現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

春の淡雪と書類の提出と『愛は霧のかなたに』



21日(火)
 まだ暗いうちに起きて外を見たら、屋根が白かったです。写真が撮れるような時間までまって、とりあえず、時間を置いて二枚撮る。春の淡雪。10時ごろにはあらかた解けました。でも風は冷たくて風に雪が混じるお天気でしたが。
 朝のうちから精米など。それから午前中に同級生の大工さんと一時間ばかり話。
 午後は書類を調えて市役所へ提出。

 マイケル・アプテッド監督『愛は霧のかなたに』(1988)を観る。原題は「Gorillas in the Mist」です。主演はシガニー・ウィーバーで、ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) を受賞したそうです。うーむ。確かに熱演ですな。実際にマウンテンゴリラの群れの中に入って撮影をしたそうです。もっともシルバーバックのボスは着ぐるみらしいですが、特殊メイクがすばらしく、ほとんど着ぐるみに見えませんね。しかし、シガニー・ウィーバーダイアン・フォッシーに似てますね、いやもちろんメイクもあるんでしょうけれど。なるほど。
 ルワンダの森林で18年間にわたりマウンテンゴリラの生態系の調査を行ったアメリカの動物学者、動物行動学者、生物学者ダイアン・フォッシーの生涯を描いた作品です。ゴリラの生態研究だけでなく密猟者との戦いも描かれます。映画なのでどこまでが実話なのかはわかりませんが、いくつか彼女の言動の矛盾もすぐにわかるように描かれてはいます。
 ゴリラを密猟する部族は、それを動物園に売ったり、頭を剥製にして飾り物にしたり、掌を灰皿にしたりするためにそういう箇所を切り取って売ったりするわけです。そうして暮らしを立ててきていた。とは言ってもそれは欧米に動物園ができたりそういう剥製や灰皿を好む金持ちの白人が出てくるようになってからで、あの部族はゴリラを食べてきたわけではありませんね。
 同じ頃に問題になっていたのは日本の捕鯨です。ゴリラも絶滅の危機にあったし、クジラも同様に言われていました。クジラもイルカも哺乳類。「あんな賢い動物を食べるなんて、野蛮な。」という声をありましたね。落語家の桂吉朝さんがマクラのなかで「ほなら、アホは食べてもええんか?」と言って笑いをとっていました。私も笑いました。オーストラリア人もニュージーランド人もアメリカ人も牛をどんどん食べているわけですし。いやいや私たちが食べているのは人間によって飼育された牛や豚や鶏であって、野生のものを食べているわけではない。とおっしゃっいますが、じゃ、野生動物の生命と飼育された動物の生命に価値の違いはあるのか?古来、捕鯨をして、食べるだけでなく、油も繊維もあれこれ利用し尽くして暮らしてきた文化を異文化の他者に否定できるのか?とか、まあ、いろいろ考えさせられます。
 ゴリラの密猟者は高値で買ってくれる欧米人がいるから密猟している、古来、食べてきたわけではない、という弱みはありますわな。ある意味お金儲けのためについ最近ゴリラを狩り始めたという部分もあるし、欧米人にもゴリラの剥製や灰皿を友人知人に見せたい、欲しい、という部分もあったんでしょうしね。でも21世紀になって、それもカッコ悪いことになってきました。
 いくら研究対象だからといって「私のゴリラ」と言うのもやはりエゴではあるのでしょう(いや映画の中のセリフですから実際にダイアン・フォッシーが言ったのかどうかは知りませんが、言ってたんだろうなぁ)。もちろんスバラシイ研究成果を残してこられたのは言うまでもないことですけど。
 というわけで、私は充分に楽しめた映画とは言えませんでしたが、いろいろ思い出すことの多かった映画でした。学生時代、『アニマ』(平凡社)という月刊誌があってダイアン・フォッシーの記事があったのを覚えています。もうはっきり覚えているわけでもないんですが、たぶん追悼の記事だったのではないかな?
 実写版のターザン映画はどうだったかはっきりしませんが、ディズニー映画の『ターザン』(1999)ではゴリラのことがいろいろ出てきますよね。子どもが好きだったので何度観たかわからないほど観てますけど、たぶん『愛は霧のかなたに』も参考にしてますよね。
 日本でゴリラ研究といえば山極壽一先生がすぐに思い浮かぶけれども、と言って本を読んだわけではなくて、15年ほど前はけっこうラジオに出ておられて、そのトークを楽しんだ記憶があります。
 ゴリラとクジラは絶滅危機を脱したのかどうかはわかりませんが、数は増えはじめたみたいですね。地球温暖化でゴリラもクジラももっとも影響を受けやすい環境で暮らしています、って、まあ、ゴリラとクジラに限らないですけど。

←ヒヤシンスの水栽培、だいぶ葉っぱが伸びてきておもしろい。たのしい(笑)。テーブルの上、散らかっていますが、わざとですので、そこんところよろしく(笑)。

22日(水)
 まだ外は暗い。とにかくだ、ドラマや映画ばかり観てないで、事務仕事をすすめて決算書を完成させなければ。こんなにちゃんと早春の三時過ぎに起床して珈琲を挽いて淹れて、パソコンに向かうっていう勤勉そうに見える生活習慣なので。ブログ書いたり、パソコンやスマホのシステムなんかのバージョンアップでインストールしたり。