現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

畦畔の草刈りと平田オリザ『下り坂をそろそろと下る 』と鶴光の話

tsujii_hiroaki2016-06-13

12日(日)
午前中は農事組合でポンプ小屋や池などの草刈り。二時間ほど。
その後、畦畔の草刈り。
午後も畦畔の草刈り。
夜は寄り合い。


13日(月)
昨夜から雨。お昼前まで降る。ただまあ、風もなく静かな雨。小雨。


午前中は事務仕事をしたり、証明書をもらいに行ったり。
それから精米など。


午後は畦畔の草刈り。


そういえば、平田オリザ『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』(講談社現代新書)を読了。一時間半ほどで読んだので、わりと速読(笑)。2012年に出た新書なのでもう4年になろうとしているのだが、でっかい、もはや帯とは言えないような帯がついていて、ロングセラー10万部!と書いてある。平田オリザって、劇作家で、名前は聞いたコトある人だったが、こんな人だったのか、知らなかったぜ、というのが第一の感想です。
世の中、人と人、なかなかわかりあえませんな。マコトニセンエツナガラ、ソウリダイジンニオヨミイタダキタイトオモイマシタ。


平田オリザ『下り坂をそろそろと下る 』(講談社現代新書)も読了。じつはこれはずいぶん前に読了したので、もうなにが書いてあったのか、忘れてしまっているのだが(笑)、たいへんおもしろく読んだことだけははっきりと覚えています。えー、いや、枕頭本として、寝る前に少しづつ読んでいたのですが。これまた、でっかい、もはや帯とは言えないような帯がついていて、あたらしい「この国のかたち」 私たち日本人のあり方を考察した日本人論と書いてありますな。『この国のかたち』と言えば司馬遼太郎ですが、これまた読んでおもしろかったことは覚えていますが、なにが書いてあったのかは、うーむ(笑)。ええ、でもこの新書にも司馬遼太郎のことは何度か触れられていたように思います。政治家は「成長戦略」などと言いますが、いつまでも成長し続けるなんてことは、無理な話だということは、世の中のこと、生き物のこと、自然界のこと、ちょっと見回してみれば、なんとなくわかることです。諸行は無常ですし。
今、思い出すために、序章を読み直してみたのですが、なんだな、この序章にはこの本のすべてが書かれているような気がしてきた(笑)。序章の中に「三つの寂しさと向き合う」という文章があります。金子光晴の「寂しさの歌」の一節を引用した文章です。(えー、僕は金子光晴は大好きな詩人なので、平田オリザ金子光晴の詩を引用しているというだけで、平田オリザを信用してしまいたい気分になってしまうのであります。えー、「寂しさの歌」は間違いのない本物の詩です。)
三つの寂しさとは、一つ目のは、日本はもはや工業立国ではないということ。二つ目は、もはやこの国は、成長はせず、長い後退戦を戦っていかなければならないのだということ。そして三つ目の最後は、日本という国は、もはやアジア唯一の先進国ではないということ。三つの寂しさかぁ、うまいことを言うなぁ。三つの「もはや」でもありますな。
日本の百姓は、この三つの寂しさと無縁のように思われるかもしれませんが、戦後ずっとコロコロと変わる農政に振り回されてきた百姓は、寂しさを胸に秘めて今日も畦畔の草を刈ってきたのです。もちろん何も言わずに。目の前にある美しい田んぼの景色と生き物を見つめるばかりの風情で。金子光晴のような気分で。 


笑福亭鶴光さんへのインタビュー、おもしろいです。鶴光の声もなんだか久しぶりに聞いたような気がする。「ええか、ええか、ええのんか?」とよう流行りましたな(笑)。あの番組はなんだったのか?オールナイトニッポンヤングタウン?ま、僕はあまりラジオでは聞かなかったンだけど。「ミッドナイトストーリー」とか新書とかになってましたな。
米朝から入って松鶴で終る」(笑)。なるほど、これもなんとなくわかる気がしますな。