現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

大相撲初場所と沢木耕太郎と宝くじ売り場と1月の快晴の夕暮れ



11日(水)
 午前中は精米など。

 大相撲が始まると、どうしても気になってしまうなぁ。四日目を終わって関脇高安は1勝3敗。前頭7枚目宇良は2勝2敗。前頭9枚目遠藤も2勝2敗。十両12枚目朝乃山は4勝0敗。まだ序盤ですからどんどん頑張ってほしい。豊昇龍、いいねぇ。強いねぇ。横綱が欠場で大関が一人、関脇が4人の場所ですからね。これから盛り上がるはずですね、たぶん。

 そういえば、昨日、テレビで久し振りに沢木耕太郎を見る。75歳の沢木耕太郎。去年10月に『天路の旅人』という新しい本を出したので、その宣伝ということこともあるんでしょうけれど。25年かけて書き上げた9年ぶりのドキュメンタリーだそうです。
 ま、沢木耕太郎が書いたものなら間違いはないでしょう。(ああ、でも今、Wikiを見たみたら、知らない本がたくさん出てきて、あれ?ぜんぜん読んでいないことに気付かされました。)これまで読んできた文庫本の『解説」や雑誌での記事で、何人もの人が沢木耕太郎の魅力を語っていましたが「女性にもてる」「女性から好かれる」というのを何度も読んだ気がする。もちろんその文章、文体からさもありなん、と思ってはきたけれど、75歳の沢木耕太郎がテレビの画面の中でみせる上品さ、はにかみ、情熱、それから目元にたたえられた笑み。ははん、と思ってしまいました(笑)。インタヴューを終えた若い女性アナウンサーが「目がキラキラしていて・・・」とキラキラした目でおっしゃっていて、もう完全に沢木耕太郎の魅力にはまっておられました。さすがだねぇ。

 夕方、「年末ジャンボ宝くじ」の換金をすべく売り場窓口に持っていって「七億円当たっていませんか?」と差し出すと、オネエサンはクスッと笑ってくださって「さあ、どうでしょう?調べますから二番の画面をご覧くださいね。」とおっしゃる。画面には1枚1枚確認していく様子が映し出されていきます。「大きいのはありませんでしたね。」とのことでした。「●△×◎くじはいかがですか?」と今販売中のくじをすすめられたが「今、ショックが大きいので、今度にします。」と申し上げると「はい。じゃ、また今度。」とおっしゃるのでありました。
 その宝くじ売り場からの帰り道。1月の快晴の空と夕暮れの光と県境の山々の雪があまりに美しかったのでカメラを向ける。太陽が沈んでいくのは琵琶湖の向こう湖西の山々であります。北陸自動車道とあの山の間には琵琶湖が広がっているのだが、高速道路の盛土のために見えませんな。ええ、動画は例によって何も起こりません(笑)。

『ラスト・ターゲット』と枝雀・米朝・小さん・海原小浜

9日(月) 成人の日
 うちの購読している中日新聞には、サントリーの成人の日の全面広告は載っていませんでした。ま、成人年齢が十八歳になったけれど、飲酒は二十歳だし、サントリーとしても、新成人に向けてなんて祝意を述べ、サントリーのお酒を飲んでくださいな、と言えばいいのかわからなかったのかも。

 午前中は精米など。午後はすこし事務仕事。
 

10日(火)
 午前中は精米など。その後少し事務仕事など。
 コーヒーの豆を挽くミルがほしくなり、噂のダイソーのコーヒーミルがあれば買ってみようと思って出かけたけれど、長浜市内の二軒のダイソーにはともに無かった。それじゃぁ、激安を謳う「ドン・キホーテ」にいってみようと思いついたのですが、ここにもありませんでした。「ドン・キホーテ」には初めて入りましたが、なるほど。ああいう感じのお店なんですね。なるほど。

