現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

有機栽培の「コシヒカリ」の播種と精米と『しろばんば』と黒猫

作業所のなかで黒猫と眼が合う。どうも人馴れした猫のようだ。痩せてる感じもしないし、若い感じもしない。どこかの飼い猫かも。鼠を追う覚悟があるのなら居候にもやぶさかではないのだが・・・。

25日(月) 曇り後晴れ
 朝、催芽機の種もみを確認。ばっちりハトムネ状態だが、ちょっと芽が出すぎか。田回り。それから苗代の確認。で、種落としの準備をして、播種。やはりちょっと芽が出ているのが多かったんだろうな。落ちにくくなっていて、496枚の苗箱に播種する予定が525枚の苗箱に播種することになった。有機栽培の「コシヒカリ」なので、まあ、少々一枚の苗箱に落ちた種もみが少なくても構わない。その分、太い苗になって欲しいところ。

 午後は精米と事務仕事をする。それから割れたトラクタのドアガラスが届いたということなので、取り付けてもらう。それから小さいトラクタは昨秋にやってきた新品なのですが、100時間ほど稼働したので、オイル交換とオイルフィルターの交換もする。
 で、僕は大麦の畦畔の草刈りに。長男はドアガラスが直ったトラクタで「尻踏み」に。
 お昼前から快晴になり、風もほとんど吹かず、気温がどんどん上がり、暑い!。長袖のシャツを着ていたが、その後すぐ脱いでTシャツで作業する。大汗をかいて、いささかグロッキー。夕方、田回りで長男の様子を見に行ったら、相変わらず丁寧な作業ぶり。ありがたい。

 帰ってきて、とある事情で今、私のクレジットカードの一枚が使えなくなっているので(残高不足ではなく)、久しぶりにお財布をもってコンビニに。プシュッとやって、ドクドクドクとグラスに注いで、ゴクゴク、プハーッ!とやる幸せ。ああ、この一瞬があるからまだ四月とは思えない暑さの中で草刈りも頑張れる(笑)。

 夜、滝沢英輔監督『しろばんば』(1962)を観る。モノクロ映画。原作はもちろん井上靖。ま、なんというか井上靖の原作と比べるといかにもお粗末(笑)。いや、洪作役の子役の島村徹や、さき子役の芦川いづみ、おぬい婆ちゃ役の北林谷栄などなど役者さんはみんな頑張っている気がするけれど、脚本がなんともなぁ。あ、木下恵介なのか。どうよ。
 だいたい、洪作とおぬい婆ちゃが一緒に暮らす土蔵があまりに立派なのでびっくりする。僕のイメージとは全然違ったけれど・・・。伊豆の湯ケ島かぁ。いったことないけど、いいところなんだろうなぁ。
 中学から高校も大学も、井上靖にはずいぶんとはまって、文庫になったものはほとんど読んでいると思います。最初は中学の時、友人のTくんが貸してくれた『蒼き狼』でした。で、最初はずっと西域ものを読んで、そのあと自伝的な作品を読みました。いわゆる三部作は『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』ですが、『あすなろ物語』も自伝的な作品ではありますね。1980年からNHKが『シルクロード』という番組を作って、いわゆるシルクロードブームが起きたんですが、井上靖も当時は西域小説や西域に関する散文詩をたくさん書いていたので、ときどき登場していました。ま、今やすっかり忘れられた作家ですが、当時はウソかホントかノーベル文学賞の候補にも上がっているらしい、という噂が出ていましたね。ええ、わかりませんけれど。ま、噂だけはいつもたくさんの作家が上がっているのですが・・・。

 作業所で種落としをしているときに、うわ!と思わず声を上げてしまったのが、黒猫が隅からこっちを見ていたからです。黒猫と書きましたが、黒いんですが、背中にちょっと茶色が混じっているようなのですが、それが苗箱に入れる培土がついているのかがはっきりとしませんでした。睨みつけてやっても、動じず、足をなめたりして居眠っているかと思ったら、盛大に伸びをして、作業所の中を歩き出したり。けっこう人に慣れている感じ。母によると○○さんところの猫かも。という情報でしたが、はっきりしませんし、僕は初めて見た猫のような気がするし。そういえば昨夕、奥さんが「作業所に猫がおるで!」と言っていたのを思い出す。ははん、夜を過ごしたのかも。若くはなさそうな黒猫なんですけどね。

26日(火)
今日はお昼前から雨と風になるらしい。さて。