現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

雨と『セザンヌと過ごした時間』と未読の『居酒屋』の思い出など


25日(土)
 午後も雨が降ったり止んだり。
 年末ジャンボ宝くじの当選くじを換金する。サマージャンボも発売中ですよ、と窓口のオネーサンにすすめられたが、「はい。また日を選んで。」と返事して今回はパス。


 ダニエル・トンプソン監督『セザンヌと過ごした時間』(2017)を観る。うーむ。セザンヌって、こういう男だったのか。なるほど。むつかしい、ややこしい男だったんだなぁ。まあ、芸術家だからね。あとゾラとセザンヌが親友だった、というのも知らなかった。あとマネとか。
 ラストシーンは、しかし、ちょっと切ないというか、しみじみさせられました。『セザンヌと過ごした時間』の主語はゾラです。
 セザンヌはリンゴの静物画とサント=ヴィクトワール山が有名ですね。僕は静物画もわりと好きだし、セザンヌのリンゴの静物画もいいとは思うけれど、でもどこがどう革新的なのかはよくわからない。少し静物画史を勉強しないといけないのだろう。サント=ヴィクトワール山のシリーズも、これがどう革新的なのかは説明できないが、ま、写真のようにきれいに正確に描こうとはしていませんね、でも美しいと思います。映画の中でも戸外の川や池で水浴する女性が出てきましたが、セザンヌの水浴の女性の絵は、これもデフォルメされた絵だとおもうのですが、なんか、いいです。ピカソのヌードというか、女性の絵はこのセザンヌの絵から影響受けてそう、って何も知らないシロートが適当なことを書いてます(笑)。
 ゾラがセザンヌに手紙を送るのだが、その励ましがいいんだなぁ。またセザンヌもその文章を何度も読んでいるらしく暗記してしまったりしている。ゾラの『制作』という作品で、セザンヌがモデルになっているような感じなのでしょうか、ゾラとセザンヌがどうも仲たがいしはじめるのです。もっともそれまでから青年期から二人とも芸術家指向で親友だったのに、貧しかったゾラが先に世に出て暮らし向きがよくなり、比較的裕福だったセザンヌは落選続きで世に出ることができず貧しく暮らしているわけだから、いろいろ心の葛藤はありますわな。
 載せたポスターの文字色がこのブログの文字色とたぶん同じというか近い。むふふふ。そんなことで急にセザンヌが身近になったぜ(笑)。


 ゾラは『居酒屋』が有名ですね。世界史の教科書にも載っていました。それをよく覚えているのは、高二の定期試験で世界史のテストの日、朝のホームルームの前。僕がずーっと気になっていた女の子が隣の席になっていたのですが、その子が仲良しの友達と問題を出しあっていて、その友達が「ゾラの書いた小説は?」と問題を出すと、その子が「ふふふ。知ってる知ってる。『居酒屋』!」とニコニコしながら答えたんですね。僕は当時長浜の小さな本屋さんの文庫本の背表紙は毎週のように次から次へと眺めていたので、ゾラに『居酒屋』という文庫(たぶん岩波文庫。他にも『ナナ』とか『ジェルミナール』も並んでいましたな。)があるのを知っていて、気にはなっていたけど、未読で、今でも未読だけど、その子が「知ってる知ってる。」などと言っていたので、友達が自分の席に戻っていったあとに、勇気を出して、「『居酒屋』って、読んだん?」と聞いてみた。するとちょっとびっくりしたのか、大きな目を見開いてじっと僕を見つめながら「ううん。読んでないで。教科書に『居酒屋』っておもしろくない?試験に出んかな?出たらうれしいけど。ツジイくんは読んでるん?」と聞いてくれたのだ。もちろん僕はその透き通るような大きな瞳に見つめられ圧倒されてしまって、しどろもどろになったのは間違いないが、どう応えたのかは覚えていない。ああ、無念じゃ。あのとき『居酒屋』を読んでいれば話が弾んで、僕の人生も大きく変わっていたかもしれないぜ(笑)。しかし、まあ、未だに男らしさも、度胸も、勇気もないのは、いよいよもって無念だが、こんな昔話をブログに書くなんて、いささか厚かましさは出てきたかも(笑)。


26日(日)
 今日も雨が降ったり止んだり。午前中は農事組合の草刈り。ポンプ池周りやバイパス沿いの法面と歩道の柵に絡みついたウマヅル(たぶん正式名はクズ)をはずしたりする。昨日の天気予報ではカッパを着て作業しなくてはならないかと思っていたけど、カッパは必要なかったが、大汗をかく。


 昼過ぎに散髪をしに行く。一昨日前を通ったら車がぎっしりつまっていたので、混んでいたらやめようと思っていたけれど、誰もいなくて、すぐに刈ってもらえた。ありがたい。「4連休は最初の二日は混みましたが、昨日からはそれほどでもないです。やはりコロナのこともあるからですかね。」とのことでした。


 夕方からけっこうな雨。またメールに降雨情報がじゃんじゃん届きだす。このあたりは72時間の雨量が187mmということだった。

 若いときには、ビールやお酒を飲むときも、なにもアテはいらなかったのだが、だんだん、なにか欲しいな、と思うようになってきた。ま、手の込んだものでなくても、なんでもいいのだが、塩味の「ポテトチップス」でも「かっぱえびせん」でもいい。でも「おっとっと」はけっこうな好み。少し薄味なのもいいし、一つづづこれは何の魚なのか、しばし考えるのも楽しい。画像の右下のぎざぎざはなんなのか?ウニ?ホタテ?



27日(月)
 新型コロナウイルスの感染者数のグラフを見ると明らかに第二波が来てて、それが都市から地方にも広がりつつある現状なので、今日は午後大津の県庁までいかなくてはならないのだが、電車に乗るのがなんだかいやだなぁ、と思っている。行きは昼間なので空いていそうだが、帰りは帰宅のラッシュの時間帯になりそうだし・・・。車で行くほうが気分的に楽かも。通勤電車がクラスターになったという報道は一つもないけれど、どうよ。通勤電車内ではほとんどおしゃべりをしないし、みんなマスクしてるから、感染リスクは低いという人もいたけれど、密閉・密集・密接なのは間違いないし、揺れればつり革や把っ手をどうしても掴んでしまうこともあるでしょうしね。感染経路不明者のうち何割かは通勤電車なのではないか、と思いたくなるのだが・・・。


 そういえば、長男が次女からの要請を受けてWi-Fiの中継器をつけてくれた。使っていた中継器は新しいBUFFALOのルーターの速度に対応していなかったようで、中継してくれなくなっていたのだ。新しい中継器も小ぶりのアンテナが二本立っている。はい。どうやら次女の部屋も快適にWi-Fiの電波が届くようになったようです。長男もこういうことは好きみたいだなぁ。