現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

草刈りと筋肉痛と県庁で寄合いなど


18日(日)
 午前中は事務仕事など。お金で払う年貢の振り込みをネットバンクから。机の上の整理も。
 午後は大豆の圃場の畦畔の草刈り。


19日(月)
 朝のうちは発送準備。精米しようとしたら、一瞬動いたけれどすぐに精米機が止まってしまった。モーターが唸るばかりで回っていない様子。あらら。お米が詰まったのか?と思ってあちこち開けてみたけれど、まったく問題なし。はてさて、困ったぞ、と農機センターのK君に電話してみると、K君もメーカーに訊ねてみます、とのこと。すぐに折り返し電話があって、200Vの電気が来ているかどうか、確認すること。それから精米機のリセットボタンを押してみて、ということだった。
 電源のランプは点くし、モーターも唸るので電気は来ているとばかり思っていたけれど、3相の200vなので、ブレーカーを開けてみると三つあるヒューズのうち一本が切れていた。やれやれ。こういうことはもうだいたいわかるつもりになっていたけれど、精米機はこの秋に買ったばかりの機械なので、トラブルに慣れていないというか、初めてのトラブルだったのだ。うーむ。ま、一つ経験を積んだぜ。


 午後は大豆の圃場の草刈り。先日のブログで大豆が雑草に沈んで見えなくなってしまったことを書いたけれど、大豆を探してみると(笑)、雑草の中で育ったものもおおく、また莢もたくさん付いているようなので、収穫することにして、なんとか雑草の処理をしなくてはならない。刈払機も使ってみたけれど、大きな雑草の中では動かしにくいので、昼にホームセンターに行く用事があったので草刈り鎌を買ってきた。2000円ほどの青鋼のついた草刈り鎌。切れ味の良さそうな薄い鎌を選んだのだ。
 というわけで午後はこの鎌を振って雑草だらけの圃場から、大豆だけを残してあとは刈るという作業に突入。ま、雑草と一緒に大豆も刈ってしまっては元も子もないので、ちょっと気を使う。日没直前まで鎌を振り回して頑張りました。


 ザブリとお風呂にはいってみると、明らかに右腕と右脇腹あたりに特別な疲労がある。これは明日は筋肉痛だな、と思いながら風呂でマッサージする。



20日(火)
 朝起きたら、案の定、上半身のの右半分が筋肉痛。やれやれ。でも大豆の圃場の草刈りはまだまだ続くので、昨日の鎌をもって大豆の圃場へ。長男には有機栽培用に緑肥にするヘアリーベッチの播種にむけて畦畔の草刈りに出てもらう。
 朝日を浴びながら、草刈り鎌を振り回していたら、急に手応えが変わったので、鎌をよく見てみたら、柄に近いところから鉄の鎌が曲がっている!あら?と思って観察してみると、要するに鉄にひびが入って曲がってしまったのだ。これをまた手で直して使っていたがひびはすすむばかりでグニャリと曲がってしまった。やれやれ。これでは仕事にならない。あきらめて帰ってきて昼飯にする。
 ま、柔らかい草にも対応できるように薄い鎌を選んだのだが、それにしても鎌の鉄のところの付け根にひびが入って曲がってしまうなんて、そんな鎌があるものか!ホームセンターには200円で草刈り鎌もノコギリ鎌も売っていたが、これらの鎌には鋼が使われていない。使い捨てのステンレススチールの鎌の形をしたものに過ぎない。その10倍の値段の鎌ではあったが、2000円は安いと思ったのだ・・・。というか、200円の鎌も売っているホームセンターだとちょっと心配はしたのも確か。昔、僕が初めて就農した年、畔塗り用に平鍬が必要になったので、両親とともに隣町の金物屋さんにいった。いくつか種類があったのだが、けっこうな値段の平鍬を買ってもらったのを覚えている。父や母の使っていた平鍬は長年使っていて、ずいぶんちびていて、鍬についている鋼もあともう少ししか残っていない状態だったが、ずっと手入れしながら使ってきていた。ええ、鍬も柄も長年の使用に耐える作りになっていたのでしょう。その時買った平鍬は10年以上経った今でもノントラブルで使っています。農作業で使う鍬という道具はそういうものなんだろうと思います。もちろん鍬仕事はトラクタが概ねしてくれるので出番は少ないですけれど、使うときにはしっかり仕事してくれますから愛着がわいています。
 ところがこの鎌は買って二日でダメになってしまって。国産の鎌だと思いますが、安物とはいえ、いつから日本の道具はこんなにダメになってしまったのかと思うばかりです。
 さっき、ネットで土佐打ち刃物の中厚の草刈り鎌を注文してしまいました。値段はホームセンターの鎌の3.5倍。数年前、長浜ドームの農機大展示会で売られていた土佐打刃物の草刈り鎌は1万円をはるかに超えているもので、「すごいね、高級品?」と聞いたら、「高級品というより、トンカントンカン職人が打って研いだホンモノです。」と若いオニイサンがおっしゃってました。なるほどホンモノかぁ、と思った記憶があります。鎌以外にも、ハサミ、ナタ、斧が並んでいましたけれど、そんなには売れていませんでした。まあ、もうそういう手作業をする時代ではないんですね。
 無農薬で大豆を作って笑われ、雑草に豆が沈んで笑われ、鎌で草刈して笑われることになるのかな?(笑)
 まあ、僕はそういうことがあまり気にならなくなってきたというか、みんなと同じことをしていては、みんな以上においしいお米は作れない、みんな以上に安全なものは作れない。みんなと同じじゃ楽しくない。というココロイキもないわけではないので、ちょっと頑張れるのです。というか反省につぐ反省、失敗につぐ失敗も、お客さんには隠さないというヤセガマンでもあるのですが。


 午後は県庁で指導農業士会と農政水産部の懇談会。県の次期5年間の農業・水産業基本計画について意見を出しあう。指導農業士会のメンバーは当然ながら大規模農家が多いので、うちのような小規模の経営体だと話があわないことも多いのですが、SDGsのこと、有機栽培、オーガニックのことについてもっともっとPRしてほしい、と班別の話し合いのときに少ししゃべりました。今日の全体の中で意見が多かったのは後継者問題だったような気がします。


 明日は天気が良ければ、大麦の圃場の溝切りの続きをしたい。


 大津までの行き帰りで窪田新之助『本当は明るいコメ農業の未来』(イカロス出版)を読んでいて、半分ほど読む。2016年に出た本だし、その後も状況は変わってきていますが、・・・。まだ半分しか読んでいないし、これ以上は書けない。(笑)