現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆の土寄せと耳順




 昨日のブログに書き忘れてしまったけれど、7日は立秋でした。
 「もう秋か。ランボウならそういう季節となりました。」とは、開高健のあるエッセイの書き出しなんです。一瞬で覚えて、生涯忘れることはないフレーズとなりました(笑)。


 昨日、うちの車庫から出たり入ったりしているデモ機のトラクタが戻ってきたので、早起きしてトラクタを出してきて、大豆の土寄せをするべく、中耕カルチの爪を左右入れ替えて、逆回転で中耕できるようにする。正回転より逆回転にすると土が左右に寄るんです。僕の経験でも土寄せすると大豆の茎がぐっと太くなります。土がかぶった茎のところからも根が出てくるんですな。
 というわけで、今日は日の出から日没まで、って日没は雲に隠れて見えなかったけれど、終日、長男と交代で大豆の土寄せを頑張りました。トラクタはずっと動きっぱなしでしたな。あと長男に土寄せしてもらっている間は畦畔の草刈りも。
 大豆の花も咲きはじめました。本当は咲き始める前に土寄せしたかったけれど。ま、しかたがない。


     子曰、吾十有五而志乎学、三十而立、四十而不惑、五十而知天命、六十而耳順、七十而従心所欲不踰矩。
     子曰く、吾(われ)十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う(したがう)。七十にして心の欲する所に従えども矩(のり)を踰えず(こえず) 。


 しかし、なんですな。60歳になっても惑わずにはいられないし、自分の天命など考えたこともないけれど、このところ他人の意見を素直に聞けるようにはなってきているような気がする(笑)。ほんまかいな?ただ世の中にはいろんな意見がある、ということはずいぶんと身にしみている。その分、他人の意見を聞く姿勢は出来てきたような気がする。ほんまかいな?


     人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
     一度生を享け、滅せぬもののあるべきか


 幸若舞(こうわかまい)の『敦盛』の中の一節らしいですが、有名なところですね。『平家物語』のなかでも「敦盛」は好きなところです。もっとも平敦盛よりも熊谷直実の振舞いが好きなのですけれど。人の世の50年の歳月は確かに「夢幻の如くなり」という気持ちにもなってきています。ほんまかいな?
 なにはともあれ、ここまで重い病気にも、大きな怪我にもあわず、家族はそこそこ息災で、やらねばならない仕事もあり、本を読んだり、映画や落語や音楽を観たり聞いたり、そこそこの楽しみもおぼえて、ありがたいことです。欲を言えば切りがないのも本当ですが、金のことは言うまい(笑)。ほんまかいな?