現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

川の法面の枯れ草を焼くことと『猫を棄てる』


14日(日)
 晴れたが、風が強く寒い。昼過ぎまで精米と事務仕事。
 それから精米の時に出る米ぬかを田んぼにまいた。
 メール句会の選句もする。


15日(月)
 早起きして事務仕事と精米。
 それから東川の堤防の法面の草を焼く。毎年、村の役員で焼いてます。最初はそうでもなかったのだが、途中からけっこうな風が吹いてきた。すぐ隣が大麦の圃場のところもあったので、そこだけは火をつけず明日に持ち越すことにした。明日は風はマシになるらしい。


 午後は村上春樹『猫を棄てる 父親について語るとき』(文藝春秋)を読了。小さな本だし薄いので、すぐ読める。息子にとって父親はけっこうムツカシイというか、ウットウシイ存在でもあるのだが、そこそこの年齢になると、父親のことをちゃんと知りたい、と考えるようになるんだなぁ。私の父親も現在90歳。今年は91歳になる。元気なので本当にありがたい。


 今日は色塗りなしでやってみた(笑)。
事務仕事は毎日しっかりやっているのだが、まったく確定申告に心が向かわない私なのであった。でも早寝早起きだし、今日は川の法面の草も燃やしたし、遊んでばかりいるわけじゃない。さっき、『チームバチスタの栄光』を後半50分間だけ観た。三度目だがおもしろかった。

終日の雨と昼のビールと『ジジイの片づけ』

 今日も早起き。というか早起きが普通になってきている。夜中はけっこうな雨だったが、起きたら雨は小降りになっていた。でも今日は終日雨。夕方はすこし風が強く吹いた。
 まだ暗いうちに起きて、窓の外が明るくなってくるのを眺めているのは悪い気分じゃないけど、今日みたいに曇り空だと面白みにはかける(笑)。

 というわけで早起きして事務仕事をして、精米。そうして長浜の本局から発送する。
 帰りに近所のスーパーによって豆腐と油揚げとウルメイワシ丸干しと赤かぶの漬物とビールと日本酒を買ってくる。やれやれ。

 買ってくると飲みたくなる。もう今日の仕事の大半は終わったようなものだし、お昼にビールを一本いただく。うまい(笑)。赤かぶの漬物でいただく。あっという間になくなってしまう。やれやれ。

 飲むと眠たくなる。本を持って蒲団の上に転がったら、あっという間に眠りに落ちて、気がつけば2時間も寝てしまう。うーむ。春の雨の午後のビールはおそろしいぜ。

 起きると持ってきていた本が読みたくなる。図書館で借りてきた沢野ひとし『ジジイの片づけ』(集英社)を読む。1時間15分で読了。面白かったけど、まあ、沢野ひとしの云いたいことは、「朝起きたら10分間掃除と片づけをしなさい。いらないものは捨てなさい。使ってないものは捨てなさい。」ということだな。などと書くと元も子もないが(と、コンピュータが変換してくれたので、もともこもない、ってこんな漢字を書くのか?ほんとかな?と辞書を引いたら【「元」は元金,「子」は利息の意〕利益ばかりか元手まで失う。何もかもすっかりなくす。】と出てきた。ああ、なるほど、そういうことだったのか、と賢くなったのでした(笑))、そこはなんだか沢野ひとしの文体が読ませます(笑)。
 沢野ひとしを知ったのは1980年です。本屋で『本の雑誌』のバックナンバーを何冊か見たときでした。当時の『本の雑誌』は季刊のような体裁で、実質的には不定期刊でした。で、その表紙や挿絵を描いていたのが沢野ひとしで、「なんなんだ、この下手くそな絵は!?」と驚きましたが、でもおもしろかったのです。誰もあんな絵は描いていませんでしたし。椎名誠沢野ひとし目黒考二木村晋介とかが最初期のメンバーだったかな。椎名誠は1979年に『さらば国分寺書店のオババ』を出しているんだけれど、僕が読んだのは1980年になってから。ラジオの朗読で『さらば国分寺書店のオババ』が取り上げられていて、聴いていて笑ったのは覚えているんだけれど。その後も『わしらは怪しい探険隊』『気分はだぼだぼソース』『かつをぶしの時代なのだ』『もだえ苦しむ活字中毒者地獄の味噌蔵』と次々におもしろい本が出てうれしかったなぁ。で、そんな椎名誠のエッセイとか『本の雑誌』のなかで、沢野ひとしは独特なボケの役回りをやっていて、椎名誠はもちろんだが、目黒考二木村晋介からもいろいろツッコまれてました。ですからこの『ジジイの片づけ』をネット検索したときに、誰かが「まさか沢野ひとしに教えられるとは思わなかった。」という感想を書いていて思わず笑ってしまった。
 しかし、考えてみたら、80年代は椎名誠をずいぶん読んだけれど、90年代以降は椎名誠より沢野ひとしの方をたくさん読んでいるかもしれない。沢野は山登りが好きで、ちょうど僕が山登りにはまっていたこともあって、山や旅のエッセイが次々と出たのだが、その度に読んでいたので。
 ああ、でも断捨離というか、身の回りをいつもきれいにしておくことはとても大事なことだとはわかっているので、沢野ひとしに教えられたことをバカにせずに素直に聞いて、きれいに丁寧に暮らしていきたいな。

