現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大豆の刈取りと選別が終わったこととお米の食味測定がすべてSランクだったこと


11日(木)
 朝早起きして、精米など。
 今日から二日間、大豆の刈取りの汎用コンバインを借りることができたので、夕方まで終日大豆の刈取り。長男がオペレーターというか汎用コンバインを運転してくれたのだが、思いのほか作業がすすむ。作業は進んだが、刈取った大豆はあまり溜まっていかない。どうなってるんだ(笑)!そうして今年は初めて大豆の乾燥調整を農協へ任せることにした。今年は品種の転換というか、変更があって、今までは「オオツル」という品種を作っていたのだが、来年からは「里のほほえみ」という品種に変えるのです。それで今年は一枚とちょっとの圃場で「里のほほえみ」のタネを買って播種して収穫して、来年の播種用にタネ取りをするわけですな。こういうときは気をつけないと、最初に品種が混じらないようにしておかないと、一旦混じってしまうと、これから先、ずっと混じってしまうことにもなりかねないのです。そんなこんなで、さらに諸般の事情もあり、オオツルは農協へ生のまま出すことにして、タネ取り用の「里のほほえみ」だけ自分のところで乾燥させることにしました。

 前回も書きましたけれど、どうも今年のうちの大豆は全体に刈り遅れていますね。どうも今年あまりそろって葉が落ちなかったんですよね。まだ緑の色の残る葉が付いていたり、茎も緑色だったり。それで様子を観て待っている間に莢(さや)の方は登熟して弾けてきてしまいました。(莢が弾ける・はじける、莢が爆ぜる・はぜる、日本語はほんとにややこしくてむずかしいですね。)こうなると収量は下がってしまいますし、弾けてしまった大豆はよく実って充実した豆ですから、一番いい豆が収穫できないということになりますね。ま、大豆の収穫では「あるある」でしょうけれど。僕の判断が遅かったわけですが、あんなに葉っぱが残っていては、刈り取りしよう、という判断もむずかしいですわ。
 農協の荷受けのライスセンターでそんな話をしていたら、大豆用の汎用コンバインの手配、割り振りや汎用コンバインのオペレーターも担当してくれていたYさんが、「はいはい。今年の傾向ですね。爆ぜるのが早いです。まだ葉が青いけど、莢が爆ぜてしまうので、もう刈ってほしい、というお客さんもおられましたよ。」などとおっしゃる。うーむ。なかなかスバラシイ判断ですね。私はモウチョット、モウチョットと待っている間にずいぶん爆ぜさせてしまいました。


12日(金)
 現在は日の出は6時半頃なのだが、地軸の傾きの具合で、秋は日の入りが釣瓶落としと云われるのと反対で、朝は未明の時間が長く、一気に明るくなって日の出となります。夏はあたりが明るくなるのが早く、日の出までの時間もわりあい長いですよね。
で、まあ、今朝はその未明のうちに少し雨が降りました。やれやれ。大豆の刈取りをしようというのに。でもこれまでずいぶん乾いていましたし、雨量も少なかったのがありがたかったです。
 朝のうちは精米などをして、お昼前から汎用コンバインで刈取り開始。
 15時までに最後のタネ用の「里のほほえみ」の刈取りを終了。農協の大豆の荷受け担当をしていたTさんに昨日の分の大豆の水分は何%やった?と訊くと、「昨日は13%代でしたよ。今日は今から調べますけど、さっきの人は今朝の雨もあってか、14.5%でした。」「ほんまに?ほんなら乾燥は?」「もう乾燥する必要ないくらい乾いてますよ。むふふふ。」ということでした。これはありがたい。これなら農協の乾燥施設に搬入しても、乾燥代を請求されることはないだろうし。タネ取り用の「里のほほえみ」も乾燥する必要がないかも。
 というわけで、すぐに刈ったばかりの生の「里のほほえみ」を農協の水分計で計ってもらうと14.0%でした。これならまったく問題がないので、せっかく一昨日組み立てた平型乾燥機を分解して収納。むふふふ。ありがたいです。

13日(土)
 朝からよく晴れる。あちこちで今期の最低気温を記録したそうです。信楽ではマイナスの気温になった由。
 朝のうちは精米など。それから廃プラスチックの回収があったので、肥料袋などをもっていく。もちろん回収にはお金が要るんですけどね。たくさん肥料を買ってお金を払い、それを散布して、残った肥料袋をまたお金を払って回収してもらう。まあ、毎年のことながら、すんなりとは腑に落ちないシステムですわな(笑)。たのむぜ。

 それからお米の発送はお隣の郵便局の日本郵便を利用しているのですが、今日は一件、日本郵便以外で、という指定がありましたので、近所のコンビニからクロネコヤマト運輸を利用しました。少しでも安く上げようとクロネコメンバーズになったり、パソコンでラベル印刷したりと、日本郵便とは少し違うシステムでおもしろかったですが、クロネコさんの方は荷物のサイズに実重量も関わってくるので、お米のように比較的重いものはどうしても料金が高くなってしまいますね。

