現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

三国清三シェフのインタビュー記事


朝から、なんだか寒い一日だった。


今日の日本農業新聞の日本の針路という特集コラムに、北海道は増毛町生まれのフランス料理のシェフ三国清三氏が書いていた。記者がインタビューを記事にしたもののようで、いささか言葉足らずのような気もするのだが、以下その要約。
========================================================================

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形文化遺産に、政府が提案していた「和食 日本人の伝統的な食文化」が登録される見通しとなった。和食の原点は、だし。まったりとした旨味と香りが世界で評価されている。登録されれば、和食が一気に見直されるだろう。
欧州に20歳から28歳までいて、外から日本を見てきたが、これほど素晴らしい国はない。農産物もそう。海外に負けないおいしさがある。中国、韓国、欧州、米国など世界各地に友人がいるが、日本で生産する農産物はトップレベル。野菜、果実、米などはダントツでおいしい。お世辞では無い。 五大陸のシェフは皆知っている。生産者の皆さんには国産農産物に自信を持ってほしい。
地域によっては伝統野菜の振興など活発な動きがある。しかし、残念ながら相対的に足元が弱っているのも実態だ。足元を強くする手立ては何か。その一つが日本の農産物を応援するファン作り、つまり食農教育だ。スローフード活動を機に、フランスやイタリアのシェフと一緒に1980年代半ばごろから活動してきた。日本では全国各地のシェフに呼びかけて、 2000年に「日本フランス料理技術組合」を結成。仲間と共に料理教室などを通じて食の大切さを訴えている。 6人で発足した組合のメンバーは現在、 60人に拡大。地域活性化につながる活動展開している。
和食を囲む食卓、そこにいる家族の方程式は今、崩れている。昔は家族が一緒の食事をとるのが当たり前だった。一致団結、家族の絆があったと思うが、今は「バラバラ食」。嫌いな献立があれば別の食事を与えるなど、親が子供の言いなりになって迎合してしまう傾向が
気になる。甘い、酸っぱい、しょっぱい、苦い、旨味をバランスよく与えることで、子供の将来の健康や肉体、精神的に重要な要素が備わるはず。甘やかすと味覚も体も精神もダメになってしまう。残念ながら人づくりにはつながらない。
迎合する傾向は農業の現場にもある。親父が漁師で、お袋が農家だったので、売れなければ生計が成り立たないという事情はよくわかる。しかし、売れるからとか、消費者に求められているからといって、ニーズばかりを気にしてもモノ作りをするのはどうか。甘いものが売れるとなれば糖度の競争が始まる。 酸味があってみずみずしくて渋みがあるのが旨いトマトだが、それが今や果実のようになってしまった。それなら果実を食べればいいのに、と首をかしげてしまう。
組合として取り組みを始め10年が過ぎた。当時の子ども達が社会に出て、経験をどう生かしてくれるのか期待している。そして国内にはまだ素晴らしい素材がたくさんある。世界で共有できる食を外に発信するのが我々の役目。評価する応援団が増え、足元を固められれば、国際化が進んだとしても怖くない。

========================================================================



そんなこんなで朝からたまっていた事務仕事などをしたり。配りモノの準備をしたりする。この夕方に配りモノを済ませるつもりだったが、間に合わなかったので、明日の早朝に配る予定。