現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

熱帯性低気圧の雨上がりと『光る君へ』

2日(月)
 昨日の夕方から明るくなるまで、一晩中雨が降っていましたが、明るくなる頃には雨がやみました。台風10号は昨日正午頃に熱帯性低気圧に変わったのですが、その後滋賀県に向かってきました。雨は降りましたが、そんなに風が吹かなかったのがありがたかったです。
 でも雨であちこちコシヒカリの稲が倒れています。
 しかし。今回の台風10号は10km/hぐらいのスピードでとてもゆっくりだし、気象庁の進路予想もどんどん変わっていったように、どこに進んでいくのかわかりませんでしたね。ま、これも地球温暖化、地球沸騰化の影響でしょうか。百姓としてはとても気にしているのですが、どうもみなさん地球温暖化について、鈍感な感じがしないでもないです。農作物は毎年のようにどんどん作りにくくなっています。

 朝、雨が上がったのであちこち田回りをする。そうして有機栽培のコシヒカリの尻水戸を切って落水しました。有機栽培の「コシヒカリ」は肥料不足ぎみに作りますし、雑草が肥料分を吸うので、大きな稲穂にはならないので、まったく倒れません(笑)。今年はたぶん全体としては豊作傾向だと思いますが(そうでもない?)、うちは、まあ、例年並かなぁ。うーむ。

↓朝の田回り。田んぼの横の湧水の池。奥の田んぼは倒伏していました。
その上をまだそれほど赤くもなっていない赤とんぼが群れて飛んでいました。ビデオでも撮りましたが、スマホではなかなか写りませんね(笑)。

↓晩夏のヒマワリ。

↓初秋の朝顔

↓たぶんタネ獲りように残してあるゴーヤ。

↓晩夏のヒマワリ2

グリーンカーテンの初秋の朝顔

↓旧暦では文月三十日。月齢は28.7で月は見えません。明日が朔日なのか。明日からは仲秋になっていくのか?

↓作業所で準備をしていたら、イナゴがなんだかたくさんやってきていた(笑)。

 大河ドラマ『光る君へ』を観ていたら、「中宮様の御ために、ともに尽くしましょうぞ。」中宮彰子の先輩女房に言われて、新しく女房になったまひろ(吉高由里子)が「仰せの旨かしこまりました。心して相務めます。どうかよしなにお導き下さいませ。」と挨拶をするシーンがありました。

 立派に過不及なく挨拶するというようなことも、若い時にはその案配がわからなかったし、さらに挨拶そのものの大切さもわかっていなかった。
 でも今は挨拶の大切さも少しわかってきた。わかってきた分だけ、饒舌で丁寧な挨拶も口先だけだと慇懃無礼(いんぎんぶれい)であるともわかるときがあるし、言葉足らずでたどたどしくあっても心のこもった挨拶は、ちゃんと通じる気がする。心のうちを過不足なく丁寧に述べる言葉を知っている、あるいは見つける、思い浮かぶ、ということが、私のような百姓にはなかなか難しいことではあります。挨拶は間をとりつつ、ゆっくりはっきりすこし低めの声で言うのがいい気がするけど、原田マハ『本日は、お日柄もよく』の受け売りです(笑)。

 それから一条天皇とまひろの対面の時にまた白居易の『澗底の松』が出てきましたね。これで二回目。前回の対面の時のことを一条天皇が覚えていたのですな。

 高者、未だ必ずしも賢ならず、下者、未だ必ずしも愚ならず。「高者」は身分の高い者、「下者」は身分の低い者のことですね。
 ドラマの中で、天皇中宮、貴族たちの会話の中に『白氏文集』の詩が出てくるのは、3回目でしたっけ?4回目?平安時代の貴族たちの間で白居易の『白氏文集』が、どれだけ人気で広く読まれていたかがわかるような脚本になっていますね。一条天皇のセリフにあるように「身分の高い低いでは、賢者か愚者かは計れんな。」ということでしょうけれど、当時、身分としては最高の位の天皇にこれを述べたのですから、まひろもやりますな。