現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

草刈りと雑草抜きと「秋の詩」の花盛りと小川糸の『これだけで、幸せ

小川糸『これだけで、幸せ 小川糸の少


なんだかよく晴れて暑い。
午前中は畦畔の草刈り。
午後は田んぼの中に入って伸びて稲より高くなった雑草をぬく。午後になって、少し風が出てきたか。


小川糸『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヵ条』(講談社)読了。おもしろく読めました。帯に「選ぶ基準は、はっきりしています。だから無駄なものは増えない」とあります。ま、一生添い遂げたいようなお気に入りの逸品とともに、ものを持たずに暮らすということなんですが、・・・。ま、そんなことはわかっているのだが、それがなかなかできないんだ、ということになりますわな(笑)。とくにうちのように比較的家族の人数が多いと。
そんななか小川さんは家庭用の精米機を使っておられて、文化鍋で炊飯して、充分蒸らしたらお櫃に移されるのだとか。お櫃は天然秋田杉の曲げわっぱのお櫃だそうですが。それからお米は実際に田んぼを観にいって「ここのお米をずっと食べていきたい」と思った無農薬の合鴨農法の農家と直接年間契約されて、玄米を購入されているとのこと。精米したてのお米はおいしいし、五分づきや三分づきを料理に合わせて選ぶのもたのしいとか。うん、これって、電気炊飯器で炊くか文化鍋で炊くかの違いはあっても、うちのご飯や、うちのお米を玄米で買っていただいているお客さんのところのご飯の食べ方と似ているじゃないかと、思ったり。
”あれこれと食べ比べするのもいいけれど、「うちのお米はここ」と決めると安心できるのです。”とか、”無農薬だから自宅で精米したあとの糠も使えます。この新鮮な糠を使って、糠漬けづくりを楽しむのもわが家の日常となりました。”とか。うちの「お客さまの声」に寄せられているものとおんなじじゃないか、と思ったり。むふふふ。


小川糸さんは、気になっていたのですがまだ読んだことなかった作家。『食堂かたつむり』と『ツバキ文具店』も一緒に買ったので、続けて読んでみるつもり。まあ、しかし、この『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヵ条』は、デザインとか作りが、エコな月刊の女性向け雑誌のテイストですな。小川糸さんへのインタビューをライターがまとめてでき上がった本だそうです。なるほどなぁ。



午前中は中晩稲の品種「秋の詩」の畦畔の草を刈ったのだが、ちょうど今日の圃場は「秋の詩」の花盛りでした。籾から雄しべが出ています。ちょうど雄しべが出てきて籾が閉じる時間帯だったのではないかな。稲はとっても地味な花なので、気をつけていないとなかなかよくわからないのですが。僕は好きです。この感じだと「秋の詩」はやはり9月末頃の稲刈りになりそうです。


今朝の日本農業新聞のコラム記事。国立環境研究所主席研究員というなんかすごい肩書きの割りには、サングラスの笑顔が気になる五箇公一氏の文章。百姓なので、よくわかるところがたくさん。要するに百姓が自分で種を採らないんだな。品種改良された新品種はF1で種がうまくできなかったり、種ができても、うまく発芽しなかったり。だから百姓なのに自分で種を採らず農協や種苗店で種を買っていれば、地域固有の品種なんてどんどん消えていってしまうことになりますわね。食の多様性はもちろん、味覚の多様性すらもどうにかなってしまうのか・・・。


ま、考えねばならないことはたくさんあるが、とりあえず秋の稲刈りの準備と稲より上に出てきてしまった雑草、とくにヒエをどうするか、頭が痛いぜ。やれやれ。