現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

種を支配することと畦畔の草刈り



10日(月)
今日は仲間に入れてもらっている水田農業研究会の研修で東近江市のほうまで。新しく近江米種子調整センターができたので、そこの見学と種場といいますが、要するに種子にするお米をつくっている圃場を見学させてもらいました。


僕も農協へ出荷するお米は農協から種を買っています。もちろん種子といっても特別なものではなく、ようするに籾ですから、自分のところの田んぼでとれた籾を種子にして、播種すればいいのです。いわゆるF1品種の野菜などと違って、自家種をとって利用しても、同じ品種にならないということはありません。固定種ですから「コシヒカリ」の種をとって、種をまけば、「コシヒカリ」ができます。


(えー、などとあっさり書きましたが、ここには大きな問題があるんです。新しい品種をつくるということには、(たぶん)莫大な費用がかかっているのでしょうから、品種としての知的財産権が生じます。育成した人・企業の権利は守られるわけです。当然ですね。
で、この優良な有料F1品種は、自家採種できませんから、毎回、種を買わねばなりません。民間企業としてはここに大もうけの種が転がっているわけです。ま、当たり前ですね。その種を開発した人・企業の財産ですから守られるべきです。
それはしかし、食べずにはいられない生き物にとっては、食料支配につながって行く可能性があるのは容易に想像されますよね。選択の自由がありそうな野菜類ならともかく、お米や小麦、トウモロコシなどという主食といわれるもので、一つの民間企業が、その種を支配するということは、どうなることか、ちょっと考えると怖くなりますね。ましてその特別な有料なF1品種に合わせて農薬やら肥料が開発されていくとしたら・・・。それはまさしく食の支配につながっていきます。食わずには生きていけない人間にとっては、大きな問題になりかねませんね。
そんな種、使わなければいいじゃないか、と思われると思いますが、私もそう思います。でも、種は、毎年作りづけないと、いけないものなのです。種の発芽率は時間が経つとどんどん低くなりますし、種が無くなったら、もうその品種はなかなか作れません。
当たり前ですが、種がある。種が残っている、というのは、とても大切なことなのです。)


話を戻します。
でも自家種を繰り返していると、だんだん品種特性が低くなってくると言われています。突然変異がやはり出るんですね。ですから種の選抜のやり方によっては、品種特性が変わってくる可能性があるわけです。
それで、農協などは種子更新といって、自家採種した種ではなく、農協からちゃんと品種特性を保証した種を買って使ってください、としつこく言うのです。ま、わからなくはないですが、毎年必ず種子更新というのもねぇ。種はとても高いのです。ま、高い理由もわからなくはないです。
ただまあ、種を支配することが、ものすごいことだと言うことは理解していただきたいと思っています。じっさいすごいことなんです。
だって、数年前「秋の詩」を種子更新するつもりで、種を残さなかったら、農協から「秋の詩」の種子が入ってこなくて、「日本晴」を播種せざる得ない事態に陥りましたからね。


種場、種籾用の「コシヒカリ」の圃場を見学しました。種籾から病気が出てはいけませんから、何度も(三度ほど)薬剤をまいて、消毒するそうです。病気がでていたら、種籾として合格しません。風や雨で、45度だか、イネの茎が斜めになったら、種籾として合格できないそうです。もちろんよく確認して、圃場に突然変異の株や、他の品種が混ざって生えてきていないか、何度も確認するそうです。他の品種が混ざったら合格しません。


株をよく見たら細い株でした。その分大きな穂や粒になるのかな。


その後は「八風の湯」という温泉施設で汗を流して、昼食。ありがたいことでした。



11日(火)
終日、畦畔の草刈り。
お盆も近いので、住宅地のなかにある小さな田んぼ(無農薬の田んぼ)の畦畔の草刈り。
風があって、すこしましだったが、それでも大汗をかく。
野蒜(ノビル)だと思うのだが、田んぼの畦畔にたくさん咲いていて、刈払機で刈ると、独特のいい匂いが香りたつ。


ここのところ昼食にオクラが出る。ネバネバもあって、うまいねぇ、


僕がいつも給油しているガソリンスタンドは、2万円分のプリペイドカードを使って、特売日(通常週に4日間あります。)に給油すると128円/Lなんだけど、このガソリンスタンドより、安いとこありますか?