 東日本大震災から10年ということで中日新聞でもいろいろ特集をやっていた。僕の気になっている原発関連の記事では“「脱原発」8割望む 福島事故10年で増加傾向 全国地方紙協働アンケート」”とか、”原発賠償 時効10年の壁”とか”原発の老朽化”についての記事もよかったのだが、どれもがネットで読めるわけでもないのですな。まあ、いいけど。
 あとニュースということでは、コロナ関連や接待疑惑もあるけど、ミャンマーの市民のデモに対する発砲とか、なにやってんだ?とか思うけれど、よくわからないことも多い。

沢野ひとしの『ジジイの片づけ』読了。どこかで誰かが「まさか沢野ひとしに教えられるとは思わなかった」と感想を書いていて笑ってしまったが、考えてみれば、テントを担いで山登りするなんてことは、よほど整理整頓ができないと難しいということもよくわかる。

10年と事務仕事と精米と『街角 桃色の店』と制度疲労


10日(水)
 午前中は精米など。午後は農協にパレットを返却し、車庫の雨どいが外れていたので針金で応急処置的に修理。
 長男は荒起しに出てくれる。
 夕方ホームセンターでブレーカーのヒューズを抑える座金やビスを探したが、あまり思っていたようなものを見つけることは出来なかった。あの手の部品って黄色い真鍮?みたいな素材だと思うのだけれど、どうもステンレスのものしかないんだなぁ。まあステンレスのもので代用したのだけれど。
 午後と夜は事務仕事。
 そうそう。夜、夜番に出る。太鼓が回ってくるので、ご近所を一回り、ドン、ドンドンと夜警の太鼓を叩いて回るのだ。江戸時代の時代劇ドラマじゃあるまいし、と思われるかもしれないけれど、ええ、今でもうちの村ではやっているんだなぁ。叩き方は決まっているのだが、まあ、私はフリースタイルでやらしてもらっています(笑)。いえ、フリージャズスタイルではなく、ビートを感じさせる叩き方です(笑)。


11日(木)
 今日はほとんど終日、精米と事務仕事。原稿用紙で27枚も書いてしまった(笑)。
 東日本大震災から10年と言うことで、今週は月曜日あたりからずっと震災関係の番組が続いている。今日のNHKのラジオ第1は終日そんな感じ。被災者の声がたくさん流れてきて、なんどか泣かされる。原発事故の被災者の声ももちろんたくさん流されたけれど、電力会社からの声はほとんどなかったような気がする。裁判で争っているからということもあるのかなぁ。それにしても・・・。
 お昼に精米機の掃除をする。去年の秋の新米の時から導入した新しい精米機。一週間に一度しなければいけない掃除と点検。一カ月に一度しなければいけない掃除と点検。三カ月に一度しなければいけない掃除と点検半年に一度しなければいけない掃除と点検。というのがマニュアルには載っている。週一でしなければいけない点検はほとんど毎日やっているし、月一の点検も、三カ月に一度の点検の年末にやったし、ちょうど導入半年なので、マニュアルに書いてある掃除と点検のすべてをやりました。要するにあちこちいろいろ分解出来るところは全部分解して、掃除と点検。米ぬかが出るので精米機はけっこう汚れやすいんですよね。でも。はい。ピカピカにしました(笑)。うれしい。


12日(金)
 今日も早起き。ってここのところずっと早起きなんだけれど。早起きして事務仕事。それから精米など。昨日あらゆるところの掃除と点検をしたばかりなので、実に快調。今日はたぶん新米の予約米の精米を除いて、一日の精米量としては、たぶん過去最高の精米量。ありがたい。