 落語をいろいろ自分から聴き出したきっかけは、卒業して1年目仕事をしはじめたとき、職場で初めて自分の机をもらって張り切っていたわけですが、隣の席が既婚の女性でよくおしゃべりをしてくださいました。よくよく話していたら中学の時の同級生のお兄さんと結婚されていることがわかって、ちょっとびっくり。その人が「昨日出張で○×さんのクルマに乗せてもらって一緒に行ったんやけど、カーステレオから落語が聞こえてきてびっくりやったん。ほんでもじっと聴いているとおもしろくて、行きも帰りも、クルマの中で二人で大笑いしてたん。桂枝雀さんって知ってる?」と話しかけてくださったのでした。もちろん枝雀さんは知っていました。でもそのとき思ったのはドライブのときに(いやそれはドライブというよりは一緒に出張にいっただけですが)、落語を聴くというのも悪くないし、そういう時にちゃんとじっくり集中して聴いて笑ってくれる人もスバラシイな、ということでした。なんといっても私も通勤に自分のクルマを手に入れたばかりでしたし、カセットテープのカーステレオから何を流すのがいいのか、とあれこれ試していた時期だったんですよね。いいヒントをもらったような気がしたものでした。でレコード屋さんに行った時に(ちょうどCDが出始めたころでした)、カセットテープのコーナーで枝雀全集を見つけたんですよね。仕事して給料ももらっていたのでカセットテープは二巻買ったのを覚えています。A面B面で四つの噺ですよね。これがおもしろくて次々買いました。
 枝雀さんの師匠になる米朝さんは、人間国宝にもうなっておられたのかな?古い話をおもしろいマクラで話しておられました。そういう意味では地味ながら滋味がありまして、ここのところはずっと米朝さんを聴いています。米朝さんの音源はあまりYouTubeにあがっていないのもあるんだけれど、今日も手持ちの音源の「酒の粕」という噺で笑わされたりうならされたり。マクラで昔の噺家が楽屋なんかで飲んでる話が出るんですけど、何度聴いてもおもしろいんだなぁ。まあ確かに国宝なのは間違いないですわ。

柳家小さん 桂米朝 対談 「寄席落語200年に思う」 1998/08/23

桂米朝海原小浜の上方笑芸繁盛記

『農家はもっと減っていい』と成人式とインディーな辻井農園と貧しくて無名な還暦(過ぎ)


↑外の洗い場の横の洗濯機の上にニンジンが三本。三本のうち左の二本はなにか伸びにくい理由があったんだろうなぁ。

8日(日)
 久松達央『農家はもっと減っていい』(光文社新書)読了。たぶん去年の秋に買ったんです。枕頭本にしたのですが最初の30ページほどで何度も撃沈した本。何度も最初から読むんですが30ページほどで寝落ちしてしまいました。昨日の朝、枕元から持ち出して机の前に座って、コーヒーを飲みながらまた最初から読みはじめたら、なんとか60ページほど、最初の「第1章 農家はもっと減っていい」を読む。全部読了してわかりましたけど、なんだかね、やっぱり最初の出だしの第1章は読みにくいし、久松達央氏が何が言いたいのか、もひとつわからないと思いました。農家はもっと減っていい、というか、減らざるを得ませんよ、淘汰の時代ですよ、中途半端じゃやっていき難いですよ、ということなんだろうと思うんだけど。私も昨年岐阜のものすごくでっかい農業法人のところを見せていただく研修にいったので、淘汰の時代はわかるつもりなんですが、どうも私にはわかりにくい文章だと思いました。ところが「第2章 淘汰の時代の小さくて強い農業」からあとは、しゅるしゅると読めて最後までよくわかる達意の文章です。昔、『小さくて強い農業をつくる』(晶文社)を読んだ時に感じた、同じようなことを考えている人(久松農園は野菜を栽培しておられるところですが)が蘇ってきて、370ページほどは一気に読めました。
 設備投資のこと、ニッチ戦略、ファンをつくること、有機農業のこと、一緒に仕事をする仲間のこと、文化的な素養・教養のこと、などなどいろいろ付箋をつけたくなることがたくさんありました。ま、でも結局、いいもの、おいしいものが作れるように、自分のやりたいことをやれるように、努力もし勉強もし教養を高め仲間を集め、健康に気をつけて頑張る、ということなんだけど・・・。

 そういえば。読んでいる途中で、一度、辞書を引きました。二十年来(いや、もっとか?)、何度も耳にしてきたけれど、意味はなんとなくわかるような、わからないような、というあいまいなまま過ごしてきた言葉。

 【インディーズ  indies】〔インディペンデントから生じた語〕 映画や CD 製作などで,大手の製作会社に所属しないで,独自に製作・販売を行うプロダクションや会社。また,それにかかわる作家・音楽家