 昨日から長浜ドームで三日間「農機大展示会」が開かれていて、別になにも展示会で買うものはないのだがお米の食味測定をやってくれるので、毎回、サンプルを持ち込んで測定してもらっています。あ、買うものありました。トラクタのロータリーの耕耘爪を毎年買っていますわ。展示会価格で通常より10%オフという宣伝なので。土曜日なのでお米の発送に長浜の本局までいくので、そのついでに大展示会に行くことにする。
 そんな話をしていたら母が「じいちゃんとうちと一緒に行くわ」と言う。「何しにいくんや?コロナでもう弁当もでないし、食べるものは一切ないんやで。」というと「弁当なんていらん。まあ、ちょっと遊びにいくわ。ふふふふ。」とおっしゃる(笑)。去年はコロナでなかったのだが、それまでは毎年一緒にいっていたので、まあ、のぞきに行きたいのだろう。
 会場ではすぐに別れて、僕はお米の食味測定コーナーへ。父と母は二人で勝手に見てまわるとのこと。食味測定コーナーは毎回人気でサンプルを出しても、結果がわかるのに1時間とか2時間くらい待たされるのだが、今日は会場もガラガラなら、食味測定もガラガラで待ち時間無しですぐ測定しますから、と言われる。毎年僕は4サンプル測定してもらう。「コシヒカリ」が2サンプル。「秋の詩」と「みどり豊」が1サンプルづつ。結果が出ると指導員の方と結果票と玄米をもとに面談するというスタイルです。測定は静岡製機の機械が玄米を分析してくれるんですな。結果は今年も4サンプルとも高得点をたたき出し、すべてSランクでした。指導員の方からも大いに褒めていただき、ありがたいことでした。まあ機械による分析で、人間の官能審査ではありませんが、「安全安心・おいしいお米」を標榜する辻井農園としては、うれしかったり、心強かったりする結果でした。
 食味測定が終わって会場内をひと歩きすると、父と母がすでに休憩コーナーで椅子に座っている。食味測定の結果票を父に渡し「スバラシイ結果で褒めてもろたで。」と報告し、「耕耘爪を買ってくるわ。」というと「わしらはもうここで座って待ってるわ。」とおっしゃる。で耕耘爪を注文だけして、すぐに戻ってきて「もう帰ろか?」というと「おん、もう帰ろ」ということで出口のところで記念品の折り畳める布製のバケツをもらって帰ってきた。「農機大展示会」なのに僕は農機らしい農機はなにひとつゆっくり観ることなく帰ってきた。家についてクルマから降りると母が「ああ、疲れただけや。なんにもなかった。あはははは。」とおっしゃるのでありました(笑)。
 しかしなんだな、前回の大展示会でも思ったけれど、毎回毎回、だんだん大展示会も規模が縮小され会場の人も少なくなってきてますな。日本の農業の衰退というか、農家の減少というか、そりゃ、家族経営の小さな農家が減って、大規模農家ばかりになっていったら、農家の減少ということになるし、こういう大きな会場を借りて大展示会を催す必要もなくなってきますわな。メーカーが大規模農家に直接営業をかけたほうが効率がいいわけですから。

 その後はスライドモアで大豆あとの圃場の草刈りに出る。

14日(日)
 午前中は精米など。
 午後から金曜日に刈取りした来年のタネにする「里のほほえみ」という品種の大豆の選別を長男と二人でする。
 農協においてある大豆の選別機を借りるわけだけれど、今まで近所の倉庫の中にあった選別機が、諸般の事情でちょっと離れたライスセンターに移動されていた。やれやれ。まあ、仕方がないけれど。選別機は、豆をコロコロと転がしたり、サイズの違う網の中を通ったりして、よく転がる丸い大豆をサイズごとに分ける物理的な選別をします。
 刈取った時にも、あ、きれいな豆と思ったけれど、チラッと見た母が「あ、きれいな豆やがな。」と言ったので、まあ、きれいな豆だとは思っていたけれど、クズ大豆をはじき大中小と三段階に分けてくれるのですが、なんと90%がきれいな大サイズの豆に分類されました。こんなことは初めて。「里のほほえみ」という品種だからかなぁ。中耕したり土寄せしたりという手間が効いたのかなぁ。ありがたいことですな。でも「里のほほえみ」は莢のつき方が、わりと低いところに固まって付く感じなので、ちょっと汎用コンバインで刈りにくい感じなのが残念かなぁ。


 今朝の中日新聞の一面のトップ記事は藤井聡太三冠が竜王をとって、最年少で四冠になったという記事でした。まあ藤井聡太くんは愛知県の瀬戸市出身だから、中日新聞がリキんじゃうのはよくわかります。十代で序列一位になってしまうんだから確かにすごいですね。僕はまあ毎週NHK囲碁対局を眺めているので囲碁棋士の名前と顔は少しわかっているのですが、藤井聡太くんの史上最年少(14歳2か月)でプロ入り以来、将棋界が盛り上がってますなぁ。
 という一面の裏の二面に載っていたコラム。二週間前の衆議院選挙の投票率の低さのことを田中優子先生が書かれています。僕もやっぱり選挙の度に投票率の低さには、なんとなくがっかりさせられています。