでしたな。900人程の人間の臨終が紹介されるので、物理的に、必然的に時間がかかってしまいます。


人の死ぬ記録を寝ころんで読む人間   山田風太郎


なんてことが、どこかに書いてあったけど、ずーっと眠る前に蒲団の中で読んできたので、そのままだなぁ。文庫の帯に夢枕獏が「僕は三度読みました。それぞれの年齢の時に、それぞれにおもしろい。作家志望の諸君、これはネタの宝庫だよ。」と書いていますが、そうだろうなぁ。この本を知ったのは高橋源一郎がラジオで話していたのを聴いたのだが、高橋源一郎も絶賛していました。
なんだろうな。死ぬときは苦しいんだろうな、という思いもあるし、眠るように死んでいくというのも、長命長寿でないと無理なんだろうな、という思いもあるし、自分で自分の死を思うというのは難しいですね。考えても仕方のないこと、かもしれません。うーむ。まだまだ死にたくないなぁ。というか死ねないなぁ。いや、こればかりは誰にもわからないのですが。未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん。なるほどねぇ。


ピンポンがアニメになるのか?松本大洋なんだ。