 なるほど。そういうことだったのね。インディペンデント(independent)からきていたのか。なんで今まで辞書を引こうとしなかったのか、我ながら不思議。そんなことも知らなかったの!?とお思いでしょうが、はっきりとは知らなかったのです。ええ、何度も耳にした言葉ですが、いままで私の口から発したことは一度もない言葉でした。ええ、これからは日常的に使うかもしれませんぜ。なんといっても辻井農園はインディーなので(笑)。 「独立の」「無所属の」 「業界を支配している大資本に対し、独立した小資本の会社(自営業)」なので(笑)。なんだか燃えてきたぜ(笑)。

 などと書きながらいろいろ思うところがあるんですけどね。あたしゃ、若い時から「大器晩成」という言葉が好きで、というか、正直に申し上げると、祈るような心持ちで「大器は晩成す」を頭の片隅に置いていたこともあったんだけど、もう還暦も過ぎてしまった私が今考えていることは、大器だろうが小器だろうが(男のイチモツのことにあらず)、早成だろうが晩成だろうが、早熟だろうが晩熟だろうが、まったく関係ないし、さらに言うなら、・・・(400字ほど抹消)。

 この寒空に珍しく爆音を響かせたバイクが二、三度、家の裏の道路を爆走する音が聞こえた。台所で煮物を作っていた奥さんに「なんか、珍しいな。」と言うと振り返りもせずに「成人式やで燃えてる子が出張してきてやんすんと違うか。」ということでした。さっきビールを買いに出たら、文化ホールの前に成人式を終えた新成人らしき若者がたくさん集まっておしゃべりをしたり写真を撮りあったりしていた。振り袖姿というか着物の女性の新成人は半分ぐらいかな?残りはスーツにコートでした。男性はほとんどがスーツでしたが、10人ぐらいは志村けんのバカ殿と同じかそれ以上の金ピカの姿でした。いやさすがに白塗りにちょんまげ姿はいなくて金ピカの短めの頭髪で、なかなか粋な姿でした。世の中が大人だと正式に認めてくれる式ですからね、女性のことはよくわかりませんが、オスの血が騒ぐのは当たり前です。
 日本には「判官贔屓(はんがんびいき)」という言葉もありますし、経験不足の若者が何かしたいことをやろうとして頑張った結果失敗したとしても、その時は叱られるでしょうが、それを許し応援してくれる大人もたくさんいると思います。失敗を恐れず頑張っていただきたい。自分の頭で考えてやってみたいと思うことがあるのなら、存分にやっていただきたい。失敗してもいいです。若いからやり直せるし、失敗はいい経験になることが多いです。頑張ってください。キモは自分の頭で考えることです。自主・独立、インディペンデント、インディーですぜ。

 毎年、成人の日はやってきますな。コロナ禍で成人式が行われない年もあったのは、まさに「禍」でしたが、私なんぞは学生の時で住所を移していたので、幼なじみと顔を合わせるわけでもないし、「成人式なんて、てやんでぇ!」と思って出席せずに、下宿の部屋でごろごろしてたら、隣に住んでいた下宿の大家さんが「ツジイさぁーん!」と大きな声で呼んでくれて、「なんですかぁー?」と返事してお隣に行くと、「成人、おめでとう!これ、さっき自治会長さんが渡してくれ、って持ってこられたが。」と “祝成人”と書かれた熨斗紙つきの小さな箱をいただく。部屋に帰って開けてみたら大きいけど薄手のコーヒーカップでした。なんでかしらんけど、それ見て泣けたなぁ(笑)。学生だし自治会には無縁だし自治会長さんも知らないんだけど、自治会長さんも私のことは知らないと思うのだが、新成人のリストを見たんでしょうなぁ。新成人に対する無差別の祝意、期待。それが形式的なものであることはもちろん理解していましたが、無差別であるがゆえに、一人、下宿の部屋でごろごろしていた私の心に染みたのでした。
 学生だった当時も当然無名なら、還暦になった今でもあいかわらず無名だけれども、真面目に仕事をしてきているつもりなので、いささかではありますが世の中や社会には貢献もできたはずだし、まだもうしばらく真面目に仕事するつもりです。

     貧しくて無名な若者に万歳!貧しくて無名な還暦(過ぎ)に万歳!

