現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

畔塗りと露天風呂と坂本龍一『音楽図鑑 -2015 Edition』


暖かなよい天気。桜の蕾もぐっと膨らみそう。
終日、畔塗り。昨日の雨で土の湿り具合がよくてわりとしっかり成形できる。ような気がする。
夕方先日の続きで畦畔の枯れ草を焼く。


仕事をおえてから、娘と娘の友達というお嬢様方二人を連れて、近所の「あねがわ温泉」にいってみる。車で5分もかからないところに数年前から温泉ができているのだが、まだ行ったことがなかったのだ。
源泉のお湯の温度は27.8度、ナトリウム炭酸水素塩泉が毎分38L湧いているようです。加水はせず、ボイラーで温度を上げているということでした。循環式になっているようです。なるほど。


露天風呂が気持ちよかったです。浴場はなんとなく薄暗い感じの照明で、露天風呂につかりながら、見上げると月齢9.7のやや膨らんだ月が照っていました。南西の空にはオリオンも。旧暦では今日は如月の11日ということになるそうです。もうすぐ西行の如月の望月の頃というわけですな。


    ねがはくは花のもとにて春死なむその如月の望月のころ   西行法師


旧暦如月の満月は4月4日です。皆既月食でもあるんですね。なるほど、その頃には桜が開花しているかもしれません。
そういえば昔、「西行が好きなんや」とおっしゃっている先輩がおられました。「西行についての本なら無条件で全部買う」ともおっしゃってました。「西行といえば桜ですかね」と申し上げると、「ああ、山桜やな。ソメイヨシノじゃないんよ。」とおっしゃる。さらに間をおいてから続けて「桜だけじゃなくていろいろあるんやが、もう一つあげるとすればやっぱり旅かな。覊旅歌。乗り物なんてなんにもないんや。ぜんぶ自分の足で歩いてどこまでもいく、そういう旅やな。」とおっしゃった。


    おぼつかないづれの山の峯よりか待たるる花の咲きはじむらん      西行法師


「おぼつかな」は西行がよく使う言葉ですね。はっきりしない。心配だ。というような意味です。どこの山の峰から待ち焦がれている桜の花が咲きはじめることであろうか、というような歌ですが、歩く旅は、天気です。一日に何度も空を見上げます。風の強さや風向きが気になります。雲の動きが気になります。何度も空ばかり見上げて歩くんですな。
そうやって歩いているともういよいよ山の桜が気になるわけです。
いいですねぇ。


今日、坂本龍一『音楽図鑑 -2015 Edition』が届いた。『音楽図鑑』は1984年に出たアルバムですが、ええ、よく覚えています。大学の後輩が演習室でテープにコピーしたやつをよく鳴らしていました。もちろんすぐに大好きになりましたが、その後輩がしょっちゅう鳴らすので、その時は買わずにいたのです。CDになった頃に買ったのですが、たぶん誰かに貸してその後、戻ってきていないような気がする。
未収録のやつとか、途中までのやつとか、CD2枚組であれこれ入っているので、なんだかうれしい。