現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

滝田誠一郎『開高健名言辞典 漂えど沈まず』と

tsujii_hiroaki2015-02-03

1日(日) 今日から二月。
朝は雪が舞ったり。風が強くて寒い。


午前中は、自治会の総会。午後は農業関係の組合の総会。夕方から慰労会。


2日(月) 今日も風が強くて寒い。
うーむ、午前中くらいは、宿酔。


滝田誠一郎開高健名言辞典 漂えど沈まず』(小学館)読了。
この手の開高健の名句・警句・冗句を集めた本は、自選のものもあったし、何冊かあったような気がする。たぶん本棚を探せば見つかると思うが・・・。ま、開高健の本はたいてい本棚にあるような気もするので、こういう辞典を読まなくても、元々の小説なり、エッセイを読めばいいのだけれど。我ながら感心したのは、滝田氏が選んでいる名句のほとんどは、確かに読んだ記憶が僕の頭のなかに残っているんだなぁ。いや、もちろん全部じゃないんだけど。
じゃ、僕が選ぶ開高健の名句は、と思いつつ読んではいたのだが、こうして読了してみると、なにがなんだか酒に酔ったような状態で、判断がつかない。まったくつかない。
「若きの日に旅をせずば、老いての日に何をか語る。」
「若い人は若きの日に旅をするがいい。国内、国外を問わず旅をするがいい。つらい旅ほどあとで愉しい。自身から逃げだすための旅でも、自身に追いつくための旅でもいい。日常の定点から自身をはずして異物に衝突し、ヤスリにかけられ、人と事物を観察し、観察される。日常は無数の菌絲で君をからめとっていて、君が感じているよりはるかに根無し草でないことが、旅に出ると、あざやかな不安で知覚できる。それは目覚めの不安である。」

とこのあたりを名句・名文の一つとしてあげておきたい。ほんとうはもっと他にあったようなきがするのだが。滝田氏はこのフレーズを『あぁ、二十五年。』から拾っておられるけれど、このフレーズは、もっと前にも何度か出てきているフレーズだと思われます。たぶん。
第二部の「開高が愛した言葉」も、いいなぁ。ま、ファンによるファンのための読み物です。しかし、なんだな、この本もそうだけど、Amazonでちょろと見ると、開高健に寄りかかった本はたくさん出ていますな。いや、さすがです。



3日(火) 節分
あいかわらず、風は冷たいが、今日は朝から陽射しも出て、ありがたい。
午前中は、精米など。
午後は用事のついでに盆梅展に行ってくる。梅を観て、抹茶を飲み、思いついた三句をひねってみた。
いえ、テレビでお馴染みの夏井いつきさんが選者の俳句大会があるからですが、もう、私の俳句感覚は、すっかり干からびてしまって、ひねれどもひねれども、絞れども絞れども、単語が浮かんでこない。盆梅展の俳句なので、せめて「梅」の一語は入っていないとまずいんじゃないか、と思うのだが(笑)、浮かばない時には、まったく浮かばないのです。慣れぬ抹茶なんぞも舐めてみたり、すすってみたり、充分に口に含んでから飲み込んでみたりしたのだが、浮かばず。それで、苦し紛れのような句をとにかく3つ、無理やり、ひねり上げ、こね上げて、抹茶席のお姉さんに、「お願いします。」とお渡ししたのでした。選句集を送っていただくのに100円必要なのだそうですが、100円で送っていただけるのなら、安くない?と思った次第。
で、投句してから、句を思い出し、我ながら、いささか品が足りないことに無念を覚えるのでありました。いや、いつも品が足りないのです。ということは、ま、僕の人格そのものに品が足りないのでありましょう。盆梅の梅の花には凛とした気品が漂っていたのに。


血液型の性格判断というか診断というのか、相変わらずの人気らしく、ここ数日、ネット上で、よく見かけます
学生時代の後輩の岡◯君が、当時、この血液型性格判断に凝っていたので、僕もその講義を何度も受ける機会があり、ちょっと詳しいのです、血液型性格判断(笑)。
「おめー、ほんなもん、人間の性格が4つに分類されるて、もう、それだけで、わしに言わせれば、破綻しとるがな。」と言うと、
「しかしね、ツジイさん、肉からは、肉料理しかできないし、魚からは、魚料理しかできないんですよ!」と反撃を受けたが、ま、もちろん血液型は肉でもなければ魚でもない。
いや、もちろん岡◯君も、お遊びだとわかっていて言っているのだが・・・。


こうして血液型の話題が出ると、岡◯君のことを思い出したりする。学校を卒業して以来、音信不通なのだが、たぶん、元気にしていることと思う。
しかし岡◯君も「O型の人は、血液型性格判断をバカにしているくせに、O型を褒められると、喜ぶんですよね。くっくっくっ。」と指摘してくれていたが、まあ、その通りなんだな(笑)。
えー、岡◯君、僕はまあ、いろいろ辛いこともたくさんあるのですが、君の指摘の通り、マイペースでやっております。


ここ数日、読んでいるのは、糸井重里と小林薫の対談。僕も笠智衆については、思い入れがあります。森田健作主演の『俺は男だ!』をずっと観ていたから。寅さんや小津映画を観る前から『俺は男だ!』をテレビで観てましたからね。笠智衆は確かに、ちょっと変わった不思議な、唯一の俳優ですな。


夜、外へ出たら、雲の切れ間から大きな月が輝いていて、地面に影ができている。旧暦では十二月十五日。月齢は13.6。立春の明日が満月ということだ。