 かくして「貧しくて無名な還暦ははしゃぎやすい」という格言が『プチ・ラルース』には載っているという噂に信憑性がでることになる(笑)。

春高バレーと七草粥と西村ケント君がラジオに登場

6日(金) 小寒
 午前中、精米と発送。

 バレーボールはもうほとんど注目もせず、観ていないのだが、テレビで「春高バレー」をやっていたので、途中から一試合観てしまったが、思いのほかおもしろかった。差し障りがあるといけないので、赤いユニフォームと黄色いユニフォームのゲームということに。あ、女子の試合です。実況アナウンサーの雰囲気から赤が有力選手が何人かいて攻撃力があって強くて、黄色は平均身長も低く有名選手がいなくて格下風の感じでした。2セットの途中から観たのですが、実際一セット目は赤がとっています。デュースの接戦のようでしたけど。でもね、黄色チームが猛烈な守備で拾うんです。どんどん拾ってボールを上げてねばってねばってる。作戦タイムをとったときに監督さんの声をマイクが拾う時があります。黄色チームの監督さん(女の先生でした)「いい?バレーはスパイク合戦じゃないよ。空間、空間を見て、相手の選手のいない空間にボールを落とすんだよ。いい?一人じゃないよ、みんなでね。」と言うコメントが聞こえてきました。対して赤チームの監督さん(40代ぐらいの男の先生)「お前ら◎△■÷×◆〄●▼□ができてねーから、こんなことになっててるんじゃねーか!しっかりやれ!」と。もうこのコメントが聞こえてきて、あたしゃ、黄色チームを応援することにしたんですが、なんだかね解説をしているEさん(元日本代表の選手)も聞いていると黄色チームを贔屓加減に声を出しておられることに気がつきました。「一試合一試合大会中に成長していますね。この試合中にも成長しているのを感じます。」「ナイス!」「やったー!」なんて、解説者が「やったー!」はマズイでしょ(笑)。でね、試合はシーソーゲームになって、二セット目は黄色がとったんです。勝負の第三セット前半は赤の猛攻で赤がリードしてコートチェンジ。でもここからまた黄色がどんどんボールを拾って上げていくんです。長い長いラリーがどんなけあったことか。強烈なスパイクもブロックでワンタッチしてスピードを殺して、後ろで拾って上げていくんですよ。で、とうとう逆転して勝ってしまいました。「判官贔屓」って言葉があるし、たぶん僕にも解説者のEさんにもその心持ちがあったと思うんだけど、今、こうして振り返ってみると、実力はあったんだと思います。当たり前か。「いい?バレーはスパイク合戦じゃないよ。空間。空間を見て。相手の選手のいない空間にボールを落とすんだよ。いい?一人じゃないよ、みんなでね。」こんなコメントを競ってる時に選手に語れる監督さんのチームの実力が勝ったんだと思います。次の試合も頑張ってほしい。ああ、よく知らないことを長々と書いてしまった。ちょっと感動的だったので。


  ↑なんだかぜんぜん粥に見えないのが悔しいけど、まあ、いいや(笑)。

7日(土)
 朝のうちに精米と発送。長浜の郵便局の本局から。
 高校ラグビーの決勝戦を観る。東福岡、強かったねぇ。あ、いや、ネットから観戦しました。

 NHKのラジオ番組「ウィークエンドサンシャイン」に西村ケント君がゲストで出ていた。ケント君のトークは初めて聴く。19歳。初々しい(笑)。小学生の時から知っているものとしては、なんだかうれしい。ま、バラカン氏の反応はもう一つだったけれど(笑)。

プレーヤー | NHKラジオ らじる★らじる

 最初の方は2022年の「年間ベスト」の話題(これもおもしろかった!)。1時間41分あたりからケント君登場。ケント君、思いのほか英語のタイトルの発音がきれい。YouTubeでいつも観ている者としては、彼の指使いや手の動きが見えないとおもしろさは半減してしまいそう。ま、テクニックのすごさはわかるんだけど、ここからだよね。バンドの演奏をギター一本で再現するアレンジ力やテクはすごいけど。音楽から受ける感動はテクニックだけじゃないから。バラカン氏もケント君も、みんなそんなことはわかってるんだけど。頑張ってほしい。

