現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆の圃場で土寄せしたことと精米機の注文と『僕はラジオ』とラフマニノフ


3日(月)
 朝、車庫から先日大豆の中耕をしたトラクタを出してきて、土寄せをするつもりでロータリーカルチを逆回転させるようにセットするつもりだった。農機センターのK君の話だとピンを抜いて爪を左右入れ替えてください。という話だったのだが・・・。それなら簡単だと思っていたが、これが、どうして、Rピンを抜いても、ピンはピクリとも動かない。もう一方はピンがこれまたピクリともしないので、Rピンさえ抜けない。どうしようもないので、K君に電話したら、あとで見に行きます。ちょっと他にもお客さんのところで回らないといけないところがありますので、ということだった。
 で、午前中は大豆の圃場に追肥をやりにいく。6月末に播種したのだが、その後の長雨やら豪雨で発芽率も悪く、生長もいささか不良という感じなので、少し肥料をやってみよう、と思ったのでした。有機の圃場にはもちろん有機肥料しかやれませんが、慣行のところは硫安を少し動散でまいてみた。
 途中でK君がやってきて、今、見てきました。ロータリーの軸の奥のボルトを回して緩めないとピンが動きませんでした。緩めておきましたので、あとは出来ると思います。ということだった。あーた、それならそうと最初に言ってくれないと。ま、その後バカ話をしているうちに思い出して、精米機のいいのがないか、三つほど条件を出して探してもらうことにする。三つの条件とは循環式ではなくて、一回通しタイプであること。分づきが出来ること。石抜き機がついていること。この三つ。


 ちょうど昼前に追肥はまき終えたのだが、ちょっと頑張りすぎたのか、シャワーを浴び、ご飯を食べて、昼寝を少ししたら、身体のあちこちの筋肉が攣って、寝返りさえままならなくなる。たぶん水分やミネラル不足(カリウム不足かも)になっているだろう。あんまり頻繁につるので、午後予定していた草刈りは中止して休むことにする。


 するとそこへ農機センターのKくんから電話があり、今ちょうど敦賀に精米機のメーカーの人が来ておられるようなので、あとでちょっと話を聞いてもらえないでしょうか?ということだった。なんだか話がトントンと進むではないかいな。
 というわけでロータリーカルチの爪を左右入れ換えの作業をしているときにKくんと営業の方が来られてあれこれ話をして、営業のその人が誠実そうな人柄に見えたので、ま、話を決める。富山県の精米機のメーカー。無洗米ではないが、きれいに仕上げる細かい技術がいくつもある自慢の精米機らしい。


 辻井農園では「安心・安全 おいしいお米」を標榜しているわけですが、種を播くところから、精米して白米にして発送するところまで、一貫して仕事をしています。もちろんお米ですから、おいしいお米をつくる田んぼでの技術、これがなにより大切なのはもちろんで、大前提ですが、コンバインで刈取った籾を乾燥調整して、籾擦りして玄米にし、玄米を選別機にかけて粒の揃った大きな米だけにして、それをまた精米して、袋に詰めて発送します。このコンバインで刈取って籾にしてからも、けっこう神経をつかうというか、気を使うのです。太陽の光ときれいな水とたくさんの生き物を育む豊かな土がないと安心して食べられるおいしいお米はできませんが、その後の乾燥調整もしっかりやらないと、特別に選んでもらえるお米にはならないでしょう。
 さて。使いやすい、いい精米機だとうれしいけど。さてさて。


 夕方、マイク・トーリン監督『僕はラジオ』(2003)を観る。ノンフィクション映画、ということらしい。ノンフィクションだからかな、いささかいい話になりすぎていてクサイ感じはするが、いい映画なのは間違いない。知的障害の青年と高校のアメリカンフットボール部のコーチ(高校の運動部長の先生)との話。いささかクサイと感じてしまったのは、どうもこれは高校生諸君が人権学習の授業の一環で観る映画のような気配を感じてしまったからかな。キューバ・グッディング・ジュニアが知的障害の青年ラジオを演じているのだが、これはすごい名演です。アメリカンフットボール部のコーチ、ハロルド・ジョーンズ役はエド・ハリス。いいです。かっこいいですな。高校の先生役でもあるし、パニックにならない、落ち着いた演技に魅かれます。エド・ハリス、どこかで観たぞ?どこで観たんだっけ?と思っていたけれど、そうそう『アポロ13』ですな。ジーン・クランツ。ああ、『アポロ13』よかったな。また観たくなってきた。と思ってAmazonプライムを検索してみたら『アポロ13』はなくて『アポロ11』が出てきた。なんと。
 話を『僕はラジオ』に戻します。エド・ハリスはこのいささかクサイ映画の中で、心に染みるセリフをいくつか発しています。まあ、でもそれをここに書くのはいささかヤボな気もするので、やめておこう。
 高校の部活動のコーチ。生徒からの信頼だけでなく、保護者や支援者からのプレッシャーもあります。試合の後、散髪屋さんで行われれている支援者の集まりに参加して、コーヒーを飲んで、保護者や支援者と少し話をして帰ってくるシーンがいくつか。実は僕もそのような集まりに何度か参加しています。そんなこともあって、三度あるそのシーンがなんともリアルでドキドキしました。


 夜はラフマニノフを聴く。



4日(火)
 昨日の午後は田んぼに出るのを休んだので、今朝は朝飯前からトラクタで大豆の土寄せに出る。はい。作業は快調に進みました。ま、キャビンのついていない小さいトラクタでの作業ですので、陽射しを直接浴びながらの作業ですから猛烈に暑いです(笑)。でもその分、作業の様子がしっかり見られるのがいいですね。昼前まで作業。
 帰ってシャワーを浴びて、冷たい水や麦茶を飲んで、そうめん食べて昼寝。


 午後は普及所のFさんが、有機栽培の試験圃場のミネラル肥料を探してもらっていたの持ってきてもらう。


 で、また大豆の土寄せに出る。で、長男と交代して畦畔の草刈りをする。で、僕だけ少し早めに切り上げて歯医者へ行く。


 夜はまたラフマニノフを聴く。
 ラフマニノフ。考えてみれば、なんてカッコいい響き。ラフマニノフ
 今まで何度も聞いているはずなのだが、意識して聴いたのは初めてかも。ピアノ協奏曲の2番と3番。パガニーニの主題による狂詩曲。ピアノソナタの2番。10の前奏曲の2番と4番。ピアノは反田恭平。知らないピアニストでしたが、ウィキを見ると天才ぶりがうかがわれますね、って僕にはわからない世界ですけど。たぶん録音もいいのだと思いますが、ピアノの音の粒立ちがスバラシイです。あと音の強さ。強い音が出せると弱い音にも引き込まれますよね。
 ラフマニノフ。二枚のCDを聴いていると、次から次へといつかどこかで聴いたフレーズなんですな。ピアノ協奏曲もピアノソナタも狂詩曲も。なんだろう。音に厚みがありますな。って。シロートの素直な感想です(笑)。