現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大麦の播種と雨と『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』と『田家茶話六老之図』


23日(木)
 終日、大麦の播種。先日の雨でまだ少し土が濡れていていささか播きにくい。


24日(金)
 雨が降ったりやんだり。
 午前中に精米など。


25日(土)
 夜中もけっこうな音を立てて雨降っていたけど・・・。あさから本格的な雨。夕方まで降る。
 このあたりも大雨警報が出たけれど、房総半島あたりから関東、東北の太平洋側はひどく降った様子。雨が降るのも台風が来るのも仕方がないが、なんとか穏便に願いたいです。


 ショーン・ベイカー監督『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(2017)をtvで観る。なるほどねぇ。すごい映画だなぁ。ドキュメンタリーのような映画でした。確かに子役も含めてみんな演技がうまいなぁ。みんな素人っぽいのだが、その素人っぽさの自然な演技。恐れ入ります。特に最後のあたり。
 唯一、顔を覚えていたのはウィレム・デフォー。強面だけど、なかなか味のある管理人をやっています。子供たちへのまなざしがいいですな。
 ストーリー展開としては特にありません。ディズニーリゾートのすぐ近くの安モーテルが舞台です。すぐ隣に夢の国があるのに、なかなか厳しい現実の中で暮らす人々。なるほどねぇ。
 知らなかった映画ですが、けっこうあちこちで褒められている映画だったんですね。こういう映画が褒められているというのがいいな。


 例の「赤玉パンチ」はいささか甘くて炭酸で割るとジュースのようになるので、あまり減っていなかったのだが、炭酸を二本、また買ってきて、おいしくいただきました。甘いからなんにもアテがなくてもグビグビ飲めてしまいますな(笑)。


 農作業は長男が手伝ってくれるようになると、どうにもこうにも自然に世代交代ということを意識するようになりますね。と、同時に自分の年齢とか、老いということも意識するようになります。歌川国芳の『田家茶話六老之図』には「老い」を風刺した6つの狂歌が書かれています。この狂歌は40歳になった頃に知ったのですが、もちろん40歳になった頃というのはまだまだ若いので、老眼にもなっていませんし、絵や狂歌の面白さはわかったのですが実感はなかったのですが、この歳になるとヒシヒシとあれこれ感じるようになりました(笑)。

   しわがよるほくろができる背はちぢむ
   あたまははげる毛は白くなる

   手はふるふ足ハよろつく歯ハ抜ける
   耳ハ 聞こえず目はうとくなる

   身におふは頭巾えり巻き杖眼鏡
   たんぽ温石しびん孫の手

   くどうなる気みじかになる愚痴になる
   心はひがむ身は古くなる

   聞きたがる死にとうながる淋しがる
   出しゃばりたがる世話をしたがる

   又してもおなじ話に子をほめる
   達者じまんに人はいやがる

 ま、笑える狂歌でもあるのですが、臨済宗の禅僧仙厓義梵(仙崖和尚)の作とも言われていますね。どうなんでしょうね。とくに「身におふは頭巾えり巻き杖眼鏡」は、さすがに杖はまだついていないけれど、老眼鏡はなにか書物や新聞を読むときには必需品ですし、いつ頃からか僕は手ぬぐい愛好者になっていて、春夏秋冬、日常的に首に巻いているし、寒いときは頰被りなんかもするので、いよいよオジジになりつつあります。ま、でも他人さんがどうであれ、自分の思うように、 自分の動けるように、生きるしかありませんからね。
 この絵の老人も年齢は書かれていませんが、当時の寿命とかをかんがみれば、ひょっとすると今の私の年齢ぐらいというのも十分に考えられますね(笑)。