 夕方、エルンスト・ルビッチ監督『街角 桃色の店』(1940)を観る。原題は「The Shop Around the Corner」。ええ、ロマンチックコメディの王道的ストーリー。1940年ですぜ。ハンガリーの劇作家ミクローシュ・ラースローが原作なのでブタペストが舞台となっていますが、すべてセットの撮影でハリウッド映画です。こんな映画を作っている国に戦争をしかけたんですから、まあ、どうしようもないですね。1998年のトム・ハンクスメグ・ライアンの『ユー・ガット・メール』はこの映画のリメイクとのこと。なるほど、インターネットメールに置き換えられて、ストーリーも洗練されているけれど、確かにリメイクと言われればそうですな。トム・ハンクスと比べるとジェームズ・ステュアートのほうが三倍くらい男前かも(笑)。マーガレット・サラヴァンもとてもチャーミングだが、メグ・ライアンの方が僕は好きかな(笑)。


 3月8日の日本農業新聞の一面のコラム記事。しかしなんですな、日本政府や組織委員会はオリンピックをやる気満々ですな。どういう形にしろオリンピックの競技が行われて日本の選手がテレビに映れば、応援してしまうのは間違いないのだが・・・。それにしても・・・。
 世界の名目GDP 国別ランキングを見ると日本は世界第3位なので経済大国であることは間違いないのでしょうけれど、でもいろんなところで貧しさを感じるなぁ。格差が激しくなっているからなんだろうけれど。まあ、周りばかりを見てても仕方がない。

タネツケバナとフキノトウとツクシと紅梅とヤナギと残月と『ボーダー』


8日(月)
 朝のうちは曇っていたけれど、その後晴れてくる。でも風は冷たい。
 昼過ぎまで精米と事務仕事。午後、近所のフレンドマートへ買い物に出る。


 うちの大麦の圃場の脇でタネツケバナが咲いていた。でも曇り空だったので花はあんまりしっかりとは開いていなかったんだけど。タネツケバナは種付け花ではなくて、種浸け花です。ようするに種籾を水に浸ける、浸種をする時期を教える花なんです。種籾を水につけて発芽の準備をしなさいよ、そういう時期になってきましたよ、と教える花なんですね。今は加温して芽出しをするので、浸種もまだもうちょっと先なんですけどね。でも啓蟄をすぎ、タネツケバナが咲きだすといよいよあれこれ準備をしなくてはなりませんね。


9日(火)
 午前中は精米と事務仕事と散髪。散髪して男前をあげようとしたけど、どうもあちこちに白いものがずいぶん混じるようになってきてますなぁ。どうもこれはロマンスグレー路線を狙うべきか。ロマンスグレーとごま塩あたまは、どう違うんだ?
 そうそう散髪屋さんと話をしていて、コロナでというか、コロナの影響かどうかわからないけれども、お店を出して10年。毎年売上げが上がってきていたんだけれども、2020年は初めて前年より下ったんです。いつかは下るとはわかっていたんですけれど、実際に下ってみるとちょっとショックでした、と笑っておられました。まあ、コロナの影響もあるんでしょうなぁ。
 午後は作業所の整理をしようとして、フォークリフトのエンジンをかけようとしたら、バッテリーが弱くなっていて、エンジンがかからない。やれやれ。バッテリーをはずして充電してみる。
 その後、ジョン・アヴネット監督『ボーダー』(2010)を観る。ロバート・デ・ニーロアル・パチーノの共演である。うーむ。こう書いてあると観たくなりますよね(笑)。あたしゃ、あーた、デ・ニーロは『ディア・ハンター』(1978)から。アル・パチーノは『スカーフェイス』(1983)からですから。この二人の共演といえば『ヒート』(1995)ですけどね。『ヒート』はよかったなぁ。『ボーダー』は、ちょっと脚本がまずいのかな?映画的に盛り上がりがあまりないよね(笑)。いや、まあ、ラストはそこそこなんだけど。二人は頑張ってますけどね。


 まだ今年はウグイスを聴いていないが、ヒバリはすでに盛んに鳴きはじめています。ヒバリの囀りは聞くと、なにか元気になるんだなぁ。
フキノトウもうちの田んぼのあぜ道で見つけました。毎年採ってきて食べるのですが、あのほろ苦さがなんともね。いいんです。今日はまだ小さかったのでもうちょっと待ちます。
 ツクシも出てきてます。もちろんスイセンも。


