現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

道路脇の田んぼのゴミ拾いと畦塗りと玉泉寺と菜の花とサワガニ



8日(月)
 夕方から急に風が強くなってきて風に少し雨が混じったりする。いやはや。
 近所の小学校の入学式ですね。
 朝からはいい天気だった。青空。
 長男は畦塗りに出てくれた。僕は気になっていた道路沿いの田んぼのゴミを拾いに出た。だってこのままでは畦塗りが出来ない。県道沿いに五枚ほど田んぼがあります。
 ゴミを拾ったら、可燃物は45リットルの大きなゴミ袋が二つ、30リットルの中の袋が一つ。主にペットボトル類ですね、しかも中身がまだ少し残っていたりするので、ペットボトルのフタを開けて中身を出さなくてはいけなかったりする。あとコンビニ弁当などの容器類。
他に不燃物は大の袋が一つ。主に缶ジュース、缶コーヒーなどの缶類ですね。さらにどこから飛んできたのかシャッターの切れ端(3m×2m)とか赤いロードコーンとか、トタン、波板などなど。みんな持って帰ってきたけれど・・・。
 さらに田んぼ脇の電柱に自転車まで不法投棄(?)されている。
 田んぼにゴミを捨てないように。田んぼはごみ捨て場ではありません。


 午後は苗代の準備をして、その後麦の圃場の水はけ用の溝をさらってきれいにする。しかし鍬仕事は疲れる。


9日(火)
 今日は畦塗り。天気はよかったけれど風が強くてわりと冷たい。長男と交代で畦塗りをする。
 ずいぶんと畦塗りをしたので、畔塗り機の爪がずいぶんと減ってきてしまっている。土の掻揚げ量が少なくってきているので、爪を交換しなくては。夕方畔塗り機の水洗いをしたら、畔の上面を削る爪がなくなっていた・・・。あれ?


 うちの村の下の田んぼに行くと、三川町の玉泉寺の御堂の屋根が見えます。湖北地方はだいたいどの村にも一つはお寺さんがあって、人口あたりのお寺の数は日本で一番だったような気がしています。で、この玉泉寺の御堂の屋根はこのあたりの他のお寺の屋根とは少し違って反り上がった形をしています。天台宗のお寺でご本尊は木造慈恵大師坐像です。慈恵大師というのは良源ですが、一般的には元三大師と言われていますね。第十八代の天台座主比叡山延暦寺の中興の祖と言われました。その良源、元三大師がこの三川町で生まれました。でその元三大師の開山により創建されたお寺が玉泉寺です。戦国時代に織田信長の兵火によって消失したようですが、江戸時代の後期に彦根藩主の井伊氏によって再建されたようです。
 今日も畦塗りは長男と交代でやりました。ちょうど玉泉寺の近くの田んぼだったので、お昼を食べに家に戻る時に、少しだけ寄ってみました。うーむ、何年ぶりだろう。30年ぶり?中学の時まではこの玉泉寺の前に歯医者さんがあったので、たまに来ていたのですが。うちは浄土真宗なので、宗派はちがいますが、堂の前までいって、これまでの無事に感謝申し上げ、また家内安全をお願いしてきました。そういえば一度も御堂の中に入ったことはないですなぁ。今日も上がろうかと思ったけれど、長靴に田んぼ仕事の格好なので、外から頭を下げてきました。近くまで寄ると屋根の反りがうまく写りませんね(笑)。


 田んぼの菜の花が咲いてきているけれど(うちの菜の花はたいてい入学式の頃に満開になるんだなぁ。)、今年は昨秋の播種時期の長雨で、発芽がうまく揃わなくて、もう一つです。発酵鶏糞は同じだけ入っているけれど、少し油かすを田植え前にやるのがいいかもしれませんね。


菜の花20190409



 それから水路でペットボトルを拾っていたら、サワガニの巣を見つける(笑)。まだ気温が低いので動きは鈍いけれど。

水路のサワガニ20190409

一回目のコシヒカリの播種とソメイヨシノとホワイトホース


6日(土)
 午前中からバタバタと播種の準備。午後から一回目の「コシヒカリ」の播種。300枚ほど。
 夕方、県議会議員選挙の期日前投票に奥さんと長男と次女と四人でいく。娘は初めての選挙。よく考えて候補者を選んだかな?
 夜は「まるごと保全隊」の総会。


