現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

「猫の皿」の小三治さんのマクラの「青葉の笛」と敦盛と忠度


1日(水)
 今日も終日秋晴れで、ありがたく、なんとか大麦の播種も終えることが出来ました。ありがたいです。うまく芽が出てきてくれるとうれしいのですが。
 除草剤がうまくかかっていなかった畝が一本あったので、残った液剤をその畝に散布していたら、日没になってしまいました。が、雲一つない空で、大いなる夕焼けになりました。
 早く芽が出てきてほしい。うん?♪早く芽を出せ柿の種、出さぬとはさみでちょんぎるぞ、って言うのは、「猿蟹合戦」でしたな。


小三治さんの噺は29分40秒ぐらいからはじまります。
ええ、いや、志の輔さんの最初から聴いてもらえばいいんでしょうけれど。

 落語の「猫の皿」は嫌いな話ではない。落語にときどき百姓が出てくると、まあ、おだてられたり、バカにされたりしているのですが、これもなかなか、百姓の話ではないけれど、田舎の人間の話でもありますわな。
 そんなことはいいんだが、YouTube立川志の輔vs柳家小三治「猫の皿」というのがあって、志の輔さんと小三治さんの二人の「猫の皿」が聴けます。まあ、どうかな。志の輔さんも好きだしおもしろいけど、やっぱり人間国宝にはかなわないかな。マクラに落語家の年輪が出ていて、小三治さんの方のマクラを何度も繰り返し聴いてしまう。
 でね、そのマクラに「青葉の笛」という一昔も二昔も前の小学唱歌が登場して、小三治さんが一番を歌うんだけど、これが、あーた、むちゃくちゃスバラシくて、その後YouTubeでいろいろ聴いたけど、小三治さんのが一番いいくらい。「青葉の笛」という小学唱歌は知らなかったんですが、敦盛と忠度のことを歌った歌詞なんですな。ええ、『平家物語』、一の谷の戦いのところです。戦さに負けて海へ逃げるところを熊谷次郎直実に呼び止められるわけですな。敦盛まだ17歳。で笛の名手だったわけですな。ま、僕がその後を解説してもよろしいが、でも『平家物語』を読んでもらうか、小三治さんのマクラを聴いた方がいいです。
 それから「青葉の笛」の二番は薩摩守平忠度のことです。忠度は歌人でもありましたね。都落ちするときに藤原俊成に百首の歌を託します。そして「忠度の最期」に出てくる歌がありますな。ま、いいか、これも小三治さんのマクラを聴いてもらうのが、いちばんいいか(笑)。


 あ、でも小三治さんのマクラで、一番心に染みたのは、「その当時の音楽の先生はね、これはこういう意味なんだよ、ってことを、その人の個性で、その人の人間観で、この歌を子どもたちに教えたに違いない。こうだよ、ってことだけじゃなくて、その人の人間観で伝えることの大事さ。そういうものをねぇ、忘れてるんじゃねーかねぇ、って思うんです。」ってところ。ま、こんなこと言える落語家はねぇ。人間国宝ですなぁ(笑)。