ゆうパックの領収書の整理と『おらおらでひとりいぐも』と「Sunshine on my shoulders」


5日(木)
 昨年の楽天市場での売り上げのデータをダウンロードしたり。ゆうパックで発送した分の領収書の整理など。ゆうパックの宛名ラベルの裏には糊がついているので、とりあえずノートに領収書と一緒に日付順に貼ってみたが・・・。ええ、送料の計算のためなんですけどね。うーん、これは必要かな?カード決済なのでカードの引き落とし状況を確認すればいいんだけど、・・・。あとスマホ割りのアプリで確認できないこともないんだけど、これスマホからパソコンにダウンロードできないんですよね。領収書やラベルの整理としては紙に糊で貼り付けるというのは時代錯誤という気もしないではないが、・・・。今どきはどうなの?
 スマホで領収書を撮影したら、自動でPDFになってきれいに保存され、文字や数字も読み取って、スプレッドシートに日付とお取り扱い番号と金額を入力しておいてほしい。で、ゆうパックのラベルもスマホで撮影しておくと、これまた宛名の住所や名前とお取り扱い番号など文字情報を読み取って、お取り扱い番号で勝手に領収書と紐付けしてくれて、名前と金額等がシュルッと一覧で出てくるようなアプリがほしい(笑)。FileMakerOCR機能はなかったと思うので、そのあたりAppleScriptで連携させてうまくできないかな?ここでAppleScriptが出てくるあたりが我ながら笑える。「pythonで書くか?」と20年前なら独り言を言ったかもしれないが、プログラム言語としてはHyperTalkとAppleScriptしか実用的に使ったことはないんだなぁ(笑)。いや一番最初ネットでお米の受注でApachepythonでやってみたんです。ちゃんと動いたんですよ、文字だけの画面でしたけど。でもサーバーの管理に不安を覚えたので、注文が来る前に三日でやめたんです。AppleScriptふたたび勉強し直してみる?笑うしかない。

 午後は若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社)を読了。芥川賞受賞作なんですね。映画は昨年の12月に観たんですけれど、映画の5倍くらいは原作の方がいいです。というか、あの映画はこの原作を読んでいなくては、半分ぐらいしかわからない映画という気もします。
 私が二十歳の前後、読むスピードも読む時間もたくさんあったあの頃は、読書の指向は純文学の小説だったような気がします。いや、というより当時は新刊の単行本を読む財力がなくて文庫本を読むのが中心だったので、いわゆる古典とか名作とか文庫本になったものを読んでいたということなのかな。いや、やっぱり違うな。すでになんでも文庫本になる時代になっていましたからね。(五木寛之は純文学?筒井康隆は純文学?村上春樹は純文学?じゃあ吉川英治は?司馬遼太郎は?藤沢周平は?)でもその頃からだんだん「純文学」なんて言葉が死後になりつつありました。いわゆる「純文学」に力がなくなったんだと思います。というか時代の移ろいと共に「純」がよくわからなくなってきたんでしょうね。というか「芸術」とか「芸術性」についてもどんどんみんなの意識が変ってきた頃だったと思います。1970年代後半から80年代の前半の頃の話をしているつもりです。
 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』は芥川賞を受賞しているからということでもないのですが、おもしろいおもしろいと読んでいましたが、ふっと「純文学」の匂いを感じました。若竹千佐子さんは1954年生まれ。63歳で新人賞の芥川賞の受賞ですね。いえ、若竹千佐子さんの作品は初めて読みましたし、どういう心の高まりがあってこの小説を書こうと思われたのかも知らないんですけど。って、いや別にそんなこと知らなくてもいいのか。

 テレビの番組よりCMの方がおもしろい、などと噂された時代もあったんですが、もう一度観てみたいなぁ、と思いつつYouTubeで検索しても出てこないCMもありますね。例えば。ジーンズの「Big John」のCM。カウボーイのシリーズも悪くはなかったけど、なんといっても青年のバックパッカーがずーっと夕陽を浴びてアメリカの砂漠地帯(?)の国道脇を歩いていくCM。ジョン・デンバーの「サンシャイン」が流れていたやつ。
    Sunshine on my shoulders makes me happy
    Sunshine in my eyes can make me cry
    Sunshine on the water looks so lovely
    Sunshine almost always makes me high
 レコードは買ってなくて歌詞カードもなかったし、ラジカセに録音して歌詞を聴き取ってカタカナでノートに書いた記憶があります。中学の頃ですけど。友達に見せたら笑われたけど(笑)。高校生の時に、その頃はもうジョン・デンバーは聴かなくなっていたけれど、この歌詞の最初のところの意味が突然に理解できた瞬間があったのを覚えています。5文型とかmakeという動詞の使い方とかを習ったころかな?中学でも習いそうな感じだけど、高校生の時だったんだなぁ、あの瞬間は(笑)。