7日(日)
 長男は畦塗り。僕は精米と配達。それから忘れていた畔波シートを外したり・・・。


 次女は今日京都へ友達と遊びにいったのだが、嵐山は桜が満開だったとのこと。京都はどこへいっても人であふれていたとのこと。ま、この時期も京都はそうでしょうな。


 ああ、散髪に行きそびれたが、明日は月曜なので休みだなぁ。


 このあたりのソメイヨシノもだいぶ咲いてきて七分咲きくらいかな?
 夜桜見物にいつもの朝の散歩道のところへ次女と行ってみる。桜並木のうちの50mほどがライトアップされているのだ。僕は夜桜にはあまり興味はないが、ライトアップしてでも眺めようとおもう心持ちにはすこし興味がある。ま、酒飲みの発想なのだろうけれど。でも夜桜の下で飲んでいる人は誰もおらず、どこかからクルマでやってきたカップルが一組手をつないで歩いていました。なるへそ。
 昨日今日と暖かく天気もよかったので、昼間は桜並木の下を歩いている人を田んぼからたくさん見ました。いいもんですな。
 天気にもよるけれど、明日か明後日には満開になりそうです。



 そういえばお米の配達にいった先の近所の桜もきれいでした。




 家の隅のユキヤナギは満開です。




 そんなこんなで今夜は白馬の気分なのでありました。ホワイトホースが200mlで400円せずにコンビニに並んでいた。ホワイトホースを舐めるのは何年ぶりだろう。ひょっとすると30年以上舐めていなかったかも。田舎のよろず屋のとあるお店に中学生だった僕と数人の友人と入ったら、店の奥に洋酒コーナーがあって、サントリーやニッカの他にも、スコッチだのコニャックだのが並んでいたのだが、ホワイトホースも並んでいた。でも瓶につけてあったラベルには「ホワイトハウス」と書いてあって、英語を習いはじめて生意気ざかりの中学生なので、笑いがとまらなくなり慌ててお店の外に出たのを覚えている。あの頃はすごく高価なものでした。こんな小瓶もなかったですし。

バタバタと桜の開花


3日(水)
 今日も朝は田んぼがほんの少し白くなる。小谷山も白くなっていたが・・・。ま、すぐに溶けました。
 でも朝、桜はまだ開いてはいませんでしたね。 
 プール苗代の準備で板を出してきたりする。


4日(木)
 朝は霜が降りましたが、よく晴れて気温も上がったみたいだ。
 畦塗り作業や尻水戸の確認など。日の出から日没まで長男と田んぼで働いたぜ。父もプール苗代の板を並べてくれていた。



5日(金)
 なんだか朝からバタバタ。今日は最高気温が今年最高の20.1℃まで上がったようだ。グラフを描いてみると、一昨日までがやはり寒かったのがよくわかりますね。これで桜の開花が遅れました。雨も降りましたしね。
 夕方から長男と出芽機を組み立てたりする。夜、風が強いという予報だったし、カバーはかけずに骨組みだけ。その後、「コシヒカリ」を催芽機に入れる。こんな夕方から催芽機に入れるのは初めてだが、この方がなんとなくゆっくり寝られる気がする(笑)。


 昨日、4日に彦根で桜の開花宣言があったようですが、今日はこのあたりでも開花していました。ふう、入学式にはいい感じになっているかも。


 詳しくは書けないが、4日の夜からバタバタしている。日常生活からふいに非日常の時間になってしまったような気がするが、ま、僕のバタバタとは関係なく世の中は日常生活がすすんでいるということなんでしょう。


 というわけで、うまく三日間を振り返られない(笑)。なんだかあれこれ書きたいことがあったような気がするのだが、どんどん忘れてしまうのか思い出せない。ま、ろくなことではないのだろう(笑)。


 そういえば、印泥用の油が届いたので、カチカチになっていた印泥に少しずつ混ぜて柔らかくしてみた。うーむ。いい感じになってきました。1988年の印泥も復活だぜ。ハンコ押してみたいけど、そのためには何か書くか描くかしないといけませんな。


 霜の降りた昨日の朝の日の出など。



 今日は桜が開いてきました。

花冷えというにはまだ開花しないことと『ナイアガラコンサート’83』




 なぜか、なんとも花冷えというのか、寒い日が続いている。花冷えといってもいいのかどうかわからない。まだあまりソメイヨシノは開花してきていないからだ。開きかけてこの寒さで縮こまってしまっている感じ。近所の北川百貨店の桜は二分咲きになっているが。


