現代田んぼ生活 辻井農園日記

滋賀県の湖北地方で完全無農薬有機栽培米の「コシヒカリ」と「秋の詩」と「みどり豊」を作っている辻井農園のブログです。安心して食べていただけるおいしいお米をつくっています。

文鳥文庫の八作と憲法前文の試験


今日は一日、しっかり雨で、田んぼ仕事は、コンバインが故障中だし、何もできないのだが、それなりにいろいろあった一日だったのだが、ま、・・・、いろいろありますな。


先日の文鳥文庫の8作、読んだ感想を一行か二行。
森鴎外高瀬舟』・・・何度読んでも名作だなぁ。鴎外は軍医だったし、こういう安楽死がらみの視点も持っていたんだろうけど、高瀬舟で罪人をつれていく同心羽田庄兵衛が実は普通の当たり前の男で、そこがまた魅力なんだなぁ。
梶井基次郎檸檬』・・・審美だなぁ。「私は、できることなら京都から逃げ出して誰一人知らないような市へ行ってしまいたかった。第一に安静。がらんとした旅館の一室。清浄な蒲団。匂いのいい蚊帳と糊のよくきいた浴衣。そこで一月ほど何も思わず横になりたい。」「察しはつくだろうが私にはまるで金がなかった。」この部分は、読むたびに笑えてくるのだ。
新美南吉『手袋を買いに』・・・僕は童話とか絵本などとはおおよそ無縁と言ってもいいくらいなのだが、これは、昔、奥さんが図書館で借りてきて、子供たちに読んでやっていた。なにがどうという話でもないのだが、それでもしみじみいい文章なんだなぁ。
夏目漱石『変な音』・・・初めて読みました。うーん、なんなんだ。
芥川龍之介『白』・・・これも初めて読む。白い犬の話。うーむ。どうなんだ?
宮沢賢治注文の多い料理店』・・・おもしろいねぇ。注文の日本語がちょっとづつおかしいのがおもしろい。
太宰治走れメロス』・・・中学の国語の教科書に載っていて授業でも読んだのです。40年ぶりぐらいに読んだのだが、そうか、妹の結婚式のために、戻ったのだったか。大宰の作品としては、ひねりが足りない気がして単純な話のような気がしていたのだが、文章がとてもうまいのでおもしろく読まされてしまう。
坂口安吾堕落論』・・・カッコいいねぇ。無頼とはこういうことだよなぁ。


昨日今日の参議院の特別委員会の様子は、どうなっているんだ?
今日、夕食の前にテレビで国会のニュースを見ているとき、次女が「今日は憲法のことを習ってきた」と言う。
すかさず、「お、ほれなら聞くけど、日本国憲法の三つの大事な理念、考え方はなんや?」
「えーっと、基本的人権の尊重ぅ、平和主義ぃ、えーっと・・・」
「国民?」
「そうそう、国民主権
「正解!この三つは試験に出るで。高校生になっても、試験に出るで(笑)。」
「明日な、憲法の前文の暗記の試験があるんや。」
「ああ、前文な、お父さんも覚えたで。日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する、ちゅうわけや。日本国民が決意し、宣言して、確定したんや。かっこええがな。国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受するんや。日本国民は、なんやったかな、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意したんや。でもって、国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふんやな。でや、日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓わんとあかんのや。不断の努力で、この憲法を守るちゅうこっちゃ。」
「あん?なんかだいぶ違ごたような。」
「まあ、だいぶ抜けたけど、だいたいおうたると思うで(笑)。意外におぼえてるやろ。」
天皇は象徴なんやで。」
「ほうなんや。ほんで、天皇は政治的なことに口出しはできんことになってるんや。」
「そうそう、それも習ろた。」
「ほんで、天皇とか大臣とか、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ、ちゅうことになったるんや。それやのに、勝手に憲法の解釈を変えてしもたら、あかんがな。このテレビのニュースの安保法制という法律をつくろうとしてるんやけど、憲法最高法規やから、憲法に反する法律は、その効力を有しない、ちゅうことになったるんや。この法律が、憲法違反なら無効になるんやで。」
「ほうなん?」
「うん、ほのかわり、憲法に違反するんかどうか、その判断をするのは最高裁判所やけど、裁判は時間がかかるやろで、実際のところ、どうなるんやろな。」
「ふーん。」
「今の憲法が、今の国際情勢に照らし合わせて、ほんまに、間に合わんような、時代遅れの憲法なら、憲法を改正せんとあかんのやけど、国会議員の2/3以上の賛成と、国民投票過半数をとらんとあかんのや。今の総理大臣には、その自信がないんやな。憲法を改正せんとどうにもこうにもなりませんのや、と国民に説明して説得する自信がないで、憲法の改正とちごて、憲法の解釈を変更するちゅうような、ややこしいことになってしもたんやな。まあ、政治家は選挙で選ばれたんや、選挙で勝ったんや、国民に支持されて、政治を任されているんや、と言いたいんやろと思うけど。ほんで選挙はむちゃくちゃ大事なんや。しっかり考えて信頼できる人を選ばんとあかん。あんたらも18歳になると、選挙権がもらえることになるで、ニュースはよう見とかんとあかんのやけど、テレビの司会者やコメンテーターちゅうて、解説さある人がやあるけど、そういう人の言わあることをそのまま信じるんでなくて、自分の頭で考えんとあかんのやで。自分の頭で考えて判断するんや。」
「・・・。」
「自分の頭で考えて判断しようと思うと、難しいやろぉ、何にも知らんと、自分で判断できんがな。ほんで勉強せんとあかんのや。歴史も科学も文学も自然も。ま、とりあえずは学校の勉強をしっかりと。明日の憲法前文の暗記試験も、しっかりな。」
「・・・。なんか腹減ったわ、ご飯にしよ。ご飯食べたら、風呂入って、寝よかな。」
「あんたは、睡眠学習派か!」