6日(金) 二十四節気小寒
 今日から小寒ですね。寒の入り。昨日は気温が上がって屋根の雪もときどきドシャ!と音をたてて落ちたりしていた。まだ田んぼに雪は残っているけれど、この調子ならすぐに消えてしまいそう。

2023年の正月のあれこれを簡潔に『ロンドン・エディンバラ・ロンドン』と吉永小百合の『青い山脈』と雪


1日(日) 元旦
 弟が帰省してきたので、みんなで飲んだり食べたり。

2日(月)
 年賀状を作ったり、『ドクターX』とか『古畑任三郎』をテレビでずっと流しているようなので、そのうちのいくつかを観てしまう。どれもおしろいから困る。

3日(火)
 午前中は精米など。午後長浜の本局から発送。仕事始めということになるのかな。

 『ロンドン・エディンバラ・ロンドン』というドキュメンタリー映画を観る。ロンドンからエディンバラへいって、またロンドンへ帰ってくるという自転車競技。うーむ。もう一つかな?

 西河克己監督『青い山脈』(1963)を観る。主演が吉永小百合です。1949年の今井正監督、原節子主演のやつは観てます。石坂洋次郎の原作はいまだに未読です。この1963年版はロケ地が滋賀県彦根市ですね。いきなり彦根城天守閣から映画は始まりますが、あ、彦根城とちゃうかぁ?と思ってしまいました。でもって今の彦根東高校もそのままロケ地に使われてますね。ええ、木造校舎ですけどね。お城のお堀とか芹川の堤防とか、松原の松並木とか、袋町あたりらしき景色もありました。いえ、そんなに彦根には詳しくはないですが・・・(笑)。
 浜田光夫はともかく若き高橋英樹が男前のいい役をやっています。それからこれまた若い芦川いづみ二谷英明南田洋子もいいです。あと藤村有弘もいい感じです。藤村有弘は私の世代ではもちろんドン・ガバチョですけれど、あの頃は藤村有弘とかトニー谷(♪あなたのお名前なんてーの?と拍子木をカチャカチャやってましたよね。はい。思い出しました「アベック歌合戦」だ!)とかインチキ外国語を話す芸人がけっこういましたね(笑)。
 ええ、話がすこしずれましたが、楽しめました。この手の昔の青春映画も、21世紀の今観ると、一周か、二周遅れで、楽しめる感じはありますね。

4日(水)
 朝起きてカーテンを開けた時には気がつかなかったが、明るくなってきたら、すでに雪が降っていて、うっすらと白くなっている。やれやれ。
 ビビ号と散歩に出て、歩きながらパチリパチリと写真を撮りながら歩く。


↑雪の写真なので、どうも調整がむずかしく、というか難しいような気がして、あれこれいじっていたら、こんな具合にいろいろ一枚一枚色味の違う写真になってしまっていたぜ(笑)。

 午前中は精米と発送など。
 午後はうだうだと年賀状の眺めたり、机の周りの整理整頓など。世間は今日から仕事始めということだが、私は、ああ、まだ正月の気分らしい。雪だし、寒いし本を持って蒲団に潜り込んだら、あっという間に寝てしまうというていたらく。

 この正月は箱根駅伝をだらだら観る代わりに『ドクターX』をだらだら観たような気がするのだが、今日、気がついたというか、YouTubeのオススメに『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』があがっているのを発見する。じつはこのテレビ番組のファンである。ディスカバリーチャンネルでやっているのを去年の夏ぐらいから観てしまっている。といってもいつやっているかわからないし、私もたまたま雨の日とか昼寝の時間にちょこっと観るだけなんだが、番組表を見てやっていれば、10分でも観てしまう。古くて調子の悪い中古車を買ってきて、それを直したりして、売って儲けるというだけの番組なんだが、古い名車の修理・再生がやたらおもしろいのだ。うーむ。YouTubeで見つけてしまったのは、マズイかも(笑)。