 このところは、大瀧詠一にはまっているのだが、ええ、『ナイアガラコンサート’83』を聴いたり、観たりしている。初回限定版の三枚組です。三枚のうち一枚はDVDなのですが、えーっ、動く大瀧詠一は、たぶん、初めて観ました(笑)。なかなか普通のオッチャンぽいですがおちゃめですな。ライブなのですが、ほとんどしゃべらずに歌ってますな(笑)。ラジオではあんなにしゃべっているのに。
 YouTubeなんかで聞ける大瀧詠一のラジオの録音をまたいくつか聴いている。何年か前にも一度どれもザッと聴いているのだが、なんだかまたザッと聴いている。おもしろい。大瀧詠一はあの笑い方が悪くないですな。


 カープジャイアンツ戦を1勝2敗で負け越して、今度はドラゴンズ戦。地上波ではもちろんやっていないので、catvで6回から観る。ナゴヤドームでの試合。解説は権藤博さん。
 6回の3:3からテレビ中継を観たのだが、うーむ権藤博さんの解説がおもしろかったです。まあドラゴンズOBですから、話の流れはドラゴンズが中心なんですが、この人はいつもがんばっている選手に敬意を払っているよね。それはドラゴンズだけでなくてカープの選手にでも。試合は8回裏にカープの自滅のような感じで負けてしまったけれど。こういう野球をよく知っている人が、がんばっている選手に敬意を払いながら解説されたら野球中継もおもしろく楽しめるのは間違いない。
センバツもいよいよ決勝ですな。



大瀧詠一のスピーチバルーン〜北野誠

新元号の発表とエイプリルフールと『博士と彼女のセオリー』

 今日は四月一日、エイプリルフールなのだが、四月馬鹿の話題はひとつもなく、新元号の発表に明け暮れていました。祭りでしたね。
 ですが、今日は入社式や辞令交付式がいろんな会社や役所や学校で行われたはず。新元号の発表もめでたいが、新年度、世の中の仕事が心新たにスタートし、若者が新たに仕事をはじめることの方が僕ははるかにめでたいことのように感じています。
 学校を出たら勉強は終わりとだ考えがちですが、世の中こそ本当に身につく勉強の場でもあるでしょう。ヒリヒリハラハラするような経験こそ、若い人を大きくたくましく育てるものであることは、僕は自分の経験からも自信をもって言えるような気がしています。ヒリヒリハラハラしながら頑張ってくださいね。


 朝は小谷山の上のほうやら伊吹山が白くなっていました。その後も終日、陽が射したり、雨が降ったりというお天気。


 ジェームズ・マーシュ監督『博士と彼女のセオリー』(2014)をiTunesで観る。いやー、なかなかおもしろかったです。理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士とその奥さんだったジェーン・ホーキングの話。原作は元妻のジェーン・ホーキングの回顧録だそうですから、奥さんよりの話になっているのかもしれません。主演はエディ・レッドメインフェリシティ・ジョーンズです。レッドメインはこれでアカデミー賞の主演男優賞をとりましたね。たしかにスバラシイ演技でした。ですがねフェリシティ・ジョーンズもすばらしかったです。迫力がありました。顔つきの変化、あの怖い顔。いえ、べっぴんさんなのは間違いないんですが、ふっと顔に出る感情のほとばしり。いいと思いました。
ホーキング博士筋萎縮性側索硬化症でだんだん動けなくなっていくわけですが、その病気が発症してから余命二年と医者から宣告されているのに、二人は結婚するわけです。ここにいささか無理があるのは、はたから見ている五十半ばをこえたオッサンにはわかるわけですが・・・。
 ホーキング博士の『ホーキング、宇宙を語る』は大ベストセラーになりましね。1988年だったのか。就職してからだったのですね。はいはい、学生時代のベストセラーはカール・セーガンの『COSMOS』でした。もちろんホーキング博士の「ブラックホール特異点定理」だの「ホーキング放射」だの、僕にはとても理解できないだろうけれど、もう少しそういう話をおもしろくわかりやすく描写する部分があってもよかったのではなかったかな。そうでないと映画だけだと博士の偉大さというか、研究業績のすごさがもうひとつわからないから。

畔塗り機を動かしはじめたことと「雷乃発声」と塚本邦雄の短歌


30日(土)
 午前中は畔塗り機を出してきてトラクタにセット。一年ぶりなのであちこちグリスアップ。さてさて試運転とおもったが、・・・。これが3mほどうまく動いたかと思ったら、畔塗り機が回らなくなってしまった。いやはや。トラクタからのPTOの動力が畔塗り機に伝わっていないようだ。いちど田んぼから出してアスファルトの道で畔塗り機を外してみる。どうもPTOの動力を伝えるコネクタのバネがグリス不足で動かなくなっているようだ。オイルで古いグリスを落として新しくグリスを塗り付けてやる。畔塗り機のグリスアップはやったけれど、トラクタのPTOの動力部分のグリスアップはしてなかったんだなぁ。
 動き出したところで雨が降り出す。結局、一枚分だけ畦塗りをして終わる。


