現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

高橋源一郎『競馬漂流記』と七草がゆ

高橋源一郎『競馬漂流記』(集英社文庫)

人前で落語を披露することになった夢をみた。なんだか落語をちょっとした高座があって20畳ほどの畳の客席で聞いていたら、その寄席の席亭からどういうわけかトリをとってほしいとお願いされる。ネタは覚えていないし、漫談のようなものになりそうなのだが、その漫談もどう話していいのか、わからない状態で、舞台の袖で右往左往しているというところで目が覚めた(笑)。なんだかなぁ。そういや正月にみた初夢はなんだったかな。あ、初夢だ、って思ったのは覚えているのだが・・・。


国会が始っている。一般紙の今朝の第1面が北朝鮮の水爆の地下実験ばかりのなか、日本農業新聞の第1面は「首相「約束守れた」 民主「公約違反 謝罪を」“TPP国会”論戦スタート」でありました。まあ、百姓としては「騙されるほうも悪いが、騙すほうはもっと悪い」とぼそぼそつぶやくしかないが、せめて政治家たるもの公約違反と言われたら、カッと赤面でもして見せたらどうか。だが公約違反を公約違反と言われて赤面しているようでは政治家にはなれず、まして総理大臣にはなれんのだろう。いかにもばかばかしい。


高橋源一郎『競馬漂流記』(集英社文庫)読了。1990年代の前半に競馬週刊誌『ギャロップ』に連載されていた文章をまとめたものだそうです。1996年の12月に単行本になって、2013年に文庫化されました。ですから20年以上前の文章なので、出てくる馬の名前もよくわからないし、話題は海外の競馬の話だったりするので、最近少しJRAの競馬に興味を持ちはじめたような人間には、さっぱりわからないので、最初の1/4ほどは、ぜんぜん楽しめなかったのだが、これが読んでいくうちに少しづつおもしろくなってきたから不思議です(笑)。
競馬場に足を運ばず、馬の顔の優しさや毛並みの美しさも知らず、実際に走る馬の姿も見ずに、ネットでオッズとここ何レースかのレース結果ばかりを睨みながら、100円単位で馬券を買うような人間は、競馬ファンとは言えないのは間違いないな。といってもギャンブル好きにもなれないのだが。
当時の高橋源一郎は小説を書く気をなくして、自腹で毎月のように海外の競馬場へ行っていたようです。文庫本の解説の北上次郎によれば、山口瞳の『草競馬流浪記』に対抗して、あちらが国内ならこちらは海外版を作ろうと思ったようです。『ギャロップ』の原稿料がいくらなのか知りませんが、自腹で毎月のようにアメリカのチャーチルダウンズ、フランスのシャンティイ、イギリスのエプソムなどなど、オーストラリアから香港、マカオ、それからトルクメニスタンなどなどあちこち馬を観にいっているのは、確かに熱狂だし、すごいことだなぁ。で、この熱狂が数年続き、突然やんでまた小説を書き始めたそうだ。
文庫本の表紙のカラー写真はどこの競馬場だろう。ミニチュア風というかジオラマ風というのか、そんな写真になっているのだが、とても美しい。


夕食で七草がゆが出てきた。おいしくいただく。