 そうそう、今朝も早起きしたんですが、ふっと気がつくと南東の空に月齢25.6の下弦の月が空に残ってました。月の写真はなかなか難しいのですが、ええ、窓からパチリ(笑)。そういえばデジカメの縦横比はどうしてますか?まあデジタルなので撮影後もいくらでもすぐトリミング出来るのであんまり気にすることもないのかもしれませんが。iPhoneは4:3ですけどね。SONYのRX-100は16:9にしています。うん?要するに受光素子のサイズの比率にしておけばいいのか。1.0型(13.2×8.8mm)のCMOSだから・・・?計算がややこしいな(笑)。暗算ができないぞ(笑)。
 梅は今を盛りに咲いていますが、ソメイヨシノの蕾は下の写真のようなこんな感じ。今年の桜はすこし早いかもという噂ですが、毎年すこし早いかも、って言われているような。







アジサイと紅梅と白梅とちりめんじゃことおでんとビール



 午前中は精米とお米の発送。
 午後は日曜日だと気が緩んだのかウダウダとしてしまい、夕方から寄合い。
 このあたりのあちこちで梅の花が咲いていて美しい。うちの村ではけっこう家の周りの庭や畑に梅の木がある。圧倒的に白梅が多い。ちょうど今盛りとなって咲いている。うちの梅もまだまだ蕾もついているけれど、紅梅も白梅もよく咲いています。アジサイも芽を出してきましたし、くしゃくしゃとしたちょっと変わったスイセンの花も咲いてます。春ですな。今日は風がけっこう冷たかったですが、陽が出るとやはり春のムード。

 うちでは「じゃこ」と言えばちりめんじゃこ。天日でしっかり干してあるのが好み。というか子どもの時はそういうちりめんじゃこばかり食べてきましたから。いわゆる「しらす」というか「しらす干し」「釜揚げしらす」というようなものは子どもの時は食べたことがなかったので、今もちょっと柔らかい「しらす」は個人的には苦手(笑)。
 今、「ちりめんじゃこ」で検索したら、あれこれたくさんレシピが出てきて、どれもおいしそうですが、僕はやはり普通に二杯酢でいただくのが最高!お総菜屋さんにはいろんなのがあって、僕は山椒と一緒に佃煮風にしたのも好きだけど、家の冷蔵庫にあるちりめんじゃこにさっと酢と醤油をちょろっとかけ回して、炊きたてアツアツご飯と一緒に食べるのが好き(笑)。ご飯に乗せるとアツアツのご飯もちょっと温度が下って食べやすくなるし。
 さらに今晩は奥さんがおでんを作ってくれて、これが僕の好きな大根とか卵と里芋なんかで、昆布だしが利いていて、おいしかったです。あと、おでんの具としては、タコが好きです。これは学生時代に金沢出身のY君に教えてもらった具なのだが、なるほどおでんのタコもうまくて好き。というわけで今晩は日曜日ということもあっておでんでビールをいただいたのでした。あーたのところではおでんにタコを使いますか?もし知らないなら今度是非試してください。
 うーむ。別にオメーの好きな食べ物が知りたいわけではない、とお思いの貴兄。ごもっともですが、今日のところはご勘弁願います。
こういう絵に色をつけるのがいいのか、どうか、迷うところだが、すこしだけつけてみる。もちろんおでんに燗酒のうまさも知っているけれど、今日は冷たいビールで。

大麦の様子と啓蟄と精米と発送仕事を教えることなど



5日(金) 二十四節気の「啓蟄
 今日は啓蟄です。冬ごもりをしていた虫が穴から出てくる頃、ということらしいです。この啓蟄という字面が好きだなぁ(笑)。
 何だか終日、精米と事務仕事。夕方が歯医者と皮膚科のハシゴ。やれやれ。

6日(土)
 陽射しが出たが、風が強くさむい。
 今日もバタバタと精米など。長男に精米機の使い方。精米のときの注意点などを教え、またお米の発送のやり方について伝授。すこし販売関係の仕事が分担できたらいいと思うのだが。

本格焼酎「百年の孤独」という麦焼酎をいただく。アルコール度数は40度もある。宮崎の焼酎だという。最初は生でクイっとやってみたがうまい。でもやっぱり度数が高いのでお湯で割ってみる。香りがふわっとひろがったぜ。