 夕方から「まるごと保全隊」の役員会。



31日(日) 
 未明に激しい雷鳴で目が覚める。今日から七十二候の「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」ということなのだが、雷様、大音声でした。
 終日、陽射しが出たり雨が降ったり。
 午前中は精米など。
 午後は奥さんと娘と三人で近江ちゃんぽんのラーメンを食べて、娘を米原駅に送っていく。途中、奥さんと娘が買い物すると言って入っていったお店は古民家を利用したおしゃれなお店。「なんなん?」と聞いたら「イタリア料理のお店で、女子会で人気らしい」ということでした。奥さんは欄間風の木彫りコースターを買ってきてました。


 夕方、スーツにネクタイと扇子でちょっとお仕事(笑)。


 MacOS X についてくる無料のワープロソフトといえば「Pages」です。まあ、どうということのないワープロソフトですが、日本語の縦書きが出来なかったので、僕はもっぱら「egword universal 2」を使っているのですが、このほどやっと「Pages」でも縦書きが出来るようになったというので、使ってみました。なるほど。シンプルで使いやすいです。やっとこれで普通の日本語ワープロになりましたね。
 というわけで、今朝の新聞に載っていた塚本邦雄の短歌を縦に打ってみました。
 最後の一首は「春の夜の夢ばかりなる手枕にかひなく立たむ名こそ惜しけれ」という百人一首にもある周防内侍の本歌取りでもありますね。塚本邦雄の歌は三首とも戦争を強く意識させる歌になっています。それにしても『波瀾』は1989年に出た歌集ですから戦後44年経っているわけですが、ある日突然枕元に召集令状が届くというのは、ちょっとドキッとさせますね。春の夜の夢ならいいんですけれど。

久しぶりのカラオケとプロ野球の開幕と3S政策



28日(木)
 午前中は精米など。
 午後は営農組合の総会とその後の懇親会。懇親会は近所であったのだが、久しぶりに二次会、三次会と長浜に出て最後はカラオケのできるスナックに。午前様になる。


29日(金)
 風がほとんどなくありがたい。あきらかに二日酔い。声がかすれている。
 終日田んぼで仕事。午後は長男も手伝ってくれる。


 プロ野球が開幕した。カープの開幕戦はジャイアンツ戦で、先発は大瀬良と菅野のエース対決。最初はラジオ中継で、6回からはテレビの中継で観戦する。2年連続MVPの丸選手が、今年はジャイアンツに移籍したので、丸選手の活躍も気になるところですな。
結果は両エースはよく投げ合いました。丸選手は四打数四三振ということでした。まずはカープの一勝。
3Sと言われるものがありますね。整理・整頓・清掃の3Sが一番有名かなぁ。でも3S政策というのもありますね。Screen、Sport、Sexで3S。この三つを用いて大衆の関心を政治に向けさせないようにする愚民政策のことで、ナチスがこれをやったという話もあります。映画やスポーツ(オリンピックなど)、性産業で、国民の政治的な関心や興味をそらしたということです。
 僕は野球が好きなのでプロ野球が開幕するとちょっと(?)うれしくなるのですが、うれしくなると同時にこの3Sのこともチラっと頭をよぎります。Screenは映画のことなんでしょうけれど、今ではテレビやスマホの画面のこともあてはまりそうですね。Sportは野球やサッカー、大相撲、それからオリンピックなどなど。Sexは性産業はもちろんですが、ネット上にはアダルトサイトがあれこれ充実していますね(笑)。まるで現在の日本も3S政策がおこなわれているかのようですね。


 ただ百姓のように野外で体を使う仕事をしていると、夕方帰ってくると、プロ野球中継を聴いたり観たりしながらビールが飲みたくなるし、久しぶりにカラオケスナックにいけば、翌日声が嗄れるほど歌ってしまったりするのだなぁ。と、ボソボソと言い訳をしたくなるのでありました。


 今朝の日本農業新聞に載っていた森鷗外の短歌。
 「おのがじし」って、めいめいに、それぞれに、って意味だってことは知っていたけれど、漢字では「己が自」って書くことを辞書で知る。「靡」という字は「たなびく」とフリガナがふってあるけど、辞書には「なびく」と書いてあるけれど。うーむ。